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ーーーーーーーーーには秘密がある

インフルエンザにかかっていました。

確定申告バージョンのヘリオスさんが飛び出して熱にうなされる中、脳内で大暴れしたので投稿します。





前世、とある一人の親であった時このゲームに出会った。


不慮の事故で亡くなってしまった娘のやりこんだゲーム。



手芸をやる身ながら、画面を見るのが少々辛い歳になりつつあったので娘に勧められてもやらなかった。

貴女がハマったゲームはこんなに難しく、楽しいものだったのね…










やがて寿命を迎え、天国の娘に会いに行けると思っていた。




『あれ?』


『ヘリオス?どうしたの?』


5歳のヘリオスの中にウン十年も年老いた自分の意識があることに気づいた。

天国にあの子はいなかったのだ。

扉が閉ざされたのか、自ら転生したのか、

いなかった。

だから、探した。



ゲームの中の世界だと気づいたのはたまたまである。

でも、針子という職業もなかった。


何となく、娘を探すためには針子にならなくてはいけない。と漠然と解釈し

前世チートを遺憾なく発揮し、花鏡の頃には最年少として針子になれた。


そして針子になったあと、出会ったのだ。娘に。


マクスウェル公爵家の長女、御生誕のお祝いとして産着を縫うために公爵家を訪れた時である。


触れさせてもらった際、ヘリオスのことをまっすぐ見てぎゅ。と掴んだ時に



ーーーーあ、これは前世の私の子だ。



と、わかってしまった。


可愛さで泣いたふりをしてごまかしたが、嬉しかった。

私の娘に産まれなくてもよかった。

元気で幸せでいてくれてよかった。


そして思い出した。

公爵家のご令嬢の名前がレティシアということに。



少し間違えばあの子は婚約破棄。

推しは王太子。


それを回避するためには努力は惜しまない。


そう覚悟して、王城に戻るとヘリオスは筆頭針子になるべく勉強をした。


そして、秘密裏に動ける人材の確保もこっそりと始めた。

使用人、料理人、庭師、軍人、ギルド…

ヘリオスの持てる知識を総動員して少しずつ協力を仰いでいった。あくまで協力である。


きっとまだ時間はある。しかし、あまりちんたらはしていられない。


5年かけて筆頭針子の勉強をした。

時間が許せば地方へ飛んで色々な技法を学びに行った。


あとは推薦人。

筆頭針子になるためには推薦人を集めなくてはいけない。

王家で最低でも3人。

貴族で3人。

マクスウェル公爵家は仕事で通ううちに快く快諾してくれた。

伯爵家でも前世の知識を活かせたので快諾してくれた。

あと一貴族は王家から推薦人を見つけてからにしよう。



まずは王妃。

子育てのかつてのノウハウで心をガッチリ掴んだ。


次いで前王妃。

前世プラス今世の年齢を経ているせいかお相手には気に召したようで推薦人になるから筆頭針子になりなさい。と言われるようになった。


いいところまではきたが、王家で知る人がなかなかおらず、悩みかけた。




ヘリオス18歳。蝶よ花よと持て囃される年頃である。

当の本人はそんなことどうでも良くて、すごく悩んでいた。


推薦人探しがこんなに難航するとは…。

特にライバルがいるわけではない。

針子は競争欲があるわけではないので推薦人もいらないのでは?みたいに思われるが針子の筆頭に当たる人間は独裁を強いれるので外から諌めるために必要なのである。

所謂監督者だ。

もし、筆頭が何かした場合、推薦人で話し合い。処罰等をする役割がある。


ぶっちゃけ、現筆頭針子からは

『推薦人見つけたらすぐ変わってね!私、南に遠征しに行きたいの!』と、言われた。軽かった。


推薦人さえ見つけられればなんてことはない。

推薦人に王家の人々を揃えられれば針子達も貴族に舐められず良いのである。

前王妃が身罷られても、後継も選んでもらっているので問題はない。

でもできればあと1人…。






『ファブリケ殿?具合でも悪いのか?』


イターーーーーーーーーーーー!!!

と心の中でガッツポーズをした。

アンドルー王弟殿下である。


『いえ、元気です!』



歳の離れた兄弟であるが、王をとてもよく気づき補佐するとても良い青年であるが反対で不正には厳しいと有名である。

ヘリオスと同じ歳。

たまに染色室で会う。接点がないわけではないが馴染みがあるわけではない。



『君を筆頭針子にしたいと母上から聞いたが…その…大丈夫なのか?』



ヘリオスはにこやかに


『ええ。私にも小さいながら野望がございます。』

ーーーーそのためにはまず筆頭針子になりたいのです。





美しい笑みを湛えていた。





ヘリオス・ファブリケには秘密がある


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