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JKと飲み会と…

「俺が運命感じた女の子、どうやらあの子も運命感じたらしいです。」


「小さい頃の約束を信じて会いに来たJKと同棲する事になりました。」


2作品とも呼んで頂ける方はお気に入りユーザーに登録して貰えればやる気に繋がります。


ブックマークもよろしくお願い致します。

 凛の料理は天才的だった。


 高校生が鶏皮ポン酢を作るとは思っていなかったし、アジの南蛮漬けや唐揚げ、手羽先や麻婆豆腐など味も濃くビールに合う物から、カクテキやナスの一本漬け、モヤシのナムルにカプレーゼなどのさっぱりした物まで何でも作れるのだ。


 そして一通りの料理を作った後席に座る。


「凛ちゃんの手際が良すぎて何も出来なかったよ…」


 テーブルの上には10品ほどが並んでいるがどれも1時間程度で作ってしまったし、なるべくなら冷めても美味しい料理をと思い選んでいたので酒の肴には最高だろう。


「すみません…和真君のお客様を待たせるのは失礼かと思って頑張り過ぎました…」


「ううん。美味しい物食べれて嬉しいからいいよ。係長に褒めて貰いなよ?係長、凛ちゃんを褒めてあげて下さい!」

 佐藤はそう言い凛の背中を押すようにしながら俺の元に寄せる。


「凛今日もありがとう。いつも嬉しいよ」

 そして頭を撫でてやる。

 料理が美味いせいか酒も進み部下たちが「ヒューヒュー」といじってくるが悪い気はしない。


「いつもはどうやって感謝してるんですか?撫でて終わりじゃないでしょう?」

 佐藤までもいじってくるし、凛も抱きしめて欲しい様な顔をしている。


 俺も酔っているせいか凛を抱き寄せて抱きしめながら頭を撫でてやる。


「いつもありがとう。そばにいてくれて感謝してる」


 部下たちもなぜか嬉しそうにしている。

 今回はちゃかすような発言もしないで見守ってくれている。


 気恥ずかしさからいつもより早く離してしまうと凛は少しだけ寂しそうな顔をしていたがすぐに笑顔に戻る。


 そして凛を再び隣に座らせて少しの間だけ手を握ってあげることにした。


 その後も美味い料理と酒があるせいかまだ8時頃だと言うのにみんな出来上がっていた。


 そして俺は少しソファーに座り休憩をしているとウトウトしてきてしまった。その時誰かが隣に座る。眠さと酔いのせいか深く考えずに凛だと思い込んでしまったのがいけなかった…


「凛、少しだけ抱きしめさせてくれ」

 そして抱きしめる。そしていつもと感じが違う事に気づき抱きしめたまま前を向くとその“誰か”の後ろに立つ凛と目が合ってしまう。

 驚きつつも信じられない物を見てしまった顔をしている。


 そしてすぐにその“誰か”と距離を置く。


 そこには顔を赤く染めた佐藤がいたのだった…


 そして離れたはずの佐藤に距離を詰められて抱きしめられた。

 そしてまた凛と目があってしまう。

 二度目の凛は目に涙を溜めていた。


「係長、私はあなたの事が大好きです」


 そして佐藤にキスをされて唇を交わしながらも視線の向こうには凛がいた。


 三度目の凛は声も出さず大粒の涙を流していて目が合うとすぐに走り出し部屋に入ってしまう。


 そして佐藤は自分から離れてから話出す。


「ごめんなさい。本当は自分の中にしまっておく筈の気持ちでした。間違いとはいえ抱きしめられた事が幸せで…凛ちゃんの気持ちも知ってたのに…本当にごめんなさい」


 そう泣き声すら我慢せずに泣きながら謝ってきた。


「いや…元はと言えば俺が間違えた事がいけなかった。すまない」


「それで答えを聞かせて下さい。もう私自身結果は分かっています。でも係長の言葉で聞きたいんです。そうでないと私は…」

 そういいながらボロボロと涙を流しているが触れてはいけない。優しさはいらない。本当の気持ちだけを伝えるだけでいいのだ。


「俺は凛が好きなんだ。だから佐藤の気持ちには答えられない。付き合うことは出来ない」


 そう伝えた。


「ありがとうございました。そして一度でもいいので凛ちゃんにキスしてあげて下さい」

 そういいお辞儀をした後にあげた顔は泣き腫らしてはいるが吹っ切れた様な最高の笑顔だった。


 佐藤はテーブルの方で静かにこちらを見守っていた残りのメンバーに「フラれちゃったんで慰めて下さい」と言いつつも凛の部屋に寄り無理やり入っていく。


評価、レビューよろしくお願い致します。

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