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第64話 冒険者

 朝になり朝食を食べ終わった現在、ビッグボアの毛を加工している。


 なぜビッグボアの名前が分かったかと言うと毛皮が素材登録できたのだ。魔石は残念ながら登録出来なかったけど。


 そして能力の合成にも進展があった。付与で使った魔法とスライムの糸が合成できたのだ。


【能力】糸(Lv4)

【登録】麻、綿、毛、絹

【金属】鉄、アルミ、鋼、ステンレス、ピアノ線、マグネシウム、チタン、タングステン、炭化タングステン、銅、銀、金、白金、ミスリル

【特殊】元素、スライム(New)、ジャイアントスパイダー▼、蔓、グラウプニル(使用不可)

【付与】毒▼、魔法▼

【媒染剤】鉄、銅、アルミ、ミョウバン

【魔物素材】ホーンラビットの角(20)・毛皮(2)、ダウン(3)、ビッグボアの毛皮(1)

【形状】糸、縄、ロープ、網、布▼

【作成可能色】24色▼

【解析中】無


 スライムに項目が増えて。


【スライム】スライム、サンダースライム


 スライムと雷魔法を合成したところサンダースライムという糸が出せるようになった。


 近くにいたホーンラビットで試してみたが、魔力の加減を調節することにより無傷で倒すことができるようで、とても使い勝手がよかった。


『ところでエディはさっきから何を作っておるのだ?』


「これ? ヴァイスのために残ったビッグボアの毛でブラシを作っているんだよ」


(われ)のために? 何に使う物なのだ?』


「ヴァイスをブラッシングするんだよ。抜け毛が取れて健康にも良いらしいから」


『よく分からんが楽しみだ』


「よし、できた! ブラッシングやってみてもいい?」


『良いぞ。どうすればいいのだ?』


「伏せたままで大丈夫だよ」


 ブラシでヴァイスをブラッシングしていくが、毛がおもしろいように取れる。


『こっ、これは気持ちが良いぞ!』


 ヴァイスは気持ち良くてご満悦みたいだ。


「終わったよ」

『もう終わってしまったのか!』

「かなり気に入ったみたいだね。またやってあげるね!」


 そう言ってブラシからヴァイスの毛を取った瞬間。


『特殊素材を確認。登録しますか?』


【特殊素材】フェンリルの毛

 登録しますか? ・はい ・いいえ


 言いたいことは色々あるが取りあえず〈はい〉と念じる。


【能力】糸(Lv4)

【登録】麻、綿、毛、絹

【金属】鉄、アルミ、鋼、ステンレス、ピアノ線、マグネシウム、タングステン、炭化タングステン、銅、銀、金、白金、ミスリル

【特殊】元素、スライム▼、ジャイアントスパイダー▼、蔓、グラウプニル(使用不可)

【付加】毒▼、魔法▼

【媒染剤】鉄、銅、アルミ、ミョウバン

【素材】ホーンラビットの角(20)・毛皮(2)、ダウン(3)、ビッグボアの毛皮(1)、フェンリルの毛((New)

【形状】糸、縄、ロープ、網、布▼

【作成可能色】24色▼

【解析中】無


「……」


『我の毛が無くなったぞ!』


「ヴァイスの毛、素材として登録できちゃったんだけど?」


『わ、我は食べても美味くないぞ!』


「確かにウルフ系は不味いって聞いたことが……って食べねぇよ!」


『それなら、良いのだが。我の毛を何に使うのだ?』


「うーん、糸だったらすぐに使えるんだけどね。【素材】の項目自体謎だから。合成で使うと思ってたんだけど、もしかしたら【糸】のレベルが上がったら使えるのかもしれないね。そろそろ出発しようか?」


 能力の検証に時間をかけたので遅れを挽回させるかのように、糸を使って移動する。この辺りに森が多くて助かった。


 しばらく移動を続けているとヴァイスに反応がある。


『エディよ、もう少し先に行った森の浅い所で人族と魔物が戦っているぞ』


「えっ、そうなの? 見つからないように、もう少し奥に行こうか?」


『我は普通の人族の戦闘を見てみたいのだが』


「じゃあこっそり見てみようか?」


 ヴァイスに案内をお願いして戦闘をしている近くまで行くと、森の浅い所で4人の男女が体長3メートルぐらいの大きな熊の魔物と戦っていた。


「あれは冒険者なのかな?」

『ほう、あれが冒険者か』


 冒険者たちは男がタンクと剣士、女がアーチャーと魔術師といった4人パーティーでタンクの男がかなり重症のようで、剣士の男と魔術師の女が熊を引きつけている間にアーチャーの女がタンクの男を回復させようと頑張っている。


「あの熊かなり強いね。魔術師の魔術が全く効いてないし、剣士の攻撃を受けても傷1つついてないや」


『なるほど、あれでは到底倒すことはできないだろう、オークジェネラルと同じぐらいの強さがあるのではないか?』


「攻撃が全く効いてない割には倒しにかからないんだね」


『どうやらあの熊、いたぶるのが好きなんだろう。完全に遊んでおるわ』


「趣味悪い熊だな。助けた方がいいのかな?」


『普通に戦っても勝てないのを理解しているのなら大丈夫だぞ』


 少し考えて、助ける方向で行くことにするが念のため、アーチャーのお姉さんの所へ確認しに行く。


 木から降りた僕はタンクの男を一生懸命ポーションで回復させようとしているアーチャーのお姉さんに小声で話しかける。


「お姉さん、ちょっと聞いてもいいですか?」

「きゃあっ!」


 しかし、突然話しかけられたお姉さんはビックリする。


「ちょっと静かにしてもらえませんか? 熊に気づかれちゃうじゃないですか」


「きっ、君! どうしてこんな所に⁉ 殺されたいの? 早く逃げなさい!」


 自分たちより人の心配をするとはちょっと好感度アップ。


「僕はいざとなったら逃げる手段はあるので大丈夫なんですけど、お姉さんたちはあの熊に勝てそうなんですか?」


「勝てるわけないじゃない! あれはフォルターグリズリーなのよ!」


「その、フォルターグリズリーを知らないので確認してるんですけど、逃げられたら逃げたいってことでいいんですかね?」


「当り前よ!」


「それじゃあ、僕が一瞬だけフォルターグリズリーの気を引くのでその間に、逃げることってできますか?」


「えっ、しかしそれでは君が……いや、やってみせるわ」


「それでは大体1分後に注意を逸らせるので、そのタイミングで逃げてくださいね」


 彼女が振り返った時には、僕の姿はもう木の上にいるため、そこにはいない。


 さて、どうやって気を逸らそうか、魔術師の攻撃が無傷だったから。魔術耐性が高いのかもしれないから、サンダースライムとかは辞めておこう。


 フォルターグリズリーの注意を引くために地上へ降り隠れている木からでる。


「フォルターグリズリー! こっちだ!」


 同時にフォルターグリズリーの足に炭化タングステンの糸を撃ち込み地面と固定する。


「ガァァァァ!」


 フォルターグリズリーが怒り僕の方を見た瞬間。


「アンディ! シエラ! 逃げるよ! ランディックを運ぶの手伝ってちょうだい!」


 アーチャーの女の声に反応して2人はランディックのところに駆けつけ、ランディックをアンディとアーチャーの女で運び出す。


「すまない、少年」


 アーチャーの女は僕に頭を下げて去って行った。

 

「なんとか成功したみたいだね」


 ホッとしたのも束の間、フォルターグリズリーが刺さった炭化タングステンごと僕を攻撃しようと向かって来る。


 近づく前に炭化タングステンの糸で心臓を突き刺すとフォルターグリズリーの動きが止まったと思った瞬間、炭化タングステンの糸に咬みつき振り回す。


 糸と繋がっている僕は振り回され飛ばされるが間一髪、糸を使って木の上に退避する。


「今のはやばかった!」


『エディよ、相手の動きが止まっても気を抜いてはダメだぞ』


 フェンリルはオーディーンを倒した直後に殺されただけあって、説得力のある言葉だな。


 フォルターグリズリーは最後の足搔きだったらしく、完全に動きが止まっている。


「出した糸が繋がったままって意外と危険なんだな。最初の足を撃ったみたいに投げ槍ぐらいの長さの方がいいのかな?」


『倒すのが目的ならもっと短くても良いのではないか?』


「あんまり短いと回収しにくいかなって思ってたけど、回収しなくてもいいぐらいに短くすればいいかな?」


『撃ち込む素材をレアではないものにするのも手だが、相手を見極めて使い分けるのがよいぞ』


「なるほどね、フォルターグリズリーみたいなパワータイプを相手にするときは反撃も考えておくんだね」


『それが理想だな』


「冒険者たちが戻ってきても困るから、手早く血抜きだけしてフォルターグリズリーを持って移動しよう」


 血抜きをしたフォルターグリズリーをリングに収納して移動したのであった。

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