【閑話】ここまでのあらすじ
ながらくお待たせしましたが、ようやく続きを書く気になりました。まあ、この気合がどこまで続くのかは今のところ不明ですがw
ふた月近く空けていたため、作者本人も細かい部分を忘れてしまいました。なのでおさらいも兼ねて、ここまでの流れをまとめてみようかと思います。
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通信機器設置の熟練作業員【尾仁川蘭戊】は、新宿の地下に出現した迷宮【新宿ダンジョン】の通信エリア化事業を狙う【|クラスタソリッドネットワーク《クソネット》】のCEO【王塚綺羅星】にヘッドハンティングされ、迷宮内のWiFi設置作業員となった。
警備員リーダー【鶴田恒輝】らとともに迷宮に通勤するランボには、機器設置の肝となるオーパーツ【蓄電石】が貸与されている。迷宮内の坑道で発掘されたこの石は、ゴルフボールサイズで車のバッテリー二十個分の電力を保持する。通電線が配備されていない迷宮内での無敵のエネルギー源だ。
酒場街の荒事場面で知り合った二流配信ペア【みちのくサスケシスターズ】の【泉澤鏡華】、【泉澤水面】姉妹をひょんなきっかけから仲間にしたランボは、迷宮第一層の橋頭保【ベースキャンプ】を築いた。さらに迷宮第二層入り口近くでの吸血コウモリ襲来の危機を救ってくれた柴犬【龍昇丸】を加え、四人+一匹のチームとなる。龍昇丸は、行方不明となっているダンジョン配信の先達【冒険仙人】の飼犬だった。
電源とWiFiを得て機動力を増したみちのくサスケシスターズの配信が軌道に乗り出したころ、チームは第二層最奥のひょうたん型をした大きな空間の攻略をはじめた。が、オークの集団とケルピーに襲われて敗走する。命からがら逃げかえったベースキャンプで、ランボたちはリターンマッチの計画を練った。新宿駅前ドンキで買いそろえた資材をDIYしてつくりあげた攻略機器を携えて、ランボたちは再び第二層の空間に赴いた。
電熱線と水中電極を用いた攻略はうまくいったかにみえたが、一カ所のほころびから、オーク巣窟への決死の突入が必要になった。単身で巣窟に潜ったランボは、アルミ箔のチャフを用いての蓄電石の暴発放電で巣窟内のオーク集団を一気に殲滅する。想定外の破壊力と無辜のオーク部族を虐殺したという事実に慄いたランボは自責の念にかられ、辞職を決意する。
辞表を携えてクソネット本社に訪れたランボは、そこで法外な賠償請求を受けた。ランボが乱用した蓄電石の価値は国家間取引レベルであり、業務上遺失の免責を除く5%分、一億五千万円という借財がランボ個人にのしかかってきたのだ。途方に暮れたランボは、ベースキャンプに保管された蓄電石の他国への横流しを考える。が、クソネットの担当者【荏原俊平】の先廻りでアカウントを停止され、計画は頓挫。同時に、不在の彼を心配するチームの仲間からのメッセージに心を動かされたランボは、借金に向き合い、仕事を継続する決意を新たにする。
ひとり金策を模索するランボは迷宮入口で、以前酒場で奢ったことのある老人【ガン爺】を見かける。みちのくサスケシスターズのファンを自称する老人の正体は、蓄電石の第一発見者【鴫沼巌蔵】だった。第二層空間攻略の配信で蓄電石の暴発放電を見抜いていたガン爺は、情報共有したチーム四人を前にして、禁じ手となった蓄電石の代わりとなる資材【蓄電粒砂】の提供を申し出た。
蓄電石掘削の際に副次的に発生した粉塵砂、蓄電粒砂を一袋受け取ったランボは、お得意のDIYで二種類の電撃弾【黒玉】を試作。一方、開発の始まった第二層最奥空間には、鏡華たちが先回りして確保した洞窟が用意されていた。人気配信者となっている姉妹のプロデュースで、洞窟は新たなベースキャンプ【BCセカンド】となった。姉妹の成功を目の当たりにしたランボは水面からの提案を受け、借金返済のために配信者となることを受け入れる。
黒玉の完成と、姉妹のスポンサーが提供したお揃いの絶縁コスチュームで体裁が整った四人+一匹は、ダンジョン配信チーム【|みちのくサスケファミリーズ《チームMSF》】として名乗りを上げた。
王塚綺羅星が暗躍する【新宿ダンジョン商店会】と新宿区が両輪になって、迷宮のテーマパーク化を目論む開発は進んでいる。ベースキャンプのある第一層最奥部の広場は【エントリエ】、第二層最奥部の空間は【トヴォトリエ】と名付けられた。ランボはひさびさに乗った電車内の広告で、ひと月後のハロウィン時期に開催されるトヴォトリエ・グランドオープンを知る。前に王塚からの直々の誘いを断ったと鏡華が話していた配信者コラボの仕事はこれだったかと思い当たったランボ。同時に、告知されているシークレットライブに推しのバンド【ビースティ】の出演の可能性も確信する。
第三層の攻略をはじめたチームMSFはミノタウロスとマンティスと会敵し、ランボがあわやの危機に遭遇する。そのときに助けてくれたのは【瞬殺ハリー】こと【針井駿】。元新宿署警察官の針井は、選手権大会の決勝で鶴田を下したこともある剣道の達人だった。クスリの密売を追って出現したばかりの迷宮に立ち入って針井は、第四層で双頭の羊の魔物【バフォメット】と遭遇した。その際に得た魔剣【ミスリル】に魅入られた針井は、警察の職を辞して探索者となり、強力な敵を追い求めるようになったという。
より深く潜ると言って去っていく針井を見送ったチームMSFは、迷宮内の通信エリア拡大とダンジョン配信に今日も勤しむ。MSFのメンバーはみな迷宮の恩恵【能力拡張】が発現しているが、当のランボはいまだ兆しはない。




