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第98話 「変わる理由」

 



 あれはまだ、中学2年生だった時の話。


 見た目も中身もダサかった、俺の話─────




「おい裕翔!」



 嘲笑混じりに投げられたその言葉に、俺はゆっくりと振り向く。


 振り向いた先には、複数人の男子生徒がいた。



「よぉし、今日も数えようぜ!ニキビの数!」



 複数人の中心にいた男子生徒の言葉で、それぞれ彼の顔に目を凝らし、人差し指を立てて数を数え始めた。



「11、12……13だ!記録更新!!」



 何がそんなに嬉しいのか、彼らは飛び上がったり叫んだりと、かなりはしゃいでいる様子だ。



「このペースなら、卒業までにはイチゴみたいになってんじゃね?」


「それな!!」


「今から楽しみだぜ!」



 そんな会話とともに、彼らは揃って高笑いをする。

 他にも、持ち物を隠されたり、ゴミ箱に捨てられたりと、小中学生でありがちなことを繰り返しされていた。



 こんな光景をなんと言うか……それは誰もが知っている言葉だ。



 いじめ────世間一般ではこの言葉以外の表現はない。



 しかし、俺はそれをまるで苦とも思っていなかった。


 自分がどう思われていようと、他人にどんなことをされようと、俺は何も言わずにただじっとしていた。


 静かに学校生活を過ごしていた。


 普通は、学校に来ることすら嫌になるようなことを散々されていたというのに。


 それは、俺が他人に好かれようと思っていなかったからだ。


 わざわざ他人の前でいい格好をして、よく思われようと感じていなかったから。


 何者にも染まらない、動じない、自分らしい生き方。


 そう言えば聞こえはいいが、俺の場合、そんな正当な理由ではなかった。



 俺はただ……逃げていたんだ。


 彼らに真正面から立ち向かっていくことから。


 今の自分変える、その理由から。



 1度本気で変わろうと努力したことがある。

 でも、いくら努力しても無駄だった。

 変われなかった。


 だから諦めた。



 最初から何も感じず、1人で生きていれば、辛い思いをせずに済む。


 そう思っていた。


 が、そんな時、俺はあの人と出会った。





 ある日の放課後、俺はクラスメイト達に隠された上履きを探すために校内を歩き回っていた。


 生徒会室を横切った時、チラッと中に人影があるのを見つけた。


 他の生徒達はほとんどが下校していて、残っているのは部活の居残り練習をしている生徒ぐらいだと言うのに、中にいる人はこんな時間まで何をしているのだろう。


 ふと芽生えた好奇心から、俺は無意識にその扉を開けた。



 中には、朝礼や生徒総会で何度も目にしたことのある生徒会長───工藤沙耶香がいた。


 何やら書類の整理をしている様だ。



「あら?こんな時間までどうしたの?」



 俺に気づいた彼女は、手を止めて俺の方に近づいてきた。



「あ、えっと、ちょっと探し物をしてて」


「そうなの?もう少しでこっちの仕事が終わるから、よかったら探すの手伝うわ」


「そ、そんな!悪いですよ!」


「気にしないで。これも生徒会長としての仕事だから」



 そう言いながら、再び書類の整理を始めた。


 この時、俺はふと思ったのだ。



 こんな時間まで1人残って生徒会の仕事をするなんて……この人はどうして、そこまで頑張れるんだろう。


 よっぽどの理由があるのだろうか。



 俺は勘づかれないよう、冗談交まじりで聞いた。



「や、やっぱりあれですか、進路とかのために生徒会長とかやってるんですか?」



 俺から初対面の人に質問をするのはこれが初めての事だった。


 気分を悪くさせてはないだろうか。

 そんな不安を抱えながら、彼女の答えを待つ。



「うーん、そうね……勿論、そういう理由で生徒会長をやる人は多いかもしれないわね」



 俺の不安は杞憂に終わり、彼女は顔色ひとつ変えずに答えた。


 しかし、俺が聞きたいのはそんな安易な理由ではない。


 そんな理由でここまで熱心にできるものでは無いだろう。


 それに、彼女の言い方からして、彼女はそれが理由で生徒会長をしている訳では無い。



「そ、その、工藤先輩はどうして、生徒会長をやっているんですか?」


「どうしてって……ちょっと言葉にするのは難しいわね」


「そう、ですか……」



 曖昧な答えが返ってきて、俺は少し落ち込んだ。

 彼女ならば、何かに必死になる秘訣のようなものを教えてくれると思っていたから。


 と、そんな時。

 彼女は続けざまにこう言った。



「でもね、理由もなしにこんな大変な仕事は出来ないわ。そうね……強いて言うなら、私は自分や家族に誇れる人間になりたいから、かしらね」


「誇れる人間……」



 彼女の言い放ったその言葉の重みを、俺は十分に理解することは出来なかった。


 それは、自分がそんな気持ちになったことがないから。


 彼女がどうしてそんな風に、たった一つの理由で頑張れるのか、それが知りたい。



「ど、どうして工藤先輩は、そんな風に、出来るんですか?俺は……どんな理由なら、頑張れるんでしょうか?」



 自分でも何を聞いているのか分からなかった。でも、俺はどうしても知りたかった。


 自分が逃げずにいられる方法を。


 こんなこと聞かれれば、普通は困惑するだろう。しかし彼女は俺の質問に真剣になって答えてくれた。



「理由っていうのは人それぞれだから、自分で見つけないといけないわ」


「そう、ですよね……」


「そうよ。あなたが何に悩んでいるのかは分からないけれど、理由を探すことを怖がらないで」



 彼女の真剣な眼差しと言葉は、この時の俺の心の深くに届いた。


 何も知らないくせ、偉そうなことを……なんて文句は一言も出てこなかった。



「一つでいいの。たった一つでも、何か強い理由が見つかったら、その時はきっと、頑張れるわ」



 その言葉を聞いて、俺がどうしてこれまで何も出来なかったのか理解した。


 俺ら今まで、薄っぺらい上辺だけの理由で動いていたんだ。

 だから何も成果は得られなかった。


 だからといって、かつての失敗から、再び理由を探すのも怖かった。


 たった一つでも、強い理由を見つけることが出来たら、今度こそ俺は……変われるのだろうか。


 理由……理由……俺が変わるための、強い理由────。




「よし、今日の仕事が終わったわ。早速探しに行きましょうか。ところであなたは何を探しているの?」


「……いいえ、もう大丈夫です」


「え、どういうこと?」


「探し物はもう、見つかりましたから」


「そ、そうなの!?」


「はい。工藤先輩のおかげです。それじゃあ俺は帰りますね」



 そう言って、俺は生徒会室の扉を開け廊下に出た。


 扉を閉める前、俺は彼女の方に体を向け、芯のある声で言った。



「笹原裕翔です、俺の名前。いつか……俺が変われた時に、その名前を思い出してください」



 それだけ言って、俺は扉を閉め、その瞬間全速力で走り出した。



 冷静になって考えてみると、俺はなんて痛々しいことを口走ったのだと、顔から火が出そうな思いだった。



 でも……あの人のおかげで見つけることが出来た。



 俺が変わるための理由を。



 ────あの人の隣に立ちたい。



 気高く、凛々しく、美しい……そんな彼女の隣に立てるような人間になりたい。


 自分と彼女に誇れる人間になりたい。


 俺にはそれだけで十分だったんだ。




 内履きのまま家に帰った俺は早速家族に相談した。


 幸い、俺には兄と姉がいたため、俺の決意を包み隠さず話し、助力を求めた。


 姉には肌のケアを、兄にはオススメの美容院とファッションを。


 俺の真剣さは彼らに伝わり、兄達は全身全霊で俺のサポートをしてくれた。



 しかし、すぐに変化を感じられるようなことはしていないため、モチベーションをなくす時もままあった。


 これまでの俺ならすぐに挫折していただろう。


 しかし、俺の中に芽生えた強い理由が原動力であり続けた。


 彼女のことを思いながら、俺は努力を止めなかった。



 長い時間はかかったものの、俺は徐々に変わっていき、それが自分でも分かるようになっていった。


 そして何より、1番大きく変わったのは─────




「よっしゃ!今日も数えていこーぜ!」



 毎週月曜の恒例行事となっていた、クラスの男子数名での、ニキビの数の確認が始まった。


 これまでは無言でやり過ごしていた俺だが、ニキビが少しずつ減っていた時、ついに反抗の言葉を言い放った。



「……やめろよ」


「あぁ?」


「俺に近づくなよ。ニキビ野郎」


「は?そりゃお前だろうが」


「自分の顔見てから言えよ」



 俺の向けた鋭い眼光に、男子生徒は一瞬怯むように後ずさる。


 それを聞いていた他の男子生徒が彼の顔を覗き込み、瞬間高笑いが上がった。



「ははは!!お前もすんげぇの出来てんじゃんか!」


「うっわホントだ!裕翔なんかよりすげーじゃねえか!」


「は、はぁ!?ウソだろ!」



 クラスメイト達に指摘され、持って生きていた手鏡を出し自分の顔をよく見た。



「うわっ、マジじゃんか!?最悪だぁああ!」



 クラスの連中に笑いものにされたのもあって、その男子生徒は少し涙目になっていた。


 それを見た時、淀んでいた心の一部がスッキリするような感覚を覚えた。


 あいつの慌てた姿を見ていると、気分が晴れる気がした。


 もし俺が、このクラスで1番の人間になれたら、こいつらはどんな顔をするのだろうか。


 見てみたい。



 この時から、このクラスの奴らを見返すことが理由の一つとして加わった。


 一つでも十分な原動力だったが、それが2つになったことで、俺のやる気は倍増した。



 努力に努力を重ね、約1年の月日を経て、俺は以前とは見違えるような、整った顔立ちとなった。


 元々家族が美形揃いだったのも運が良かったようだ。



 気がつけば、クラスでの俺の立場は一転し、周りには多くの生徒達が集まるようになった。


 勿論、悪意ではなく好意をもってくる者達だ。


 特に女子生徒からの人気が格段に上がった。


 それだけ俺はいい男になれたのだと感じた。



 コンプレックスは解消した。

 後は、彼女ともう一度会うだけだ。


 当時3年生の後半に差し掛かっていたこともあり、それから俺は必死で勉強した。


 あの人と同じ学校に行くために。


 新入生代表として壇上に立ち、変わった俺をすぐに見つけてもらうために。





 月日は経ち、念願叶って俺は工藤沙耶香のいる高校に、新入生代表として入学した。


 入学当初から、彼女が生徒会の一員として頑張っていることは知っていた。


 新1年生の状況では、生徒会に入ることは出来なかったため、彼女と直接顔を合わせるのは、俺が2年になって生徒会に加われるようになってからにすると決めた。


 それまでの間、俺は数え切れないほどの女生徒から告白された。


 しかし、俺の中にあったのは工藤沙耶香に対する想いだけ。


 最初は全ての告白を断っていた。






 学年1位の成績のまま2年生となり、俺はすぐさま生徒会の副会長として立候補した。


 そして、立候補者による公開演説でついに、彼女との再会を果たした。



 新3年になり、生徒会長に立候補した工藤沙耶香先輩。


 いつも遠目からは見えていたが、近くで見て思ったことがあった。



 ────あの時と変わっていない。


 あの時の、気高くて凛々しい、俺の憧れる人。


 ようやくこの時が来たのだと、演説を始める前から俺は高ぶりが止まらなかった。



 立候補者全員が演説を終えた後、俺は真っ先に彼女の元へ駆け寄り、今までためていた想いを爆発させるように声を張り上げてその名前を呼んだ。



「工藤先輩!!」



 ステージ裏でかけられた声に反応し、彼女は俺の方に体を向けた。



「俺のこと、覚えていますか?」



 俺の問いかけに彼女はにこりと笑みを浮かべ、間髪入れずに答えた。



「ええ、勿論。忘れたことはないわ。笹原裕翔くん」


「せん、ぱい……っ」


「……変われたのね。すごいわ」



 彼女から発せられたその名前と言葉を聞いて、俺は泣きそうになった。

 しかし、格好悪る涙を流す姿を見せまいと必死に堪え、俺は続けざまに宣言した。



「これからは、あなたの隣に胸を張って立てるよう頑張ります!!」


「ええ。お互い生徒会に入れたら、よろしくね」


「はい!!」




 数日後、生徒会選挙により俺と工藤先輩……会長の生徒会入りが決まった。


 2人とも、ダントツの票数での決定だった。


 初めてあったあの時から約2年。

 ずっと夢見ていた、憧れていた彼女の隣にようやく立つことが出来た。


 これからは、彼女に認めてもらえるように、精一杯彼女のサポートをしよう。


 その覚悟とともに、俺の高校生活が本当の意味で始まった。



 しかし──────。



 俺が副会長として、会長と共に生徒会を運営し始めてから2ヶ月程たった頃だった。


 俺の前に、1人の男子生徒が現れた。



 そいつを見る会長の目は、俺に向けていたものではない。


 まるで道端で偶然宝石を見つけたように、彼女の瞳はキラキラしていた。


 それは、俺に向けて欲しかったものだ。



 彼女の気持ちを手にしていたのは、橋田直之。俺と同じ2年の男子生徒。


 名前も聞いた事がない、ただの一般学生が、俺の憧れる人の心を完全に射止めていた。


 彼女の隣にいても恥ずかしくないように、必死に努力して変わった俺がどうしてあんなやつに負けているとは思えない。


 一体何が劣っているのか。

 あいつにあって俺に無いものは何か。


 そう考えていれば良かったのに……。



 俺は思考を止め、感情に任せて動き出した。


 俺の中に芽生えた、激しい嫉妬心に任せて。





 ────許さない、許さないぞ。橋田直之っ。





 そんな薄汚れた感情が、今までの努力を全てを無駄にするほどに、俺という存在を蝕んだ。


 今まで全ての告白を断っていた俺だが、好意を寄せてくる女生徒を利用し、橋田直之を陥れるという最悪の考えが浮かんだ。が、俺はそれを悪とも思わず実行した。


 1度はやつを闇の底に落とすことが出来た。しかし、2年前、俺をイジメていたクラスメイト達の泣きっ面を見た時のような爽快感はなかった。


 それに加え、気がつけば俺が崖の淵に追いやられる状況となり、俺の味方はいなくなった。


 勿論、会長もあいつの味方だ。


 この時、ようやく俺は、自分が間違えたのだと理解した。






「……お前に負ける要素を作ったのは自分自身だった。俺は自分に負けたんだよ」



 彼が今に至る経緯は、その言葉を最後に途切れた。



「笹原、くん……」


「悪いな、長々と話しちまって。そろそろ学校に着くだろう」


「いや、それが……」


「なんだ?」



 俺は決まりの悪い表情で辺りに視線を泳がせる。

 俺の行動に不信感を持った彼も辺りを見回す。と、すぐに彼は気づいた。



「あれ?さっきと風景が変わってねぇぞ」


「その、話に夢中になって。信号の手前で止まってから1歩も動いてないんだけど」


「は、はぁ!?な、なんで言わねーんだよ!!」


「い、いやぁ、なんかすごい真剣に語ってるから……」


「いや言えよ……て、それより早く戻らねぇと!休憩終わっちまう!」



 時計を確認し、顔に焦燥の色を浮かばせた笹原は信号が青になった瞬間全力で走り出した。


 俺もあまりのんびりしてると待っている皆に悪い。


 彼の後ろにつくようにして俺も走り始めた。



 しかし……彼と沙耶香先輩の間にそんな話があったなんて。


 今でもさっきの写真の男が笹原裕翔とは信じきれていないが、もうそんなつまらない嘘をつくような人間ではないだろうし。


 沙耶香先輩も、俺が彩乃にしたようなことをしていたんだ。


 笹原が沙耶香先輩に想いを向けるのはとても自然な流れだろう。



 そんな風に、さっきの話を解釈しながら走っていた時、突然笹原から話しかけられる。



「そうだ、橋田直之」


「なに?」


「俺は確かに負けた。だがそれはお前にじゃない」



 少し息を切らしながら笹原はそう言ったが、俺にはその言葉の意味がわからなかった。



「え、それってどういう……」


「俺は、諦めてないぞ。会長のことっ」



 気持ちの乗ったその言葉から、彼の想いの強さをなんとなく悟った。



「お前があの中の誰を選ぼうと、俺は会長を諦めたりしない。いつか隣に立てるまで、な」



 彼も俺が今どんな状況なのかをわかっているような口振りだ。


 それはそうか。

 あの時、俺を庇ったのは和希と彼女達だ。


 なら、篠崎さんのことは知っているのだろうか。



「だからお前も覚悟を決めろ」


「えっ笹原くん、それって……」


「……お前を見てるとイラつくんだよ。昔のダサかった俺を見てるみたいで」


「昔の……」



 さっき聞いた彼の話……彼が言いたいことはわかっている。

 俺は……昔の彼と同じだ。


 居心地のいいあの場所を乱したくなくて、理由を探すふりをして、いつまでも先延ばしにして、逃げて……。


 確かに俺はダサかった。

 でもそれは、少し前の話だ。



「俺みたいになるなよ。そんなんじゃ、誰も幸せにはなれねぇから」


「……分かってるさ」



 今まで曖昧で、行き場なく彷徨っていた俺の気持ちは、少しずつ変わっている。変われている。



 俺の表情は見えていないものの、後方から垣間見える笹原の口元には、小さな笑みがこぼれていた。



「……ふっ、言う必要なかったか」


「あぁ。でもありがとう」


「まあお前がどうなろう知ったことじゃねぇけどな。でも……」



 そこで彼は1度息を入れ、呼吸を整えてからもう一度口を開いた。



「それなら多分、もう決まってるんじゃねぇか。単にお前が気づいてないだけでさ」



 ここで彼の言う言葉の意味を俺はすぐに理解した。


 俺の中では既に、あの中の1人を選んでいるんだ。俺がまだそれを自分の中から手繰り寄せられてない。


 時々、ふと感じる。

 彼女達のことを思い浮かべた時、他の誰よりも心が揺らぐ人がいる。


 あの感覚が間違いじゃなければ、俺は……。



「……多分そうだと思う」


「そうか……まあせいぜい後悔しない事だな」


「うん。ありがとう」




 彼のおかげで、何かが見えてきた気がする。

 俺の歩むべき道が、するべき選択が……。



 と、そんな会話をしているうちに、ようやく学校に到着した。


 学校の前で笹原と別れ、それぞれの向かうべき場所へと駆け足で行く。



 だいぶいい時間になっているというのに、教室では皆真剣な表情で文化祭に向けた準備を黙々と進めていた。


 それを見て俺は改めて思う。



 ────もうすぐ、始まる。


 俺にとっての……一世一代の、勝負の文化祭が。





 それから数日間、俺は皆の雑用をこなすと共に、少しずつ仕事を手伝うようになった。


 文字通り、クラス一丸となって高校最大のイベントを成功させようとしている。


 今までなら、こんな真剣に取り組もうとしなかったが、この時の俺は、本気で文化祭を成功させようと思い、クラスの皆と一緒に本気で取り組んでいた。




 ────が、そんな時。





 今まで彼女達の誰とも連絡をとっていなかったが、文化祭の本番前日の朝、久しぶりに俺のスマホに1本の連絡通知が来た。







『今日の放課後、あの空き教室で待っています』

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― 新着の感想 ―
[良い点] ふ〜む、彼にそんな過去がね・・・。 過ち気づいて反省し謝罪するようならまだ見方はあるな。
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