表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/109

第24話 「とんでもなくチョロい」


俺はことの成り行きを聞き、ようやく思い出した。


「あー、あの時の……見てたんですか」


「ええ、私はすぐに動けなかった……情けないわ。でも、私はあの時初めて、本物の優しさというものを見た気がしたの」



大袈裟な……。


高齢者をいたわるのは至極当然なことだ。


最近の若者は薄情すぎる。


あんな状況で素通りとかクズすぎだ。頭おかしいんじゃね?


「俺はただ、あそこで見捨てるような最低な奴になりたくなかっただけですよ」


「あの状況で君だけが手を差し伸べた。こんな世の中でそれができるのは凄いことよ。君の優しさと君の柔らかい笑顔に夢中になっちゃったの……」


自分の発言を恥ずかしく思ったのか、赤くなった顔を手で覆い隠した。


生徒会長って、こんな顔するんだ。

さすが学園の三姫の中でもナンバーワンなだけある。くそ可愛い。


彼女の凛とした姿が人気と聞いていたが、どちらかと言うと可愛らしさの方が強い気がする。


「そして私はあの時から、君の優しさと笑顔を見るために、時間のある時は君の後をつけてたの」


なるほど、そういう訳だったのか。


「そして思った通り、君の優しさを、かっこいいところをたくさん見れた」


ん、なんだそれ?


その優しさとやらを振りまいた覚えはないんだが。


「えっと、そんなのいつ見ました?」


「そうね、1番最近だと、2日前に駅の近くに捨ててあった空き缶を拾ったとことかな。はわぁ……あの時の君の後ろ姿を思い出すだけで、ふひひっ」


え、なにそれ。


空き缶拾うぐらい誰でもやるだろ普通。近くにゴミ箱あるのに道端に捨てるやつの気はしれないが。


捨てるヤツはかっこいいとでも思ってるのだろうか。


てか「ふひひ」って……ちょっと可愛なおい。


「他にも、野良猫にご飯あげてたりとか、道路の落書き消してたりとか……もう素敵すぎてニヤニヤがとまらなかったわ!」


何言ってんだこの人は。


そんなことでニヤニヤ止まらないってどゆこと!?


それに、野良猫にご飯あげるのって、実はよろしくないことなんだよなぁ……。


道路の落書きだって、あの辺でいつも遊んでる悪ガキ共がやってるってことは分かってるし。


それを知ってて無視したとなれば、町内のじじばばにドヤされるのは俺だ。


てか、今更になって気づいたが、生徒会長って……。


「えっと、そんなことで俺に惚れた、と?」


「ええ、そうよ!これで惚れない方がおかしいわ!」


いや、これで惚れちゃうあんたが1番おかしいぞ?


と、ツッコミを入れたいところだが、生徒会長であり学園の超人気者にそんなことはできない。


だから俺はこう言った。


「生徒会長って……案外、いやかなり、チョロいっすね」



「えっ!?そんな、私はチョロくなんかないわ!」


いや、チョロいだろ。


空き缶拾ったやつに惚れるんなら、この人は今まで何人に惚れてきたんだか。


「俺ぐらいの奴、その辺にごろごろいますよ?」


「そんなことないわ。確かに、今まで優しいと感じた

男の子は何人もいたけど、こんな気持ちになったのは君が初めてなの」


なんでだ。


なんで……俺なんだ。


だっておかしいだろ。おばあさん助けたの見てころっと惚れちゃうってどうなんだ?



これが噂に聞く、「チョロイン」というやつなのか。



彩乃に続き、次はまさかの生徒会長に告白され、俺は内心相当まいっていた。


今まで辿ってきた俺の平凡な人生じゃありえない状況がこうも連続で起こると、もう動揺とかするだけの気力がなくなってくるものだ。


「と、とにかく、私は君のことが大好きなの!」


あー、なんか……もうなんて言ったらいいか。


「そ、そっすか。それは、まあ……ありがとうございます。でも急にそんなこと言われても困りますね」


こっちは面識もなかった上に高嶺の花だと思っていたあの生徒会長にいきなり好きとか言われても、素直に受け止めることができない。


「わかってる。知り合ったばかりの人に今すぐ付き合ってなんて言わないわ。だからとりあえずお友達からってことでどう?」


友達、友達ねぇ……これ聞いたのも三回目ぐらいだな。


「あ、はい。じゃあ、それで……えっと、よろしくお願いします、工藤先輩」


「で、できれば名前で呼んで欲しい、な」

「いや、知り合ったばかりですし、先輩ですし、まだキツいっていうか」


雅は一応小学校の時からの知り合いだし、名前で呼び合うって内容のカードを引いたのは俺だ。彩乃も、まあ一応?会ったことあるし、後輩だし。


「……わかったわ」


名前呼ばれないだけしょんぼりするって……。


「あはは……じゃあ改めてよろしくです」



こうして、ストーカー事件は幕を閉じ、生徒会長の工藤沙耶香と友人関係になった、のだが────



はぁ、俺の平穏な日常はどこに行ったのやら……。




3人目のヒロイン、工藤沙耶香が登場してきましたが、とあるユーザー様から、「ちょっとキャラが弱い」とのご感想を頂きました。作者も、書きながらなんとなくそうじゃないかと思っていました。もし、ご不快な思いをされている方がいらっしゃいましたら、申し訳ないです。

しかし、工藤沙耶香はこのままチョロインとしてストーリーを構成させていきたいと思いますので、ご了承ください。


そして最後に。これからは1話に1人ずつ、ヒロインの見せ場を均等に出していきたいと思います。ヒロインの可愛い描写を多く取り入れてきます。宜しければ、「誰が好き」とか、「この子を応援したい」と思うヒロインを感想にて教えて頂きたいです。反対に、「この言動おかしい」とか、「ここの描写が変」などの問題点も教唆していただけると嬉しいです。


他にも至らない点が多々あるとは思いますが、どうか暖かい目で見守ってくださるようお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ