結局今回の目的ってなんだったの?
「師匠!酷いんです!まだバナナ交換会していないんです!」
「なんだそれは。それより余計なことを言うな。相当不審に思われていたぞ。」
現状、魔法使い横丁を抜け森に向かう予定である。そのまま転送で帰る。その予定。
「不審ですか?アマミちゃんは何時も良く分からないことを言っていますのでそれほど問題ないのでは?」
「誰がバカですか!今日はお姉ちゃんの布団に入って寝かせないんです!」
誰かR発言連発するこの女の子を何とかしてください。
「そういう問題じゃない。ミズハ、一応聞くがお前達はどれくらい高く飛んでいたんだ?」
「あー、そうですね。雲より上なので上空10kmは軽いですね。空が黒くなり下が青い空間まで達したのでオゾン層突破で50km行っていてもおかしくはありません。」
「…いいか?箒で高く空を飛ぼうとすればそれだけ魔力が必要なんだ。ただ高く飛ぶならまだしも本来は目的地まで移動するんだから移動分の魔力も必要になる。
さっきの家族も言っていただろう。空を飛ぶ以上障害物は出切るだけ避けて飛ぶとしても大体上空数十メートルから高くても百メートル程度だ。おそらく、数百メートルも飛べば魔力消費が激しくて殆ど移動できないだろう。お前達はその基準を滅茶滅茶にしているんだぞ?それは把握しているのか?」
「とはいっても、飛行機なんてそれこそ数千メートル飛んでますよ?」
「そんな高度生身で飛べるか普通。飛行機は物凄いエネルギーで時速数千kmなんだぞ。そんなものが地上近傍で飛んでいたら逆に怖いだろ。
魔法使いは個々の魔力で飛ぶしそれほど高速で飛ばないからそんなもんなんだ。逆に箒は飛行機と違って小回りが聞くからな。…まあ、魔法使いでもある程度自由に飛ぶにはかなりの魔力を使うようと店長も言っていたから誰でも飛べるわけではなさそうだが。と言うよりお前達、そんな高度に居て体は大丈夫だったのか?」
「今日は楽しかったんです!またこの街に来たいんです!」
「…自分の話を聞いていたか?」
アマミちゃんに難しい話をしても伝わらないから別に良くない?それに魔女が空飛んだところで誰の迷惑にもならないでしょ。
「はぁ。それにしても出費が酷いです。この服に剣に箒…殆ど貯蓄が残っていないんですが。」
「うーむ。自分的には冒険者としてちゃんとした装備やアイテムを買って欲しかったんだが。」
「借金まみれになります。マジーラさんもう少し貯蓄ないんですか?」
「自分に頼ろうとするな…まあもういい。帰るぞ?もうすぐ森にはいる。そこで転送アイテムを使う。」
「森にいかなければ使えないんですか?」
「蛇さんが死んでしまうんです!森は立入禁止なんです!」
その警告逆じゃない?!蛇がいるから立入禁止なら分かるけど、蛇が死ぬから立入禁止ってどう言うこと?!過剰反応した蛇愛好家かな?
「そう言うわけではないが…転送アイテムは目立つのでな。自分は人気のないところで使うだけだ。堂々と使うやつの気が知れん。」
そこら辺はこだわりらしい。とかなんとか言っているうちに森に入りました。
「あ、忘れていたんです!」
何か忘れ物?とか思っていたらアマミちゃんが手を叩いた。…ダイアモンドダストが一瞬で消え去った。
「結局消えなかったんです!今度は王都でもやってみるんです!」
混乱極めるから止めて!また土下座は御免だよ!
「全く、この子は今日何を学んだんだ?」
「空を飛べるようになったんです!あ、そうなんです!お姉ちゃんの荷物も持つんです!師匠は蛇を殺したので持たないんです!」
とか言っているうちに、僕が持っている買った服やら剣やらが一瞬で消えました。…いやいや、剣は持ったままでよい気がするけど、まあいいか。
「まだ根に持っているのか。全く、人助けは難しいものだ。」
アマミちゃんが特殊だと思うので参考にしない方が良いような…とまあ、こんな感じで買うものを買って無事帰宅が出来ました。
最も王都を歩くとき、回りがアマミちゃんを見て硬直したり鼻血を出して倒れたりしたのはノーカウントだけどね。これでいいのか。
ちょっと色々私用が立て込んでいるので区切りが良いこともあり一回切ります。在庫は結構余っているんですが再開はまた気が向いたらという事にします。