最強の騎士
目の前にいるのは、
人間じゃなく、ただ闇に溺れた
化け物、その容姿は、
まるで悪魔のよう・・・。
巨大な漆黒の翼と鋭い目
尖りに尖った歯。
これが人間だと言われても
誰も信じない。
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「白い部屋」
ガイ「いきなり、変身しやがって
余裕が無いみたいだな」
べニラ「そうなんですかね
早く終わらせたいだけじゃないですか?」
ジョン「お前の言う通りだ。
ガンドトロワ様がお待ちだからな」
ガイ「そうかよ、誰だよ
ガンドトロワって・・。」
ジョン「俺達のボスだ。
そして、未来の王様でもある。」
ガイ「はぁ?ふざけんなよ
今も未来も王様は、ルハク王
に決まってるだろ」
ジョン「そんな未来などない
俺達が崩壊させるからな」
べニラ「随分、強気ですね」
ジョン「そうか?この力があれば
お前達なんか楽勝だからな」
べニラ「そりゃそうでしょ
じゃなきゃ、人間やめた意味
あるんですか?」
ジョン「辞めたのは、
ガンドトロワ様の為だ。」
べニラ「弱い自分の為とかじゃなくて
ですか?というか部下に
人間やめろってどんだけ
貴方の上司は、残酷非道なんですか?」
ジョン「それはない、
ガンドトロワ様は、優しいお人だ。」
べニラ「多くの殺戮を繰り返した
闇の精霊ブルートを
復活させて、挙句の果てには、
世界を壊すとか無茶苦茶ですよね
それは、優しいとかじゃなく
貴方に利用価値あるから
こちらに引き込んだんです」
ジョン「うるさい!!黙れ!
なぶり殺すぞ」
猛スピードで近づき、襟元を掴んだ。
高く挙げられ、べニラは、
怯えず、ジョンを睨んでいた。
ガイ「大丈夫そうだな」
べニラ「どう見たらそう見えるですか?」
ジョンの顎を蹴り上げ、
吹き飛ばし、壁に強く叩きつける。
ガイ「やっぱ大丈夫じゃねぇか」
べニラ「何とかね、ガイ
これは、共闘と行きましょう。」
ガイ「おう、師匠
援護してやるぜ」
べニラ「頼もしい弟子ですね」
ガイ「ほんとに言ってるのか?
棒読みにしか聞こえねぇ・・。」
べニラ「それは、気のせいですよ」
突如、ジョンは、立ち上がり、
闇の崩玉を放つ。
ガイ「リバース!!」咄嗟に
バリアーで跳ね返すが、
当たっても吸収され、余裕な笑みを浮かべる。
べニラ「闇に闇は、効かないですね」
ガイ「やっぱ光か?」
べニラ「そうですね、精霊を召喚するつもりですか?」
ガイ「それは、無理だ、さっき
スパークから連絡があった
ブルートと戦闘中だから無理だと言われた。」
べニラ「それは仕方ないですね
どうするおつもりですか?」
ガイ「魔法でどうにかなる
おれを信じろよ、師匠。」
べニラ「そうですね、俺1人じゃ
あんな化物倒せませんからね」
ジョン「話してる暇があるなら、相手しろよ」
闇の崩玉を何個も放ち、黒い箱が
粉々に壊れ、散らばっている。
この攻撃は、何とか避けられるが
当たったら、人溜まりもないだろう。
べニラ「そろそろ、やり返さないと
割に合わないですね」
猛スピードでジョンに近づき、
腕を切り裂く。
血が滲み出して、悲鳴を上げる。
ジョン「はぁぁぁぁぁぁ!!
お前こそ人間なのか?今の動き見えなかったぞ」
べニラ「それは、あなたの目が悪いからですよ
俺は、人間です。」
ジョン「そうか、とってもそうに見えないが
まぁいい、片腕、無くしただけで
いい気になるなよ、どうせ再生するんだから」
べニラ「そうだと思いましたよ、
でも、また切ったらいいの話でもありますが」
ジョン「随分と余裕じゃないか」
べニラ「貴方より、経験豊富ですからね」
ジョン「ほんとその毅然とした態度
ムカつく、お前からさっきに
殺してやる、悲鳴を上げる程の
苦痛を与えてやる。」
腰から、引き出したのは、
何の変哲もない剣で闇の魔力で
変化させていた。
真っ黒く巨大な剣が鋭く光る。
一振されただけでも、風が巻き起こり、
吹き飛ばされそうだ。
ガイが横目に足を鳴らし、
合図を出していた。
べニラ「じゃあ行きますか、無剣焼却!!」
風は、止み、剣は、効力を失ったのか
何度振っても、何も起こらない。
べニラ「貴方は、扱いきれてないですね、
自分の力に負けてるですよ、
そんな人に俺は、負けませんよ」
ジョン「雑魚がウルサイだよ
人間ごときに俺が負ける訳ないだろ」
べニラ「そうですね、じゃあこれはどうですか?」
剣を何重にも切り重ね、
最後に腹を突き刺した。
ジョンは、べニラの腕を力づくで掴む
「お前の腕など折れ曲がってしまえ!!」
べニラ「俺は、あなたごときに
屈したりしません、それにさっきから
貴方は、俺1人しか見てませんよね
馬鹿なんですか?」
ジョン「何のことだ?あんな奴
お前を倒した後でもいいだろ」
べニラ「見誤ってますね、俺より
あの人の方が化け物ですよ」
その瞬間、べニラの背後から
光を纏った触手が見えた。
眩しくて、目が眩み、闇の崩玉を
触手に放つが、全く効果がなく
光の放物線が放たれる。
俺の体は、真っ黒く焼け焦げ、
地面に倒れ込む。
光に闇は、勝てないのか・・・。
「貴方も手を差し伸べる人が違ったら
こんな死に方しなかったでしょうね」
その言葉は、心に響くことなど無く、
永遠の眠りについてしまう。
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あたしが彼を産み原因を作ってしまった
その責任は、取らなきゃいけない。
あなたの闇をあたしの光で
消してやる。
「太陽の塔」
ブルート「1対数10人は、ずるくないか?」
レム「そうでもしないとあなたを倒せませんから」
ブルート「お前らは、俺と違って
弱いからな、数で対抗しないと
勝てないのか・・。」
精霊王「お前のうぬぼれは、天上知らずだな
どうやら自信満々みたいだし、
皆、手加減は、しなくていいぞ
存分にやってやれ」
精霊達は、頷き、続々と降り、
ブルートを囲んだ。
エント「さっきから黙って聞いてたら
好き邦題言いやがって、腹が立つね!」
アトラス「1回、君と戦ってみたかっただよね
腹を切り裂いて、是非、解剖したいね」
アポロン「君は、殺戮を繰り返したのだろう
こんな人数、大した事は、ないよな?」
ブルート「そうに決まってるだろ
今更、何を言ってるんだ?アポロン」
アポロン「確かめたかっただけだ。」
ブルート「おかしな奴だな、
まずこれで、人数減らしだ
どうせお前らを殺したら
世界は、壊れる、一石二鳥じゃねぇか」
レム「楽観的ですね、嫌いでは、無いですよ」
ブルートは、闇を纏った風を呼び起こし、
その中に闇の崩玉を放ち、殺しにかかる。
レム「光は、どんなに暗い世界でも
輝き続けます、世界に希望があれば
今のあなたの攻撃、全く効いていませんよ」
あの風もあの攻撃も、眩しく光る、
光の盾、全部防いだ。
ではないと、無傷では、済まない。
苛立ちを隠せないのかは、
ブルートは、周りを睨みつけ、
巨大な闇の崩玉を放とうとしている。
レム「言ったでしょ、闇に光は、屈しません
人々に希望がある限り、
この世界に光は、無くなりません。」
ブルート「希望を無くさせるために
お前らを殺すだろうが」
精霊王「殺す?やってみろ
この精霊達に勝ってるはずなどない
殺されるのは、ブルート、貴様だ。」
火花が散り、闇の崩玉を投げ込んだ。
続く




