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二つの世界を救う者達  作者: こんたろう
第一幕 東の勇者
33/37

旅立1


アレスとウラノスの密会の翌日、一同はいつも贔屓にしているおっさんの料理屋で朝ご飯を食べ終わった後、アレスは高らかに宣言した。


「【ライオン】は一旦休止!ユフィ、ソフィ、おまけにレイン。ちょっと旅に出て来なさい。」


ばふっと音を立てながら飲んでいた紅茶を盛大に吹き出すレイン。


「うわ、きたな。アレスって、いつも突然よね・・。ちゃんと事情を説明しなさいよね!」


「きたないな、レイン。俺とリリスは国王に呼ばれてしばらく城に居なきゃならなくなった。お前達にとって、それは無駄な時間になってしまうからな。」


「きたないぞ、レイン、妾の服にかかったではないか!ツイン炎龍くんがよほど好きなようじゃのう。そうなのじゃ。ひと月以上は掛かってしまうからの。妾たちがいなくなっても、魔法の訓練はある程度できるしのぉ。」


「そうなんですか・・。それでも旅に出るってどこに行ってもいいんですか?レインさん、きたないです・・・。」


ユフィ、アレス、リリス、ソフィに集中砲火を浴びながら、レインはひどいッス・・と涙目になっている。


「とりあえず、ギルドに行って、一番難しそうな任務を何個か探して来たから、好きなのを選んでくれ。」


そう行って、アレスは4枚の紙を取り出した。その紙にはそれぞれ以下の内容が記されてあった。


No.19【護衛】ノースシティとの物資輸送護衛

No.23【調査】東の海の果てを探索

No.47【調査】精霊の森の異変の原因究明

No.69【調査】地龍の生体調査


三人は、その紙を覗き込みながら、ふんふんと思案している。


「護衛は却下ね。知らない人と一緒に過ごすのは嫌よ。」


そう言って、ユフィは一枚目の紙をアレスに押し返した。


「ちょっと龍はトラウマなんで、勘弁して欲しいッス。」


レインは四枚目の紙をアレスに返した。


「海の果ては・・・ちょっと壮大すぎる・・気がします。」


ソフィが三枚目の依頼を却下したため、消去法的に三枚目の依頼に決定した。


三枚目の依頼の紙の詳細はこのように書いてあった。


No.47【調査】精霊の森の異変の原因究明

「ノースシティの南西20kmに位置するコメイダ村の付近にある森で異変が起きている。この森は不思議な力で守られているとされ、ここ100年以上魔物は確認されていない。そのため、現地の村では精霊の森と呼ばれている。しかし、ここ最近凶暴な魔物が現れるようになっており、付近の集落や動物を荒し回っている。その原因を明らかにすることが本依頼の目的である。注意:ギルドから冒険者を複数回に渡り派遣しているが、いずれもその原因を究明するにあたっていない。そのため、依頼を受ける際は留意すること。」


「腕がなるじゃない!」


鼻をフンフン鳴らしながら、意気込むユフィ。


「それにしても、魔物が現れない森なんてあるんですね。アレスさんやリリスさんだったら何か知ってるんじゃないですか?」


「それは勿論、知っておるぞ。そこは人間にとっても魔族にとっても重要な・・ブフォ。」


喋っている最中のリリスの口をアレスの手が防ぐ。


「そこは、自分たちの手で解決してもらおう。んじゃギルドで手続きしに行こう。」





アレス達は、ギルドでその依頼を受けることを伝え、手続きを済ませた。


「んじゃ、ここで一旦さよならだな。しっかりやってこいよ!」


「勿論よ!こんな依頼、さっさと終わらせてしまうわ!」


「がんばってきます!アレスさんとリリスさんも頑張って、ください!」


ユフィとソフィとレインはノースシティへ、アレスとリリスは城へ、それぞれの道に進もうとしたとき、


「あ、そうだ、レイン。」


アレスはレインを呼び止めた。とびきりのスマイルでレインを手招きしている。


「は、はいッス。」


このスマイルをしていたアレスはたまらなく怖い。嫌な予感をひしひしと感じながら、レインはアレスのほうに近づいていく。


「二人に、なにかしたら、分かって、いるな?」


アレスは貼付けた笑みをそのままに、少女たちに届かないような声の大きさでそっとレインを脅迫する。


「は、はひ!」


「まぁ。レインのこと、信頼しているからな、万が一でもそんなことは起こるとは思ってもいないけどな。一応、伝えとくと、リリスの炎龍な、本気だすと10体まで出せるらしいぞ・・・。」


「アレスよ。間違っておるぞ。」


「うん?」


「・・・20体じゃ。」


「は、はひぃ!わかっております!粉骨砕身で守りぬきます!・・ッス!」


なかば白目になりながら、レインは大声で誓いを立てた。


「おぉ、レインのやつ、なかなかやる気になってんじゃん!」


満足げに頷いているユフィを横目に、ソフィはその光景を眺めていた。


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