謁見
国王に呼ばれたアレス達ご一行さま。
そこで明かされる真実・・。
「入られよ。」
言葉に従って、国王がいると思われる部屋に入室するライオンの一行。
部屋の中に入り、まずは否が応でも目に入るのは部屋の奥の方でどっしりと座っている王の姿である。その王の横には直属の親衛隊であろう男が仁王立ちしていた。王の間はなだらかな上り坂になっており、玉座がある場所の方が高くなっている。国王を見下さないような配慮となっているのだろう。
上り坂の途中には、腰に剣を佩いた武官が10人程度、ゆるりとした服装をしている文官が5人程度が王の方向へひざまずいていた。
「へぇ、みんな若いんだ。俺より若い子もいるんだね!おもしろい、もっと近くに来なよ。」
このやけにフレンドリーな口調で話しかけてきたのが、どうやらこの【エデン公国】の国王である、らしい。王の間は非常に大きく部屋の入り口から玉座まで20m程度はある。その言に従い、アレスが歩みだそうとしたとき、跪いていた文官の一人が叫んだ。
「ウ、ウラノス様、危険です!」
その言葉を遮るように、王は左手をすっと上げた。どうやら国王の名前はウラノスというらしい。
「構わないよ。俺の目の前にまで来てくれ。」
そう言ってその左手を自分のすぐ前を指し示した。
「し、しかし、魔族がいるのですぞ!??万が一のことがあったら、どうなさるおつもりですか!??」
「何をそんなに慌てているんだ?もし、魔族がその気になっているなら、この国はとっくに滅んでいるさ。それにこの首には、そんな値打ちはないさ。」
「ですが!!・・・わ、分かりました。お前達、王の前まで参られよ!」
こく、と頷くとアレスは瞳を閉じ、頭を垂れながら歩みを進めた。
王が指し示した辺りまで近づくと、アレスはそのまま片膝をついた。アレスに従ってついて来たユフィとソフィとレインはさっとアレスの真似をしてひざまづいた。それをキョトンとしてしばし見つめていたリリスも、こうかのぉ〜とか言いつつ、それに倣った。
「顔、上げてよ。お互いの顔、見えないじゃん。」
「仰せの通りに。」
そう言ってアレスは顔をあげ、瞳を開けた。すぐ近くに王の姿があった。
王の顔を見て、ユフィは、えっ、と思わず声を上げてしまっていた。
大きな玉座に座っているのは年齢20歳ぐらい程度に見える青年であった。金髪で短く整えられている髪、透き通った青色の瞳、きりっとした目つき、すっと通っている鼻・・、それが国王の姿であった。そして、その姿はアレスに似ていたのだ。単なる偶然とは思えないくらいに。
驚いたのは、ユフィだけでなかった。ソフィやレインは勿論、その場にいる全ての人が驚きを隠せないでいた。正確にはアレスとリリスを除いた全ての人物、だが。
動揺が部屋中を包んだ。
「きみは・・・我々と同じ、王族、かい?」
意を決し、国王ウラノスはアレスに尋ねた。
「エデン公国の王族の血を引いた者であるか、という問いに対しては、YESという回答です、国王陛下。残念ながら、こちらの家系図に刻まれてはおりませんが。」
「ははっ!なんてこった!!」
愉快そうに笑うウラノスを余所に、それ以外の武官・文官達はあっけにとられていた。謁見する機会を得た民が、自分は王族である、と宣言する状況を正しく認識できていない。
「誰かの隠し子かな!誰の子なんだい?」
「大変申し訳ありませんが、事情によりこの場で申し上げることはできかねます。」
「いやぁ、おもしろい!おもしろいよ!あ、まだ自己紹介がまだだったね。俺はこの国の王のウラノスだ。これからよろしく。」
「私はアレスです。冒険者をやっており、ギルドの名前は【ライオン】です。そしてここにいるのがライオンの他のメンバーです。」
そこでアレスはひと呼吸を置き、続けた。
「こちらの金髪の黒い服を来ているのがユフィ、こちらの銀髪の白い服を着ているのがソフィ、こちらの男がレイン、こちらの女性が魔族のリリスです。」
アレスは名前だけの簡単な紹介を済ませたとき、
「そ、それは真の話なのか!?」
我に返った文官の一人が叫んだ。
「ここで私が王族である・・・という証を示すのは、非常に難しいと考えます。証とまでは言えませんが、私の膨大な魔力、この顔、この瞳の色、で納得頂けないでしょうか?」
「そ、そん・・。」
そんなものは証にはならん!本来なら、構わずそう反論するところだが、その文官は続く言葉を発することができないでいた。あまりにも似ているその顔が、王族特有の瞳の色が、そして何よりもその高貴な佇まいが、彼が王族の血を引いていることを示していた。
「待って下さい。一度、王族云々の話は別の機会にお話しさせて下さい。それよりも、まず、私たちを呼んだ理由を聞かせて下さい。」
「そうだな。そっちの方は優先度は低いな。まずは火急の用件を済ませてしまおう。この度、ライオンを呼んだのは、勿論、魔族の実態について、聞かせてもらうためだ。」
「仰せの通りに。何でも質問して下さい。」
アレスはそう言って、リリスの方を向いて頷くと、リリスもそれに応じた。
「人間の国の王よ、妾に何でも聞くが良い。知っていることであれば、答えて差し上げよう。」
リリスはそう言って魅惑的な相貌でウラノスに微笑んだ。
今まで語られることのなかった(語ることがめんどくさかった)魔族内部の状況・思惑・構成が明らかに!
乞うご期待!




