一章 その6
あと2〜3話位昔話続きます。
「んっ……ふぁ…」
目が覚めると見慣れない風景が広がっていた。
自分が被っているのは何やら上等そうな白の羽毛布団。寝ているのは少しだけ豪奢な気品漂うシングルベッド。白を基調とした2L位の部屋。大きめの窓から差し込む朝日が部屋の白さと相待って眩しいくらいだ。
カチャ
不意に金の取っ手の付いたドアが開かれる。
「おっ?起きたか。顔色は…良さそうだな」
180cmくらいの体格の良い男が入ってきた。
髪は眩いくらいの金色で目鼻立ちも良い、コレが"二枚目"って奴だろう。歳は20代半ば位か?
「貴方は…?」
「ん?おお!スマンスマン自己紹介を忘れていた。ライドウ・D・ハイドセンだ、よろしく」
イケメンはそう名乗った。
「えと…ライドウさん?…あの、ここは?…」
「ああ、俺の家だ。森の中で狼達に襲われていたがどうしてあんな危険な場所に居たんだ?」
どうやら彼の家らしい。貴族なのだろうか?
「いえ…それが、全く解らないんです…自分でも何故あそこに居たのか…」
そう伝えると、
「ふむ…あっ!そう言えば名前はなんだい?」
彼は思い出した様に言った。
「えっと…あの…すみません。解らないんです。自分の名前も、何故あそこに居たのかも…」
消え入りそうな声で呟いた。
「そうなのか…親御さんは?はぐれたのか?」
「ごめんなさい…わからないです」
少々何も解らない自分が悔しい。泣きそうだ…
「あぁっ?!すまない!泣かないでくれ!悪かった!この通りだ!」
何を勘違いしたのかライドウさんは謝り始めた。
「?…何でライドウさんが謝るんですか?」
気になって尋ねると、
「えっと…ほら、遠慮なしにズバズバ質問したから、かな?」
申し訳なさそうにそう言った。
「いえ…これはあの…その…何もわからない自分が悔しくて…」
ありのままそう伝えると、
「ッ!!…何ていい子なんだ……」
彼は謎の衝撃を受けたかの様に数歩後ずさった。
「なんだ?この感じ…保護欲を掻き立てられる様な?…ハッ⁈これが親の気持ちと言う奴か?!イヤ、しかし…」
…何やらブツブツ呟いている。
そこで自分の身体を観察する事にした。
頭には恐らく包帯がグルグル巻になっているだろう。ずっと締め付けられる様な感じがする。腕も包帯が巻かれている。ここで気付く、どうやら僕の身体は包帯が巻かれてない所が珍しい位に全身に巻かれていた。どうやら全身かなり酷い怪我だったようだ。
と、考えて居たらイケメn…ゴホン、ライドウさんが独り言を止めてこう言ってきた、
「ゴホン!…君に住む宛がないならうちの子にならないか?そうすれば住む場所も提供出来るし、何より安全だからな」
「えと…うちの子にって言うとライドウさんの子供と言う事ですか?」
僕が尋ねると、
「ああ。嫌だったら、住む場所だけ提供するよ。勿論、食事付きで」
? どうして初対面の僕にここまでしてくれるのだろう?
「え〜と…何で初対面の僕にそこまでしてくれるんですか?」
ありのままに伝えると、
「ああ。何だか君を放って置けなくてな…」
なんて優しい人なんだろう。ここは好意に甘えるべきかな?
「ええと…嫌じゃないんですけど、あの…迷惑じゃないですか?こんな得体の知れない謎の子供って」
僕が尋ねると、
「う〜ん…確かに一理あるね。でも大丈夫だ迷惑でもないし、そして何より君の様な子供が欲しかったんだ」
良い笑顔でそう返すライドウさん。感謝してもしきれないくらいだ。
「え〜と…じゃあお言葉に甘えて…
んと…ライドウさん。これから親子として宜しくお願いします?」
最後の疑問系は気にしないで…痛いトコなの…
「ッッ!!かっ…可愛い‼なんだこの生き物は!?」
ライドウさんはまた謎の衝撃食らった様だ。そして何やらまたブツブツ言っている。
「あの…ライドウさん?」
僕が声をかけると、
「ハッ⁈すまない。それと宜しくな。後"ライドウさん"は止めてくれ。親子なんだから。…そうだな…父様はどうだ?」
「ん〜……はい。わかりました。父様」
素直にそう呼ぶと、
「グハッッ!!?なんだこの破壊力?!これが子供の力か!?」
また何やら言っている。変な人だ。
「ゴホン、まあ取り敢えず君の名前を決めよう。いつまでも名前が無いのは可哀想だしな。
う〜ん………"シーナ"はどうだ?」
「う〜ん…ごめんなさい…いまいち…」
申し訳なさそうに言うと、
「そうか…じゃぁ"アンジェラ"は?」
「ごめんなさい…それもいまいち…」
そうやって長々と話し合った結果"エリス".と言う名前に決まった。
この時まだライドウさんはエリスの事を女の子だと思っています。
だから女の子の名前にばっかなんだねw
多分また直ぐ投稿します( ̄^ ̄)ゞ
具体的には今日の23時くらいにwww