一章 その7
投稿遅れて申し訳ありませんm(_ _)m
少しファザコン入ります(・ω・)ノ
苦手な方はその部分だけ飛ばしてください。
おや?なんか後半がシリアスな気配………
それからの僕の日常はとても楽しかった。
毎日とは行かないが父様にいろんな事を教わった。この世界の事、お金の事、自分の仕事の事、村の事など記憶を失っていた僕からしたらとても貴重な情報だった。
そして何より父様と一緒に居られるのが堪らなく嬉しかった。行く当ての無かった僕に治療をして、居場所や名前までくれた大切な人だ。
そして今も父様と一緒に魔法について勉強している。
「いいかエリス?魔法とは何だ?」
「この世界における体内の魔力を使って起こす現象の事です」
「正解だ。では、魔法の属性は何種類ある?」
「先ず始めに五大属性の火属性、水属性、風属性、地属性、無属性と派生系の氷属性、雷属性、嵐属性、光属性、闇属性がありますが、まだ発見されていない魔法もあります」
連続する問題にスラスラと答える僕
「完璧だ!よく勉強しているな。偉いぞ!」
頭を撫でながら父様は満面の笑みで褒めてくれた。嬉しさで胸が一杯だ。やばいニヤケが抑えきれない。
「えへへ…父様が教えてくれるから…です」
頬を紅潮させながらそう答えた。
「何と嬉しい事を言ってくれるんだこの子は!あぁエリス良い子だ!!」
父様は感極まった様に抱きついて来た。
おふ……幸せ過ぎる…死んでしまいそうだ…
「んぅ…父様…」
頬を紅潮させたまま抱きつき返すと
「!…エリスッッ!!」
更に強く抱き締めてくれた。
ああ…父様…僕は今とっても幸せです♡
「父様…」
「エリス」
「父様ぁ…」
「エリス…」
何だか思考が痺れて来た…父様の事以外何も考えらんない…
はぁ父様…大好きです……
父様を見詰めると見詰め返してくる。抱き締めると、少し強めに抱き締め返してくれる。
あぁ幸せ……♡
ずっとこの時間が続けばいいのに、そう思っていた矢先
「ハァ………何をされてるんですか2人とも。
周りにピンク色のオーラを放ちまくってますよ?」
「こら!そんな風に言っちゃダメでしょ!
申し訳ありませんヴェルガ様。この子にはしっかりと言い聞かせて置きますので、何卒処罰は勘弁下さいまし」
突如現れた第三者にそんな考えをぶち壊された。
この家で働くメイドさんの1人のアズさんだ。
身長は160cm半位でとても整った顔立ちで目の色は青、髪は茶色のポニーテールの猫族の獣人だ。
主人である父様や僕に何の躊躇いもなく突っ込んでくる人である。ズケズケ言ってくるので、僕は余り好きじゃないのだが、父様が気に入っているので口には出さない。
もう1人はメイド長のフィオナさんだ。身長は170cmと女性にしては高めで、奥ゆかしいお姉様的なエルフだ。綺麗な糸の様な銀髪で腰の辺りまで伸ばして、エルフ特有の尖った耳を隠す様にしている。目は綺麗な翡翠色だ。
父様が居ない時は僕と一緒に居てくれるとても優しい人だ。父様の次くらいに好きだ。
でもこれは無いわー。父様と一緒に居られる貴重な時間を邪魔するとか考えらんないわ。
非常に冷めた、しかしそれでいて相手を畏怖させる怒りと侮蔑と嫌悪の篭った視線を2人に浴びせると、どんどん顔を青くしていった。恐らく表情も氷の如く冷たい無表情であろう。
真っ青になったフィオナさんが父様に助けを求める視線を送った。
「エ、エリス?お、落ち着くんだ。悪いのは私達なのだかr…?!」
僕を見た父様が慌ててフォローしたが時既に遅し、僕は底冷えする様な声でこう言った。
「僕たちが悪い?オカシイデスネ?僕は普段中々会えない父様に勉強をしながら親子のスキンシップをとっていただけだとオモウンデスガ?」
そう言うと父様は、
「ッ…!確かにそうだが…しかしだn…」
「"しかし"何です?父様言いマシタヨネ?
"私が帰って来ている時はなるべく僕に構う"と
名前をくれた日に約束シテクレマシタヨネ?
それとも何ですか?あの約束は嘘ダッタンデスカ?
それとも僕に構う以上にアズさんが大事なんですか?
僕に構う以上の理由がアズさんにあるんですか?
結局父様は僕が大切じゃないんですか?
父様の子に迎え入れてくれた時どれだけ嬉しかったか解ってますか?
"大切にする"と言ってくれた時僕がどれだけ安堵したか解ってますか?
記憶の無い僕には頼れるのはもう父様しか残って居ないのにその父様とのスキンシップもダメなんですか?
"甘えてくれ"と言ったのは父様なんですよ…?」
自分でもよくこれだけ一気に喋れたなと思う。
「もう…僕には…父様しか…残ってないのに……」
最後に小さく呟くと、不意に頬に何かが流れ落ちた。
気が付けば周りが滲んで良く見えない。それと涙が止まらない。
居ても立っても居られなくなり、僕は逃げる様に家の中に走って行った。
***ヴェルガ視点***
まさかエリスがあそこまで怒るとは…
さっきから泣きながら必死にに謝るアズとフィオナ。
しかし彼女達の言葉は耳を通り過ぎて行くだけ。私の心はさっきのエリスの言葉が反響していた。
"結局父様は僕が大切じゃないんですか?"
…違う……
"父様の子に迎え入れてくれた時どれだけ嬉しかったか解ってますか?"
…解っている……
"大切にすると言ってくれた時僕がどれだけ安堵したか解ってますか?"
…それも解っている。あの時の表情は忘れられない…忘れられる訳など無い……!!
トドメが最後の呟き、
"もう…僕には…父様しか…残ってないのに……."
あの呟きは今まで受けたどんな攻撃よりもダメージがあった、それこそ天と地の差があった。
私はなんて事をしてしまったんだ…
あの場を収める為に言った台詞があそこまであの子を傷付けるなんて…
「クソッッ!!
エリスッ……」
***フィオナ視点***
ハァ…またアズのいらないツッコミが入った。何でこの子はいちいち余計なことにまでツッコミを入れるのかしら?
特にエリス様に対するツッコミが酷い…
何かと難癖付けてツッコミ(?)を入れる。最早嫌味にしか聞こえない。
またアズ本人が自覚していないから尚更タチが悪い…
エリス様も口では言わないし、態度にも余り出さないが苦手に思っている事は伝わってくる。あの目を見ればすぐ分かる。敵対心と嫌悪と恐怖心が混ざったあの目。事情を知っていない者でも分かるぐらいハッキリと読み取れる。
アズは主人であるヴェルガ様に恋心に近い何かを秘めている。エリス様がライドウ様に甘えている時に見せるあの態度は羨ましさと嫉妬の現れだろう。恐らくその事にも本人は気付いていない様だ。この前さり気なく聞いてみたらキョトンとした顔で聞き返された。
第一にあの普段余り甘えないエリス様が凄いニヤケ顏で頬を紅潮させながら甘えているのを見て何も思わないのが不思議でならない。彼女以外のメイド達は揃いも揃って、
「エリス様がヴェルガ様に甘えている時に見せるあの表情……最高ですッッ!!」
と答えるのに…(私も例外ではないのだけれど)
しかし今日のは不味かった。
日頃アズの態度に不満を持っているエリス様が今回は我慢出来なかった様で、かなり怖い視線をぶつけて来た。今まで感じた事の無い程の恐怖を感じ、直ぐ様ヴェルガ様に救援を仰いだが、逆効果だった。
エリス様が今までの不満を吐き出す様に喋り始めたのだ。
そこに紡がれる言葉一つ一つに込められた思いを感じ、失敗した、と感じたが、もう時既に遅し。
エリス様は感情をありったけ乗せ言葉を紡ぐ。最後の方は泣きながら必死に、助けを求める様に仰った。
特に最後の呟き。
アレは思わず死にたくなった。
あぁ私は何て取り返しのつかない事をしてしまったのだろう…最低だ…日頃エリス様のお側に居ながら何も力になれなかった。自分は何て無力なのだろう。せめて、アズのあの態度はもっと厳しく治すべきだった。
そこから先はひたすらヴェルガ様に謝罪をし続けた。
***アズ視点***
何故だろう?何故あんな態度をとってしまうのだろう?
私は思考の迷宮に迷い込んでいた。
私はスラムで暴漢に襲われているところをヴェルガ様に助けて頂いた。あの時の恩は一生忘れない。そこから無理にお願いしメイドにして貰った。
そこまでは良かった。
しかしある日、ヴェルガ様は全身傷だらけの子供を連れ帰って来た。何でも森の奥深くで狼達に襲われていたのだとか。ヴェルガ様はその子を助けようと必死だった。
それから暫くしてヴェルガ様のお陰で子供は元気になった。
するとヴェルガ様はその子を何故か自分の養子にしたのだ。意味がわからなかった。
何故拾って来た正体の分からない謎の子供を養子にしたかったのだろう?
当然の如く私に教えて下さる訳も無く、私はその子のお付きを命じられた。
恐らくそこからおかしくなって行ったんだと思う。
私はエリス様によく突っかかる様になった。
何故かは分からないがエリス様がヴェルガ様の側で笑っているのが腹立たしいのだ。
それも気付いたのはメイド長に指摘されてからだった。
しかし今回は特にやってしまったと思っている。
まさかあんな視線を向けられるとは思っても見なかった。
視線もそうだがエリス様の言葉の一つ一つが私の心に突き刺さった。
私は何をしているのだろう?そう思ったがもう遅い。
隣ではさっきからメイド長が泣きながら必死に謝っている。
メイド長と目があった。目が合うと、メイド長はアイコンタクトで
「貴方も早く謝りなさい」
と訴えて来た。
解っている。私だって今回は責任を感じているのだ。私も一緒に謝った。
ヴェルガ様に嫌われたくない。そう思うと涙が溢れて来た。
シリアスは次回までは続きます。




