二章 その9
「ここが稽古場です」
案内された先には様々な鍛錬用具が配置され、それを物色する運動着姿の騎士達。
ゴリマッチョから細マッチョ、老マッチョetc…と様々な騎士達は自分に合った鍛錬を自分に合った方法でしているようだ。
「ここは各自の鍛錬のために用具を貸し出している場所です。後は用具を持って自分に割り振られた部屋へ行きそこで鍛錬します。
今回私達は広場を使いますので用具は使いませんが」
「広場ってなんだ?」
「あぁ、それは模擬試合をしたりする広い場所の事だ。地下一回はほとんど広場になってるからな」
「え?じゃあ鍛錬用具持ったやつらはどーすんだよ?」
「彼等は下の階の"鍛錬場"で鍛錬するんですよ。騎士団は地下3階までありますから」
「へー、まぁ細かい事は後々知ればいいや。ヴェルガさん!早く!稽古しようぜ!!」
アレスはいかにも待ちきれないと言った様子で先程からウズウズしていた。それは新しいオモチャを買ってもらった子供の様で少し微笑ましかった。
「あぁ、そうだな!君がどれほど強くなったか楽しみだ!
あーちょっと君来てくれるかー」
ヴェルガも楽しみらしく受付嬢を大声で呼ぶと慌てた様子で新米…だろうか?キョドキョドした受付嬢が来た。
「は、はいぃっ!だ、団長一体どう言った御用でしょうか?」
顔を赤らめガチガチに緊張している受付嬢が面白かったのかヴェルガ達はクスクス笑い出した。
「ふぇ…!?わ、私なにかしましたでしょうか!?」
慌てる受付嬢を宥める様に話し出す。
「クックック…いやすまん。そんなに緊張しないでも良い…プッ……クックック」
「え、ふぇぇ…ごめんなさい…」
「いや問題ない。それより広場を使うから他の者は入っているか確認したい」
「あ、はい!少々おみゃ…お待ちくだしゃい!」
パタパタと確認に行った受付嬢を見送るとヴェルガは本格的に吹き出した。
「プッ…クッハッハッハッハッハ!見たかあの子!入って来たばかりなのかは知らんが私に会うくらいであそこまで挙動不審になるとは!クッハッハッハッハ!ダメだ…笑いが止まらん…クフッ……」
「いや貴方は騎士達の憧れですよ?その辺自覚さって下さい。
どうしますか?他の者が使っていた場合は待ちますか?」
「ん?あぁまぁな待つさ当たり前だ鍛錬の邪魔等俺のプライドが許さん」
「それもそうでしたね。出過ぎた発言、申し訳ありませんでした」
「いいって。気にすんな」
すると受付嬢が慌ただしく戻ってくる。
必死にパタパタ走っている様子は小動物を彷彿とさせる。
「ハァハァ…広場の…方は、現在空いておりますので…お使いになっても大丈夫です…」
息も絶え絶えにそう伝えると受付嬢はへたり込んでしまった。
「そうか!ご苦労さん!じゃまた後でな。
それと体力くらいはつけとけよー」
そう言って広場への入口をくぐる。
広場はその名前の通り広くタイルが並んだ舞台がデデーンと設置されている。
地面と舞台は少し段差があり。何も考えずに歩いていると躓きそうである。
「うわー名前の通り広いんだなー」
と、言ったアレスの声がわずかに反響する。
「えぇ、模擬試合はかなり白熱する場合もありますし、なにより広い方が戦いやすいですし」
「それもそーだな!なぁなぁ!いつ始めるんだ!?」
目を輝かせ今にも襲いかかってきそうな雰囲
気で訪ねて来るアレスにロクシュウェルは冷静な言葉を浴びせる。
「いやアレス殿。ここの規則で試合をする前は30分ほど準備運動をしなくてはいけないのですよ?」
「え」
死にそうな顔をしたアレスを見てヴェルガは腹が捩れ笑いで悶え苦しんだと言う。
広場はドラゴ○ボールのセ○コロシアムを思い出していただければ想像しやすいかと思います。あれの地下版ですね。
試合については次に投稿したいと思います




