表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世にも歪な物語  作者: 海藤日本


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/19

呪服

ある夜、お菓子を食べる為、コンビニへと向かったセナ。

ちなみに彼女は現在、ダイエット中だ。

その帰り、彼女はある物を発見する。

それが、奇妙な世界の入り口だった。

 ある日の夜、「セナ」はコンビニに行く為、暗い夜道を歩いていた。

 セナには、ある悩みがあった。

「最近、太ったなぁ。……痩せなくちゃ。……でも、我慢出来ない」

 セナは最近、食欲旺盛だった。

 故に、この一ヶ月で五キロ太ってしまった。「痩せなくちゃ」とは思っている。

 しかし、夜になるとお菓子がセナを呼んでくるのだ。

 そのお菓子を今宵も口に入れる為、現在コンビニに向かっている。 

 セナはコンビニでお菓子を買い、帰っている途中、街灯の下に何かが落ちているのを発見した。

「なにこれ? 青いワンピース? 行きの時はこんな物なかったのに……」

 普通なら、道端に落ちて服など、そのまま放置するだろう。

 しかし、セナは不思議とその青いワンピースに同情心が湧いた。

「少し大きめだけど、可愛いワンピースなのに可哀想。……よし、持って帰って洗濯しよ」

 なんとセナは、誰のかも分からない青いワンピースを自宅へ持って帰って洗濯をした。

 次の日、セナは友人の「ユイ」と見慣れた街を歩いていた。

 二人は歩きながら、たわいもない話をしていた。

「ユイ、最近痩せた?」

「わかるー? ダイエット成功したんだ」 

「えー、いいなぁ。私なんか、一ヶ月で五キロも太っちゃった」

「確かに、少し丸くなった?」

「もう! 失礼ね!」  

「ごめんごめん。……でも、セナもきっと痩せれるよ」

「そーかなぁ」

 そんな、会話をしていると、二人はある店に目がいき足を止めた。

「ねぇ、ユイ。こんな店あった?」

 そこにあった店は古着屋だった。

「うーん、最近出来たんじゃない?」

 ユイがそう言うと、突然この店に対しての好奇心がセナを襲ってきた。

「ねぇ、ユイ。この店入ろ!」

 こうして二人は店内へと入った。

 しかし、店員らしき人は何処にも見当たらない。

 店内に入ると、横には沢山のマネキンが並べられていた。

 それを見たユイは目がキラキラした。

「ねぇ、セナ! このマネキン達、女性は皆、スタイルよくて可愛いし、男性も小顔でイケメンが多いよ!」

 しかし、セナはそのマネキン達に妙な違和感があった。

「確かにそうだけど。……なんか生々しくない? 今にも動き出しそうなんだけど……」

「最近のマネキンなんてこんなもんよ」

「そうかなぁ。……それより服を見よ! 可愛い服があったらいいなぁ」

 二人は、店内をグルグル回っていると、セナが自分の好きな服を見つけた。

 それは、昨日拾った青いワンピースに似た赤いワンピースだった。 

「うわー、これめっちゃ可愛い。……でも、入るかな?」

「入るわよ! 一回試着室で着てみたら?」

「そだね。入るといいなぁ」

 セナは、ドキドキしながら試着室へと入った。

 そして、その赤いワンピースを着用した。

「あら、思ったよりこのワンピース大きい……」

 少し安心していると突然、赤いワンピースがセナの身体を強く縛り始めた。

 あまりの強さに息が出来ない程苦しく、声が出なかった。

「苦しい! ……声がでない。……身体が潰れそう……。ユイ……助けて」

 心の中でそう思っていると、目の前の鏡に違和感を感じた。

 セナがふと鏡を見ると、そこには自分の姿が映っている。

 それは当然のことだが、鏡に映っているセナはニコッと笑っていた。

「なによ……これ」

 セナは、力を振り絞って試着室から出た。

 そして、店を飛び出したと同時、足がつまづいて転んでしまった。

 後ろを振り向くと、店内に並べられていたマネキンが全員、首を傾けセナを睨んでいた。

「きゃー!」

 セナは叫びながら、再び走り出した。

 よく見ると、昼間であるのに街には誰の姿もない。

 あまりの奇妙な体験に、セナは只ひたすら走った。

 するとユイの声が聞こえた。

「セナ! 待って!」

 その声で、少し冷静になったセナは足を止めた。

 ユイは、息を切らしながらもセナに追いついた。

「どうしたの? セナ! いきなり……」

「服が……この服が突然私を襲って、そして……」

 セナは再び混乱し始めた。

 その姿を見たユイは静かに口を開いた。

「でも、よかったじゃない。これで、セナも痩せれたね」

「……え?」

 不審に思ったセナは、自分の身体を見た。

「嘘? 身体が細くなってる」

「これで、セナも私達と一緒だね」

 ユイはニコッと笑ってこう言った。

 それはまるで、さっき鏡に写っていた自分のようだった。

「え? どういうこと?」

「セナも美しくなっちゃって! あっ、ちなみにこの人が店員さん……」

 そう言うと、突然ユイの隣に青いワンピースを着た太った女性が立っていた。

 その青いワンピースは、昨日セナが拾った物と全く同じ服だった。

 女性は何も言わず只、恨めしそうな顔をしてセナをじっと睨んでいた。

 それから少し時が経ち、あの古着屋にお客さんが来た。

「わー! このマネキン達凄く綺麗!」

 そこには、セナとユイの姿もあった。

青いワンピースを拾ったのが最後だったかもしれませんね。

いや、ダイエット中にも関わらず、お菓子を買いに行った時点でセナの運命はもう決まっていたのかもしれません。

あの青いワンピースを着た太った女性は一体何者だったのでしょうか?

「痩せたい」と思っていたセナに手助けしようと思ったのでしょうか?

それとも、彼女からしたらセナなんて……。

そう思い、妬んでいたのでしょうか。

どちらにせよ、ユイを先にマネキンにしてセナを奇妙な部屋に連れ込んだのは確かです。

しかし、真相は青いワンピースを着た女性にしか分かりません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ