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真・土俵の鬼達〜師匠に捧げる白星(ホワイトスター)〜  作者: 佐久間五十六


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エピローグ

横綱越乃海の電撃引退から10年後、長男竜一が第82代横綱(時竜一)に昇進。その2場所後には次男竜二と三男竜三が第83、84代横綱に同時昇進して史上初の三つ子横綱の誕生となった。長男竜一は14度の優勝、次男竜二(時竜二)三男竜三(時竜三)はそれぞれ10度の優勝を分け合った。


コシは親方業にも慣れて、3横綱4大関と数多の名力士を育て上げた。コシは65歳で定年し時津川部屋は長男竜一に継がせた。


「あなた?寝てばかりいないで少しは家の事手伝ってよね?」

「あぁ、スマン。色々とやる事があってな。」

「はぁ?何よやる事って?親方業は終わったじゃない?」

「今はな横綱の矜持って本を執筆しているんだ。史上最強の横綱の体験談を後世に残す為にな。」

「へぇ~。それは早急にやらなければいけないわね。」

「私も女将さん業一区切りついたから何か始めようかな?」

「老後の事は大事だし。」

「それより竜一の奴はしっかりやってるか?」

「女将さんにしごかれながら孫の王太の指導につきっきり。」

「じいな?」

「今日は女将さんって呼ばないんだ?」


じいなは長男竜一の嫁で現時津川部屋の女将さんで二児の母である。もう一人は長女かもこである。竜二と竜三はそれぞれ時津川部屋から独立した。コシは6人の孫を持つおじいちゃんになっていた。すっかり隠居の身となったコシではあったが、78歳で他界するまで時津川部屋の行く末をしっかり見届けた。


「我が相撲道に一片の悔いもなし。あとは任せた。我が愛する家族よ!」


病気が分かったのはほんの最近の事であった。部屋で弟子の指導に当たっていた時だった。急に脈がおかしくなり意識を失ったのである。ただの不整脈ならまだ良かったのであるが、心臓に重度の心筋梗塞を招きかねない弁のつまりがある事が判明した。その3日後容態は急変。手の施しようは無かった。だがコシに悔いは無かった。家族や部屋の力士達で盛大に送り出してあげた。その後を追うかの様にゆいPも脳梗塞で天国に旅立った。一時代を築いた大横綱の死は世間でもニュースになった。故人の意向で通夜告別式は近親者のみで行われた。後日お別れの会を実施。4000人以上のファンが足を運んだ。コシ(山田太)は、幸せな人生を送った。とにかく明るくきっぷの良い誰からも愛される相撲取りであり恵まれた才能を開花させてもらった。いや、誰よりも努力した。30歳と言う若さで部屋を継承してからも、3人の息子を全員横綱に押し上げた。のみならず、時代を彩る名脇役たちも輩出した。正に相撲の天才だった。今、その意思は次の時代の光り輝く新米力士に託された。越乃海がそうであったようにそれは彗星の如く現れるかも知れない。相撲の神様は師匠に捧げる白星ホワイトスターを待ち望んでいる。その気持ちで新時代の大相撲界を盛り上げて行く国技大相撲であって欲しい。

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