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将軍誕生!?①

今回は短めです。

 あれから数日後。

 シルキーが休暇をとり全く姿を見せなくなってから3日が経った。

 その間も私は軍編成計画だけでなく女王としての公務もクロード監視、じゃなくて協力のもと忙しい時間を過ごしていた。新興国なのでやることはいっぱいあるのだ。軍だけに時間をとられるわけにもいかない。


「はあ。まだまだ処理しないといけない書類がこんなに」


 やってもやっても終わる気がしない仕事にうんざりしていると


 コンコン


「陛下。シルキーです。」


「どうぞ。」


 ドアがノックされて誰かと思えばシルキーが帰ってきたようだ。

 思ったより早かったな。一週間くらい休みをとってくれても良かったのに。

 将軍を任せられる人材を見つけに行くって言ってたけど見つけられたのだろうか?難しい条件だったので無理ではないかと思っていたんだけど。


「ただいま戻りました。」


「お帰り。たまにはゆっくり休めた?」


 私が書類の間から顔を出して声をかけるとシルキーはコテリと首を傾げる。


「休めたか、という問には微妙である。と答える他ありません。」


「え?そうなの?」


 せっかくの休みに一体この子はなにをしていたのだろうか?まさか四六時中人材探しをしていたのか?

 なかなか見つからなくて大陸中探していたとかだったらびっくりだけど。


「ゆっくりできなかったのはもしかして人探しのせい?」


「ええまあ。そういうことになるかと。」


 煮え切らない答えになにかあったのだろうかと疑問に思ったけど、まずは休みの間も仕事を頑張ってきてくれたシルキーを上司として労う必要があるだろう。


「お疲れ様!大変な仕事を任せてごめんね。」


 そういってお茶うけとして置いていたブルーノ特製の新作お菓子をシルキーに勧める。

 ブルーノはお菓子だけでなく料理も地球の調理方法を取得してメキメキと腕を上げている。

 人手が少なくて過労気味の王宮の職員たちもブルーノの料理を食べれば疲れがふっとんでまだまだ頑張れると言っていた。むしろ食事のために頑張っていると。それはそれでどうかと思うけど。

 というわけで、うちではブルーノの料理はもうなくてはならない存在になっていると言っても過言ではない。


 疲れた時には甘いものがいいというし、ご褒美としてシルキーに女王用の新作お菓子をあげようではないか!


「ありがとうございます。しかし陛下。この前もやけ食いとかおっしゃってお菓子をたくさん召し上がっていらっしゃいましたが、少し食べすぎなのではないのですか?まさか私がいない間、これ幸いとばかりにお菓子ばかり食べていませんよね?」


 シルキーはお菓子を受け取りながら私に疑いの視線を向ける。

 げ、やばい。やぶ蛇だったか。


「ハ、ハ、ハ!そんなことあるわけないじゃないですかシルキーさん!」


「ならば私の目を見て言って下さいませんか?」


 断る!

 最近シルキーは毒舌だけじゃなくてオカン属性も身に付けつつあるのは気のせい?

 オカンはクロードだけで間に合ってるんだけど。


「えー、こほん。それで将軍を任せられる人材は見つかったのかねシルキー君?」


「盛大に話をずらしに行きましたね。」


 咳払いして本題へ入ろうとした私にシルキーはジト目を向ける。

 失敬な!ただ私は話が脱線していたから早くシルキーの仕事の成果を聞きたいと思っただけです。本当ですよ。

 ワタシ、ウソツカナイ。


「まあいいでしょう。その話は後で料理長から聞くとします。」


 シルキーはそういって小さくため息をついた。

 ううむ。どうやら上手く誤魔化せなかったらしい。


「それで報告ですが、7人推薦したい人物を連れてまいりました。」


「え、そんなに!?元々6人探すって言ってなかった?」


 正直それすら難しいと思っていたから連れてきても2、3人ぐらいだろうと思っていたのに予定より多いなんて。

 さすが仕事のできる専属侍女は違うなあ。

 どこで見つけてきたのか謎だけど。


「僭越ながら国として情報収集は必須のため、陛下にも直属の暗部が必要かと思いまして。一人多めに用意しました。」


「おお!そこまで考えていたなんて!」


 さすが優秀な専属侍女は違うな。むしろ優秀すぎて怖いくらい。私なんて書類仕事が忙しすぎて暗部とか全然思いつかなかったし。

 でもたしかにシルキーの言うとおり情報収集は大切だ。

 今までは上がってきた書類上の情報を鵜呑みにしていた。まあとはいえ書類をくれているのは宰相であるクロードと大臣たち大公で信頼できる人たちだからというのもある。

 今はまだ人柄もよく知る信頼できる相手だからそれでいいかもしれないけど、そのうち不正とかもでてくるだろうし。やっぱり暗部は必要だよね。


「シルキーの考えはよくわかったよ。暗部の編成についてもその意見を取り入れたいと思う。」


「ありがとうございます。」


「じゃあその件はまた後で聞くとして、まずはスカウトしてきた人たちを紹介してくれるかな?」


「畏まりました。では連れて参ります。」


 いつものように綺麗にお辞儀をして一端部屋を退出していったシルキーを見送る。

 シルキーは毒舌だけどなんだかんだいってとっても優秀だし、いないとそれはそれで寂しく感じるような気もする。

 決して罵られて嬉しいとかじゃないからね!


「失礼いたします。」


 しばらくして待っているとシルキーが扉をノックしたので私が入るようにいうと、ぞろぞろと6人を連れて入室してくる。

 執務室は結構広いけど、こんなに大勢いるとちょっと狭くなったように感じる。


 シルキーが連れてきた6人は、なんというか老若男女で見た目もバラバラなんだけど、第一印象は髪がカラフルなのでレンジャーものみたいだなと思った。

 若干何名かもの申したいような見た目の人もいるけど見た目で判断するのもいけないよね。うん。


 6人は私の前まで来ると全員で手を後ろで組んで休めの状態で待機している。その揃った動きは本当に訓練を受けた軍人のようで格好良い。もしかして元軍人だったりする?

 これはちょっと期待してしまう。


「では一番ましな順から紹介していきます。」


「いやそれなんの順番!?」


 開口初っぱなから一気に聞く気失せたんですけど!?

 な、なんかそこはかとなく嫌な予感が


「大丈夫です。実力()保証いたします。」


「それって実力以外は保証しないって言ってるのと同じですよねぇ?!」


 やっぱり駄目だ!もう既に嫌な予感しかしなくなった!

 頭を抱える私をよそにシルキーは構わず紹介を始めてしまった。



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