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女子会的戯れ~帰宅



 ☆




 小さな娘達の噂はまぁ、置いといて。

良いお湯だったわぁ~。

出来上がりで一回入らせてもらってたけど、夜はまた違う趣で良いね。

ガラス窓の部品もまた作ったし…… ホントにウチにも作ってもらおうかな。

お母さん喜びそう。


さぁぽかぽか風呂あがり。

果実水で喉を潤す。

ミカン水だって。


「んっ…… はぁ」

「冷たいねぇ」

「美味しい」


お義母様のポーズと溜め息が色っぽい。

寝間着がはだけているのが、様になる。

私達は持ってきた寝間着(スライが買ってくれた可愛いヤツ)を着てみた。

似合う、かなあ。

私はゴツいからなぁ。

うう、大人の色気…… ためになるっ。

こくこくん。

んん、これ、氷が入ってる。

冬だけど、火照った体には気持ちいい冷たさだ。


「ミカンって直ぐ虫食いになるだけの果物だと思ってた」

「ねえ。あんなに皮が薄いから鳥や獣に食べられ放題~」


スライが森で見つけて喜んだ木。

オレンジより皮が薄くていつも実が少ししか付いていない細い木。

村に移植してから何度か枯れかけて、今年はしっかりと花が咲いて、実が付いた。

六株の内五株が豊作。

こんなに酸味がありつつ甘いのも、初めて知った。


「凍らせても美味しいらしいよ」

「あるよー。スリープデザートで出そうか」

「わあ」


スライのお家には囲炉裏があり、それを囲んでソファーが三つ。

台所側が開いていて、囲炉裏の縁がテーブルを兼ねている。

夏は囲炉裏に蓋がされて、そのまま大きなテーブルになる。

こういう機能的な造りの居間は、ここだけだ。


他の家は暖炉の前にソファーがあるだけ。

沢山集まるには、この形が便利だわ。

ブルクなんか、こういうのに目を輝かせてたわよね。

どうやって空気が流れてるのかとか聞いて…… 懐かしい。

スライが小さいながら、たどたどしく説明してくれてたのも、考えてみたらそんなに前でもない。


「スライも凍らせたヤツが好きなのかしら?」

「んー? いえ、そのまま食べてたわ」

「じゃ、私もそのまま食べるっ」

「わ、私も……」


お義母様が含み笑いをしているけど、気にしない。

だけど、ホントに凄いプロポーション。


下着はソーニャさんの蜘蛛糸で出来た普通の上下だけど。

無駄なお肉が見当たらないわ。

みんな一緒のデザインだけど、ボリュームが違うとこうも違うのね。

カッコいい。


「んん~? なあに?」

「あっ、すみません」


見詰めすぎた。

気付かれるわよね。

私は目が大きいし。


「スタイル気にしてるの?」

「あっ…… はい…… 私は毛深いし…… 筋肉質だから」

「オムネがあるからいいじゃないのっ」


テレコがまた噛みついてきた。

ほっそりしていて羨ましいのに。


「男の子は皆、オムネが好きらしいじゃないっ」

「そうだね。でもまだ、男の子だもんねー。どちらかと言ったら、食い気のが大きいデショー」

「食い気…… ですか」

「スタイルは気にしてもね。体で誘うのは無理だろうね」


そ、そっか、気にしなくてもいいのね。


「今は胃袋よ。美味しいって言ってくれるあの笑顔は最強よ」


息子自慢が入った。

まぁ、分かりますけど。

あれだけ頑張るあの人だから、ありがとうの言葉が心地良い。

……美味しい、かあ。


「今のところお米好きだから、テレコちゃんリード」

「えっ」

「あーっ、確かにお米、ご飯好きだねっ」

「やっ、あっ、えーっ」


そんな、まさか、家業で差が付けられるなんて。

これは、スライの好みを聞き出さなくちゃ。

そう。

今日はお義母様から引き出すまで、寝かさないっ!


「ほっ、他には何が好きなのかな?」

「唐揚げとか…… 揚げ物は大体好きよね。油は最近使える様になったけど」

「揚げ物…… ウチはまだやった事ないな~」


祭りの時位しか作らなかったモノだ。

村全体が活気付いているのと、景気が良いので、食べる事に余裕がある。


これも、スライのお陰だと皆が感謝しているのに。

本人は「たまたまだよ~」なんて。

格好良すぎ。


「流通をし始めてから、豊かになった実感、あるよね」

「ちょっと前は確かに品数も二つ位少なかった」

「ねえ。朝会じゃあ取り合いになったりもあったわ」


朝会。

物々交換の井戸端会議。

家の芋とブルクん家の豆はいつも好評で、大体取り合いになってしまいがちだった。

今は…… 各々の氷室にも保存食がちゃんと蓄えられて、普段も自家栽培だけで割と賄える状態。


「スライがやってくれた(ことごと)くは、皆の暮らしに役立ってる」


昨日からの大事件で中断してるとは言っても、色々な所に色々な工夫を足してくれた。

彼が居なくてはならない存在だと、フルオロ村の皆が感じている筈。


「あの子は最高よ。貴方達はみる目があるわ。まー…… ちょっと早いと思うんだけどね」

「あっ、あのっ、成人したら、彼と一緒に住みたいんですが……」

「そ、そうよレモ姉さん。その話よっ」


あっ、テレコちゃんズルい、私に話させる気ね……。


「……うぅん、続けて?」


お義母様の笑顔がチョー怖い……。


「あの、彼が成人したら、東の遺跡を拠点に町を作りたい…… って」

「はぇっ!?」

「……初耳です?」

「はつみみよお…… ダンナも何も言ってなかったのに」

「あ、まだ夢、らしいんです」

「色々なモノや人が足りないから、実現するのはいつになるか分からない、夢だって……」

「それでも、彼女達には聞かせていても、親には話してないのが悔しいんですう~…… スライのおバカ…… 私は一緒に魔窟(ダンジョン)に行きたくて仕方ないのに……」


魔窟、ぅ!?


「そんな危ないわ」

「そうですっ、危険ですよ!」

「平気よー。あの子、物凄い筋が良いのよ。言う事をちゃんと自分なりに噛み砕いて理解して、動きの意味と理由を覚えてくれてるの。普通の剣士なんか相手にも成らない技術が既に…… あー、まあ…… スキルじゃない体捌きが出来るから、幾らでも地下に潜れるのよ」


……ちんぷんかんぷん。

二人とも分からなかったからか、最後簡単に教えてくれたみたい。

普通の未踏地探索はスキル次第、だからレベルが高い人でないと一階層でも躓く。

冒険者でなくてもそれが普通だと分かる事。

たしかパーティバランス考えてないと目的地まで行けない事もあるってお父さんが。


ダメダメ。

そんな所、あの人を行かせては。


「それより、好きな娘には他に何の話をしているのか聞きたいわー」

「普通の会話でしたケド……」

「わ、私は好きな物語の話とか」

「んー、鍛冶工房の話とか……」

「何が足りないか思い付いたら教えてほしいとか」

「でも、何か作ったり練習してる時は集中させて欲しいって」

「……彼女達を放ってまでやりたい事も、あるのよね。あの子には」

「それもカッコいい、ですけどっ」


ふふっ。

そうね。

あの人は小さいけれど、やりたい事を見付けては努力する男の人だ。

小さいままでもキュンキュンするけれど…… 大きくなったら、どんな男性になるのかしら。


「ヨーシ、じゃ、取って置きを教えちゃおう」


木のコップを囲炉裏に置きながら、ロギーさんの言い放った言葉に動揺する。


「お義母様、それは?」

「スライの好みのタイプ」

「聞きたい~!!」


それ、大事です!

良かった。

泊まりに来て。


「と言っても、貴方達と仲好くなる前だけれど」


そんな前置きは要らないですからっ。


「えっとね、「支え合える人」、「自立してやりたい事にチャレンジする人」、「一緒に居て楽しい人」、だって。二人とも支え合える人に成ってるわ」


そう言って、ちょっと寂しそうに笑う。


「あと、自然体でやり取りしても違和感の無い人とも言ってたの。家族も大好きなのよねって聞いたからそう言ったのかも」


そういうエピソードも聞けて、満足だわ。

しかしそこで、ノックの音。

ロギーさんが応答する。

あっ、そんなカッコのままじゃダメですよ?


「はあい、どなた?」

「俺だよ、スライも一緒だ」


声はバァンさん。

って、スライ!?


「帰ってきたの?」


躊躇い無しに二重の扉を開け放つ。

え、私達は寝間着なんですが!


「キャッ」

「うわわっ」


お義父様とスライが慌てて後ろを向いた。

お義母様は舌を出してこちらに頭を下げている。

もうっ。

肩掛けを羽織り、私達も出迎えた。


「母さん…… ただいま。二人とも、ただいま」

「お帰りなさい。無事で良かった」

「ねえ? 疲れてない?」

「うん、ちょっとね。でも、上手くいったよ」


少しの間の別れだったのに、また男らしくなった気がする。

……自立してやりたい事にチャレンジする人……かあ。


私は…… チャレンジしてもいいのかな。


スライ・オーニス Level=15

年齢=6才 状態=休憩( 安心)

職業=司祭見習い 称号=神の愛し子・無属性魔法の確立者

ギフト=「壁無き友垣」対話、心理学、人類学、生物学、多言語の優良性

    「狙い違わぬ指」目星、回避、隠密、追跡、投擲、技能数値への補助

スキル=「全種族魅了(スピーシーズチャーム)」封印中

    「構成編集(ストラクチャーエディタ)

    精神力向上(特)

    集中力向上(特)

    状態異常耐性(特)

    常時体力回復(上)

    常時魔力回復(上)

    身体強化(特)

    スキル倍加(特)

    魔法倍加(特)

    常時詠唱破棄

    命の加護(周囲の闘争禁止)

    稀人の加護(幸運)

    英霊の加護(呪い無効)

    学習指導(中)

    悪戯耐性(中)

    身体俊敏化level.5/10

    片手剣術level.6/10

    盾・両手操作level.6/10

    演算強化level.2/10

魔法=無属性魔法

   空間魔術(中級)

   黒魔術(上級)

   白魔術(上級)

   精霊魔法(上級)



ミュゼラ・オーニス Level=0

年齢=6才? 状態=魂(スライの中)

職業=なし 称号=なし

ギフト=「狙い違わぬ指」目星、回避、隠密、追跡、投擲、技能数値への補助

    「壁無き友垣」対話、心理学、人類学、生物学、多言語の優良性

スキル=「構成編集(ストラクチャエディタ)

魔法=?



レモテトラ・ゴォド Level=21

年齢=19才 状態=恋愛(充実)

職業=鍛治士見習い 称号=なし

ギフト=「研鑽の重ね」目星、聞き耳、投擲

スキル=「眼の魔法」

    炉の護り手(小)

    道具整備(大)

    併せの呼吸level.6/10

    耐熱・耐火(中)

    調理(小)

    縫製(中)

    身体機能向上(小)

    調理師Level.3/10

    活力付与level.4/10

魔法=無属性魔術(中級)

   黒魔術(初級)

   目線の魔法(中級)



テレコ・レクラス Level=14

年齢=12才 状態=恋愛(充実)

職業=治癒師見習い 称号=水耕の担い手

ギフト=「弛まぬ水車」回避、聞き耳、水泳

スキル=水流操作level.8/10

    泉精霊(ナイアデス)魔術level.8/10

    農作業(中)

    調理(大)

    縫製(中)

    清掃(大)

    調理師Level.7/10

魔法=無属性魔術(中級)

   黒魔術(中級)

   白魔術(中級)



バァン・オーニス Level=78

年齢=45才 状態=溺愛(永続化)

職業=魔術学校長 称号=賢者

ギフト=「遠き呼び声」気配察知、聞き耳、神学

スキル=黒、白、空間、精神魔術強化

    常時異常回復

    常時魔力微量回復

    調理師Level.5/10

    狩猟採集level.7/10

    経営学(大)

    鳥目(夜間視力低下)

魔法=黒魔術

   白魔術

   空間魔術

   精神魔術

   召喚魔術



ロギー・オーニス Level=74

年齢=35才 状態=溺愛(永続化)

職業=兼業農家 称号=騎士

ギフト=「空気の階段」高低差無効、跳躍、登攀

スキル=跳躍力向上(大)

    剣術特化

    槍術特化(大)

    防御力増加(大)

    弓術特化

    調理(中)

    直観力(小)

魔法=?

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