藍野創也は気づいてた
遅々としておりますよね…
申し訳ございませーーん!!!<(_ _)>〈 ゴン!〕
しまった。
春人と明良から、思わぬ情報がはいって、つい独り言を言ってしまった。
まさか休んでいるなんて。
昨日のことを思い出す。
いつもどおり中庭で一人の時間を楽しんでいたら、何やら騒々しくて音のする方へいった。
木の上からガサガサと音がして、上を向いた時、それは落ちてきた。
小さな悲鳴、頭をかばうように丸まった体。
咄嗟に受止めた。
ふわりと鼻を掠めたのはつい最近嗅いだ覚えのある甘い花の香り。
最近とゆうか、今朝。
長い黒髪、小さな体、この香り…この子は…
「…ふっ」
そのあとのことを思い出して少し笑ってしまった。
顔を見るまでもなく、彼女があの子と同じ人物であろうことは察せれた。
しかし、僕を見上げた顔があまりにも…あの子のものに思えなくて、気づかぬふりをした。
あの慌てようにはほんとに驚いた。
そして、楽しかった。
笑いを堪えるのに苦労した。
声も、高さは違えどとてもよく似ていた。
今朝、叫んで去っていった時の声なんて、慌てた声とそっくりだ。
ここまで接近しなければ、気づけなかっただろうが、ここまで近づけば、ハッキリわかる。
それにしても…協力者の振りをするなんて、狡猾なものだ。
「…はぁ」
そして、そのあとのことを思い出す。
おもしろくて、つい問い詰めようとしたら、彼女は急に様子がおかしくなった。
彼女の目は、僕を見ていなかった。
何かに、酷く怯えていた。
小さく震えだし、焦点のない目が潤み、くシャリと顔を歪ませていた。
ついにポロポロと涙を流しだし、思考の海に溺れていってしまいそうな彼女をみて、慌ててその顔を上げさせた。
焦点のあった大きく潤んだ目が僕を見つめた。
落ち着いていく彼女をみて、申し訳ないことをしたと思った。
予想外の事態ではあったが、僕の行動が原因だ。
しかし何が原因か分からなくて、聞こうとした時、彼女が急に立ち上がって、彼女の体から手を離していた僕はバランスを崩した。
立ち上がった彼女は、目線をさ迷わせながら、真っ赤になっていた。
あんまりにも赤くて、僕はぽかんと見つめることしか出来なかった。
忘れてくれ、と、彼女は叫んで逃げてしまった。
今日、どこかのタイミングで、彼女との接触を測ろうと思っていたのに…休んでいたとは。
やはり、昨日のあれが、原因なのだろうか。
わからないことだらけだ。
「…あのまま逃がす気はありませんが。」
「え…、ふ、副会長、どうしたんですか?」
「緑川くん…いえ、なんでもないですよ。」
しまった。
また、独り言をしてしまったみたいだ。
周りをちらりと見たら、まるでお化けでも見るような顔で見られていた。
「な、なんですか。」
「いや、お前、さっきから笑ったりため息ついたり、様子が変だぞ…?さっきも何か独り言いってただろ…」
「聞こえたんですか?」
「いや、内容までは聞こえなかったが…」
「ならいいです。気にしないでください。」
良かった。
彼女のことを、誰かに話す気にはならないから。
ありがとうございました!
創也くん、こんなキャラの予定だったかしら…?
まあ、こーゆー運命だったんでしょう!
どこまでも沙夜ちゃんに意地悪な作者です。
ブックマーク、評価、ありがとうございます!
感想、ご意見、励みになります!
なかなか定期的にあげる事が出来ず申し訳ないです。
必ず少しずつは書き上げていきますので、これからもよろしくお願いします!




