友達
キーンコーンカーンコーン
ふぅ、やってきました、昼休み!
本当に待ち遠しかったよー!
なんか授業の時、藍野先生が異常なくらい話しかけてくるし!
私はほどほどなフリをしているだけで、頭いいから教えてくれなくっても全然かまわないのに!
目立ちたくないっていう話してなかったっけ。
あとでLINEしておこう。
...と、心の中で騒ぐだけの愚痴はこのぐらいにしよう。
さぁて、桜ちゃんも席でなんかそわそわしてるし、そのうち来るだろうから、私もお弁当たーべよっと。
今日は自分で作ったけど、なかなかうまくできたと思うんだよね。
いっただっきま-
「沙夜!一緒にお昼食べよう!」
「うぐっ」
ななな、何?!
って、あの子は...
「琉理ちゃん、どうしたの?」
大きな声で私を呼んだのは琉理ちゃんでした。
だから私は目立ちたくないのに!
「だーかーら、一緒にお昼食べよう?あたしも今日お弁当だからさ。」
「あ、あぁ。なるほど。」
ここで断ったら...また泣くかな?
「うん、いいよ。」
泣かれるよりは、良いでしょう!
そうゆうことにしておこう!
めっちゃ視線感じるけど、すっごくザワザワしてるけど!
「琉理ちゃん、そこに座ってよ。」
「うん!」
とりあえず琉理ちゃんには前に座ってもらって、桜ちゃんが隠れないようにしてもらった。
「じゃ、食べよっか。」
「そうね!食べよう!」
琉理ちゃんテンションたっかいなー。
本当に嬉しそう。
今まで一緒にご飯を食べる友達もいなかったんだろうな...。
「琉理ちゃん、卵焼きいる?」
「え、良いの?いる、食べたい!」
顔を輝かせて宝物でもさわるように卵焼きをとる琉理ちゃん。
うぅ、このくらいならいつでもしてあげるよ...!
「っおいしい!すっごくおいしい!」
「そう?ありがとう、私が作ったの。」
「えー!すごい!沙夜は料理が上手なんだね!」
「そんなことないよ。」
「ねぇ沙夜、あたしが作ったんじゃないんだけど、これ食べる?」
「肉団子?うん、もらうね。...おいしーい!」
「よかったー、次はあたしも作ってみようかな?」
「良いんじゃない?」
...あれっ?
普通に楽しい。
よくよく考えてみたら、私もずっと友達いなかったし、誰かと一緒にお昼とか、すごく久しぶりだ。
あ、なんかすっごく嬉しい。
「琉理ちゃん、ありがとう。」
「ん?沙夜なんか言った?」
「ううん、なんでもないよ。ただ、楽しいなって思って。」
「あたしも、楽しい!」
二人で笑いあっていたら、いつの間にか誰かが近づいてきていた。
「ねぇ、あんたたちなんなの?」
この子は...あ、そうだ!
よく私の陰口とかいってる子だ!ようはいじめっ子の子だ!
「何って、あたしと沙夜は友達だけど?」
琉理ちゃんからなにやら剣呑な空気が...!
「はぁ?地味子とあんたが?そんな-」
バァン!
琉理ちゃんが急に机をたたいて立ち上がった。
びびったー。
「地味子って何?」
「は?」
「地味子ってどうゆうことなのかって聞いてんの!」
る、琉理ちゃん?!
「な、そんなの、そいつのことに決まってんじゃん!」
「そいつってもしかして、沙夜のこと?」
「当たり前でしょ!」
うひゃぁー!
待って、琉理ちゃん待ってー!
「沙夜は地味子じゃない!ちょーかっこよくて、ちょーかわいいいい子なんだから!」
イーヤー!
止めてー!
恥ずかしいし、目立ちたくないんだから!
「何それ、地味子は地味子じゃん!」
あーもー!
こうゆうときこそ主人公の桜ちゃんが琉理ちゃんを助けてとかだよね?
バッと桜ちゃんを見る。
って、えーー!
なんかめっちゃ苦しそうな顔してるんだけど?!
そしてチラチラと私を見ている。なんで?
...はっ!もしかして、私のことを桜ちゃんが助けようとしてくれていた時に、あなたに守られたくない的なこといっちゃったから、気にしてるの?!
うわーん!
またやらかしてんじゃん、私!
こうなったら仕方ない!
「琉理ちゃん!」
「沙夜?」
止めよう、私の責任なとこあるし。
「私はいいから、ね。目立つの好きじゃないし。」
「沙夜が、そういうなら...」
琉理ちゃんはこれでよしっと。
あーとーはー
「ねぇ、あなた。自分のしてることがとってもかっこわるいってわかってる?こんなことしても、あなたの品を落とすだけだし、私のことが嫌いなら、近づかなかったらいいじゃない。もうほっておいて」
「...っ」
「あぁ、あと、琉理ちゃんはとってもかわいくていい子な素敵な子なんだ。私の大切な友達なの。ね?」
最後は琉理ちゃんを見つめて言う。
「うん!沙夜、ありがとう!大好き!」
「私も」
教室にいるみんなが呆気にとられているのがよくわかるよ。
でも、もともと嫌われてるし、琉理ちゃんのが大切だもんね。
パチパチパチ
なぜか拍手が聞こえた。
誰かが近づいてきているみたいだ。
気になって音のする方を見て、ぎょっとした。
「いや~、君かっこいいね?びっくりしたよ。」
そこにいたのは白川先輩と、生徒会の皆様だった。
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