地味子さん、生徒会に出会う
「いや~、君かっこいいね?びっくりしたよ。」
し、白川先輩...。
やっばー。
生徒会のこと忘れてたよー!
てゆうか、タイミング最悪すぎない?
神様!私何か悪い子としましたか?
あ、尾行は悪いことでした。
でもやめる気ないからねっ!
「白川先輩!来てたんですか、全然気づきませんでした。」
「桜ちゃん、あの子に夢中だったもんね。」
「そんなの、誰でも気になるでしょう?」
「まぁねー。」
目の前で軽口をたたき合わないでいただきたい。
そして琉理ちゃん、何故私を抱きしめながら白川先輩を睨んでいるのかな?
なにやら不穏な空気を感じるんですけど。
「それよりも、君。」
「あ、はい。なんですか?」
「見た目にあわず、いい性格してるね。」
「ありがとうございます。」
「おもしろいなー、名前教えてよ?」
「い-」
「ダメです。」
反射的に嫌ですと言おうとした私よりも早く琉理ちゃんがしゃべった。
すごいな。
「君は...紅野琉理ちゃんだっけ?かわいいって有名だよね。」
「何で名前知ってるんですか、気持ち悪い。話しかけないでください。」
「気持ち悪いって...。いや、琉理ちゃんじゃなくて、後ろの子と話したいんだけど...。」
「沙夜に近づかないで下さい、変態。」
「さっきからひどくないっ?!俺一応先輩なんだけど!」
琉理ちゃん、あなた一応生徒会を取り合って敵対するライバルキャラのはずなんだけど。
なんで白川先輩と敵対しちゃうの?
なんだか私を守ろうとしてるっぽいし、私のせい...なのかな?
「琉理ちゃん、大丈夫だから、落ち着いて。」
「沙夜、本当に?無理してない?」
「大丈夫だよ。いったい何を無理するって言うの?」
「あのね、男はみんな狼なんだよ。かわいいねーなんて言ってよってくる、変態ばっかなんだよ。外見ばっか見て、あたしの心なんて気にしてくれなかった...。」
「琉理ちゃん...。」
「沙夜はあたしが守るから!きれいなままでいて!」
そういえば、ゲームの時も男なんてみたいな感じだったなー。
ゲームよりたくましい気がするけど。
それよりも、さっきの言葉は聞き捨てならないぞ。
私がきれいだなんて、ないない。
本当の私は尾行とかしちゃう奴だもん。
そんな私をこんなにもキラキラした目で見つめてくれる琉理ちゃんの方が、ずっとずーっときれいでかわいいよ!
「琉理ちゃん、わかってるから大丈夫だって。それにね?私だって琉理ちゃんのこと守りたいんだよ。私だって、琉理ちゃんに、今のままきれいでいてほしいんだよ。」
「沙夜...!」
「琉理ちゃん...!」
嬉しそうに抱きついてくる琉理ちゃんを受け止める。
友達っていいなー。
「あのー、お二人さん?二人の世界にはいってるとこ悪いんだけど、ここまでほっとかれると悲しいなー。」
あ、忘れてた。
「すいません、忘れてました。琉理ちゃん、離れて-」
ギュー
「くれそうにないね。申し訳ありませんが、このままで失礼します。」
「あ、うん。」
ちょっと苦しい。
「それで、なんですか?」
「えっと、桜ちゃんに会いに来たら、なんかおもしろそうなことになってるなーって思って見てたらさ、一見おとなしそうな子がかっこいいこと言うから、ちょっと気になったんだよね。」
「そうですか。」
「うん。」
「...」
「......」
話は終わりかな?
それならさっさと桜ちゃんの方に行って楽しい楽しいイベントを繰り広げてほしい。
こっちはばれやしないかとドキドキしてるんだから。
「あの、早く桃井さんの方に行かれたらどうでしょうか。」
「桃井?あぁ、桜ちゃんか。いや、俺さっきから君の名前を聞いてたと思うんだけど。」
そういえばそうだった。
うーん、どうしようかな。
適当なこと言っとくかな。
「山田花子です。」
「絶対嘘だよね?!君さっきから沙夜って呼ばれてるじゃん!」
わかってるなら聞かないでよ。
「じゃあ何で聞いたんですか。」
「一応本人からなんて呼ぶか聞いた方が良いじゃん。」
何でも良いんだけど。
「特に名前を呼ぶ機会もないと思うので、結構です。」
「えー!それじゃあさ、みんなにはなんて呼ばれてるの?俺もそう呼ぶから。」
「地味子さんと呼ばれてます。」
「ちょっと待って、さっきのなし。沙夜ちゃんって呼ぶ。」
「お好きにどうぞ。それよりも、いつまで女の子を待たせるつもりですか?早く桃井さんの方に行ってください。」
こんな地味な子は方っておいて、早くヒロインといちゃついてよ!
「そうだね。じゃあまたねー、沙夜ちゃん。」
「さよなら。」
または嫌だ!
もうこんな心臓に悪いことは起こらないでほしい。
「琉理ちゃん、そろそろ離して。ちょっと苦しい。」
「わかった。ごめん、痛かった?」
「ううん、平気。」
ふー、やっと元どうりだよ。
しんどかった。
これからはもっと気をつけないとなー。
さーて、観察しよう。
「琉理ちゃん、前に私が言ったこと覚えてる?」
ひそひそ声で話しかける。
「え?あの美月の事情?」
「うん。それに関係することで今からする事あるから、静かにしててくれる?」
「うん、いいよ。」
よし、これで集中できる。
桜ちゃんはどうしてるかなー。
「白川先輩!あんまり変なことしないでください!」
「ごめんごめん。」
「皆さんも止めてくださいよ、昨日言ってたじゃないですか。」
「いやー、俺たちも少し気になってよ。」
「今時珍しいタイプの人でしたからね。」
もうその話はやめようよ。
「それで、桜ちゃん。あの子の目星はついてるの?オレとかはほとんど知らないからね。」
「ボクも食堂の時に少し見ただけなので。」
ん?
目星?
「それなんだけど、声で捜すって結構難しくて...。」
あー!声かー!
良かった。
地味子の時声を変えてて。
私ってちょっと高めの声をしてるんだよね。
地味子の時は耳に残りにくい低め意識してるんだけど、桜ちゃん同じクラスだし、聞き覚えがあってもおかしくないもんな。
気をつけよー。
「すいません、緑川先輩。」
「気にしないでいいよー。」
そうそう、そのまま私のことも気にしないでいいよー。
「うーん、思ったよりも見つけるの難しいねー。」
なんか嫌な予感が...。
白川先輩がこっちを見てる?
「そうだ!桜ちゃん、他の人にも手伝ってもらわない?」
「え?誰に?」
「さっき知り合った子。ねぇ、沙ー夜ちゃん、ちょっといいかなー?」
予感的中最悪だ!
「なんですか。」
「手伝ってほしいことがあるんだよね。」
「話聞こえてましたけど、誰か捜してるんですか?」
手伝うとかやだよ!
私が私を捜すって変じゃん!
...いや、待てよ。
そうだ!
「うん、そうなんだよね。」
「良いですよ。」
「え?」
「手伝っても良いですよ。」
「本当?!」
「ただし、条件があります。」
ここからが大切だ。
「私は目立つのが好きじゃありません。なので、捜している人の情報だけ教えてください。あとは勝手に捜しておきます。もちろん、それらしき人を見つけたら連絡しますので。」
嘘だけど!
「お、おう。連絡はどうやって?」
「何でもいいですよ。LINEでも、メールでも。」
「じゃあ、LINE交換しよっか!」
「桃井さんとします。別にいいですよね?」
白川先輩とLINE交換とか、そんな命知らずなマネはしたくないよ。
今も視線を感じるんだから。
「...うん。」
「桃井さん、いいですか?」
「あ、大丈夫。ちょっと待ってね。」
よーし、いい感じ!
「......はい、これでいいかな。」
「はい。大丈夫です。それでは、また情報の方、連絡してください。」
「わかったよ。」
よっしゃー!
情報ゲットー!
これで確実に安全になったよ。
だって桜ちゃんたちが何を知ってて、何をもとに私を捜しているかわかるようになったんだもの!
「もういいですよね?そろそろ予鈴なりますよ。」
「あ、ほんとだ!やっば、早く戻ろうぜ!桜ちゃん、沙夜ちゃん、またねー。」
慌てて走っていく生徒会たち。
イチャラブなイベントは見れなかったけど、収穫はあったし、これからを楽しもう!
「琉理ちゃん、静かにしててくれてありがとう。おかげでいいものが手には入ったよ。琉理ちゃんもそろそろ帰りなよ。またね。」
「え、あ、うん。またね、沙夜。」
「うん。」
キーンコーンカーンコーン
予鈴がなった。
次は放課後かー。
桜ちゃんがどこに行くかで、シナリオがかわりはじめる。
しっかり見ないとね!
「沙夜って子、気になるな。」
ありがとうございました。
ブックマーク、評価、ありがとうございます。
これからも、よろしくお願いします。
誤字報告で気づいたのですが、確かにわかりにくいなと思ったので補足的な。
琉理ちゃんのセリフにある美月の事情ってゆうのは、沙夜が美月になってるあれのこと?みたいなのを端的に万が一誰かに聞かれても大丈夫なように言った感じです。
これじゃ沙夜と美月を言い間違えたみたいでしたね…( ̄▽ ̄;)
すいませんでしたー!!




