サンタクロースの贈り物
今年も三人で過ごす、クリスマスのはずだった
病室で見上げる天井は白すぎて、来年は家で迎えたい
少しキョロキョロして、隣のベッドを確認してしまう
なんだってこんな日に、私は一人なのか
娘と妻がインフルエンザにかかったらしい
隣からは、こちらを気遣って小さい声で「メリークリスマス」なんて聞こえてくる
ここ数カ月、病名も教えてもらえずベッドの上だ
嫌な予感しかしない
このままここを抜け出して今すぐ家に帰りたいのだけど
歩く元気すら抜けている
看護師さんが小さなケーキを持ってきてくれて
「メリークリスマス 早く良くなりましょう」と声を掛けてくれる
なんとか作り笑いを浮かべながら「よくなるのでしょうか?」
一瞬目を伏せた看護師さんが「大丈夫ですよ」と背を向けて去っていく
その背に向かって「ありがとう」と伝えると振り向かないまま会釈をしてそのまま去っていく
「あんまり良くないんだろうな」と呟き、ケーキを一口で食べる
「来年は絶対家で・・・」と思いながら、静かに眠りに着いた
深夜に鈴の音が聞こえた気がして目を覚ました
知らないじーさんがベッドの脇に立っている
一瞬驚いたが「どちら様で?」と聞けば
「遅くなって悪いな」と軽く謝られ「連れて行こう」と
じーさんに抱き抱えられた
何気に力持ちか?なんて思いながらも「何処に連れて行ってくれるんだ?」
いったいこのじーさんは誰だろう?その前にどこかに連れていかれるなら
娘から「まいにち会えないから、もってて」と言われた娘からの贈り物をとろうと枕元に置いてあった御人形をとろうとベッドを見ると
こんなにもヤツレてたのか俺・・・って俺がいる??
慌てて自分を見ると小さくなった俺が、じーさんに抱きかかえられていた
いったい何が起きているのかと思っていると
優しい声が頭上から聞こえて来た
「連れて行ってほしかったのだろう?」




