サンタクロース
今年も一人で過ごす、クリスマス
学校帰りに見るイルミネーションは眩しすぎて、下を向いて歩いていく
なんだってこんな日にまで部活があるのか
予定なんかある奴らは良い
何にもない奴は、ただ疲れて帰るだけだ
電車の中も、なんだか落ち着きがない
そんな賑やかさからもようやく抜け出し、誰もいない家にたどり着く
薄暗い部屋に灯りを付けて、取りあえずお風呂のボタンを押す
その間に、今日の夕飯の準備をしなければ
ご飯とお味噌汁、あとは・・・卵焼きでいいか
毎年この日は、家族は居ない
みなさんパーティーやらデートやらで忙しいらしい
誕生日に祝ってもらったことも無いから”クリスマス”だからどうした?って感じなのだが
それでも私はサンタクロースを信じている
いつかきっとプレゼントを貰えると信じているんだ
お風呂に入り、夕飯を食べ
毎年恒例になりつつある1冊を手に、ベットに寝転ぶ
「クリスマス・キャロル」
初めて読んだときは、涙を流してしまったが
数回読めば、まるで我が家の家族のような人物が後悔するなんて信じられないと思いつつ
「あぁ、我が家は仏教徒だしな・・・」なんて思ってしまう
それでも1冊読み終えて、靴下をひっくり返して枕元に置いておく
プレゼントなんかいらないよって意味だ
私が望むプレゼントは死への旅路だ
幸運なことに、生にはまったく未練がない
輪廻転生を信じているから、早く旅立ちたいのだ
人間じゃなくっていい
虫でも、草でもなんだっていいんだ
私が動かなくなったら、彼ら彼女らはどういった反応をするのだろうか?
もしかしたら・・・なんて思ってしまうのが、まだ私が子供だからなのだろう
きっと「あ、死んでる」で終わるんだろうと予測できちゃうのが馬鹿々々しいのだけど
だから、「今年こそは」と思ってしまう
そんな事を考えているうちに睡魔がやってくるのだ
そうして、うつらうつらしていれば
遠くから、鈴の音が聞こえてきた気がする
私はここにいるよ
私はここに・・・
お願い・・・




