テラス
テラスに出た。
「エンッオ君は人が怖いの?」
エンッオ君は頷いた。
「私は大丈夫なの?」
エンッオ君は頷いた。
「なぜ私は大丈夫なの?さっきの令嬢も言ってたけど、私、平凡だよ。人混みならすぐ埋没しちゃうくらいだよ。」
エンッオ君は少しおどおどしながら
「クレアナさんは、他の人みたいにわ〜ってこないし、ギラギラした目でいっぱい話さないし、おかしとってくれたし、やさしかたったから。それに・・・。」
「それに?」
「それに、クレアナさんの色が僕の目と同じだし、近くにいるとなんだかあんしんするの。」
うーん、モブだから無害そうで落ち着くのかしら?
目と色が一緒って、同じ目の色だからかしら?
「琥珀色の瞳で、おそろいだから落ち着くのかしら?」
エンッオ君は、不安そうにもじもじしながら、私をしばらく見て
「あのね、僕、お母様に、おかおをみせてはいけません。って、いわれていてね。めをかくしてるの。」
私は頷いた。
「おかおを、見せたらコワイことあるかもしれないから、絶対誰にもみせてはいけません。って、でもクレアナさんは大丈夫?かもって僕思うから。」
エンッオ君は私の手を引いてテラスの端っこのに連れて行った。
端っこの柱の影まできたら、しゃがんで小声で
「僕のこと嫌いにならないでね。」
そう言いながら前髪をそっとあげた。
(はぅΣ( //ω// )。な、な、なにこの美少年、涼やかな目鼻筋、言葉に出来ないくらいだわ。魔性や魅惑、傾国の美貌って言葉すら足らないくらいだわ。うん、彼の母の判断は正しいわ。瞳が、オッドアイなのね。私の髪の色と瞳色なのね。美しすぎて、逆に次元が違うから冷静になるわ。)
「私の髪と瞳色が、貴方の瞳とおそろいなのね。」
私は、彼の瞳を見つつにっこりと、普通に答えた。
「そうなの。だから、うれしくて近くにいたの。それに、僕のお顔見た後でも、僕のお顔見て、ふつうに話してくれたの家族いがいで、クレアナちゃんが初めてで、僕とってもうれしい。他の人は目がギラギラしたり、お鼻の息が大きくなってなんだか怖くなったり。あとは僕のことを見たらどっかいっちうかして、ちゃんとお話してくれないの。」
あー、美少年すぎる弊害ね。
「うん。お顔は隠したほうが安全ね。」
「僕のお顔そんなに変なの。」
エンッオ君は潤んだ顔で私を見て言った。
「変じゃないよ。とっても素敵だよ。ただ素敵だから悪い事をしようとする人にねらわれたり、怖いことされないようにするにはお顔隠したほうが安全だから。」
「エンッオ君も、お鼻の息が大きい人や目がギラギラした人が、となりにずっといたら怖いくて、イヤだと思うよね。」
「イヤだよ。」
「たがらお顔見せたらダメだよ。」
「わかった。家族とクレアナちゃん以外には見せないよ。」
なぜ、私もそこに入れた。
「私はいいの?」
「なんでダメなの?クレアナちゃんは僕見てもふつうだったし、僕もっとなかよくしたいし。」
またも潤んだ瞳で見てきた。
「わかったわ。エンッオ君とはお友達ね。」
泣きそうな子には勝てないわよ。
ただ、この判断が少し後に、大問題となってやってくるのを私は知らなかった( ̄▽ ̄;)。
ガチャ
隣の部屋のテラスのドアが開いた。