第21話 百発百中のアニー 1
第21話 百発百中のアニー 1
「マスター、アニーが相手とは、ちょっとやり過ぎでは?」と言ったのは、毒堀出井だった。
ギルドマスターは、しばらく時間を置いて、
「これぐらいの事で、折れてしまうぐらいなら、Cランクハンターとしては、やっては行けまい」と返すのだったが、毒堀は、
「奴はDランクを受験しているのでは?」と疑問を呈した。
それには、マスターは、ニヤリとしただけで、これと言った答えは言わなかった。
「参ったな」
これは、蒼井の正直な感想だった。木剣は、今の攻撃で見事に砕け、地面で燃えている。
木剣でなく、ロングソードなら燃えなかっただろうに……と思うと、このルールは、不公平なのではないか?
魔法使いが有利な条件なのでは?と蒼井は思った。
今の蒼井の使える武器は、投擲にでも使えるかと思いナイフ型の木の模型が6本だ。
ナイフ型では、ファイヤーボールは受けれない。こちらに、大きなダメージを食らう。
一気に間合いを詰め、近接戦闘に持ち込みたいが、アニーとの間に障害物はない。
間合いを詰めるのは無理だ!
アニーは無理に間合いを詰めたりはしないだろう。離れているのが安全だからだ。
しかし、それではアニーも勝てないのだ。
互いに次の一手を模索していた。
そして、先に仕掛けたのはアニーだった。
蒼井の隠れている障害物を回るように歩きだした。
「ふん、百発百中のファイヤーシューターの威力は、どう? 思い知ったか!?」
「百発百中とは、百発ファイヤーボールを打てるようになってから言うんだな」
「な、なんですって!」
さらに、アニーは続けた。
「自分の状況を分かって、言ってんの?」
見た目は蒼井が逃げ隠れている様に見えるが、蒼井自身は、そう悪くない状況と判断していた。
まず、あのファイヤーボールがアニーの意思でコントロール出来るのであれば、障害物など何とでも出来るだろう。障害物の後ろへファイヤーボールを動かせれば、今頃、やられていたはずだ。
また、障害物を超えて、頭の上から攻撃が出来るのであらば、これも、やられているはずだ。
木剣を失った蒼井には、ファイヤーボールは防ぎようが無い。
それらをしないという事は、このファイヤーシューターとは、目視した相手を自動追尾してくる魔法だ。
そのロックオンシステムはなんだ?
現在の状況は、障害物の後ろに隠れる蒼井。
蒼井から見て、左に捨てた木剣が燃え、障害物を挟んでアニーがいる。
そのアニーは蒼井から見て、右へと歩きだした。静かに、そっと歩き出した。
しかし、蒼井に気付かれないほど、静かでは無く。ある程度は近付いているのは、蒼井には、わかっていたが、顔を出し距離を確認するのは、策が無さ過ぎる。
障害物の上にでも登るべきか?
しかし、気付かれると、目視されファイヤーシューターの餌食だ。
両手にナイフ型を持ち、投擲出来るチャンスを待つことにする蒼井であった。
読んで頂き、ありがとうございます。
体調不良です(泣)




