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時には強引に
「おはよ……」
ぽてぽてと普段より可愛らしい様子でリビングまで来たのは、
「エディー、お早う」
銀髪の少年だった。
「パン? それともご飯?」
にっこり笑いながら聞く。いつもは寝起きの、気だるそうで、ちょっと色っぽい声で答えるのに、今日はそれもない。どうしたのかと思って振り向くと、エディスが机に寄りかかって寝ていた。
「エディー、眠たいの?」
肩を揺らしてみても反応がない。
「……エディー?」
試しに額に触れてみると、一瞬火傷をするかと思う程に熱かった。
「休ませなくちゃ」
ひどく華奢な体を横に抱き、部屋まで運んでいく。
「最近、根詰めてたもんね……」
さっと氷水に浸した布を持って来、絞って額に滲んだ汗玉を拭う。
「ん……」
しばらくして、エディスが起きた。
「仕事っ!」
いきなりがばりと起き上がろうとするエディスを抱く。
「今日はもう休みを出しておきました」
「なっ! なんで勝手にんな事すんだよ!」
「風邪で、休んで治さないといけないから」
「俺は大丈夫だ!」
腕の中でもがくエディスを体格差を利用して押さえつける。
「家で寝てなくちゃダメでしょ!」