9.とあるあたしの元の世界
__パチ!
『あら?ここは…?美優ちゃんの家…?』
__ガチャ!
「あっ、チョコ起きたのね?ごめんね〜昨日は夜遅くまでお仕事に付き合わせちゃって、眠かったわよね?」
あたしは思わず自分の体を見ると、右隣にくーすけやこたろうはいなくていつものあたしの体だった。あの体が汚れても綺麗に出来ないあれや、ぐちゃぐちゃした気持ち悪い生き物の残骸を食べる様子を見たあれも全部夢だったのね!
『美優ちゃんの言う通り夜遅くの撮影で疲れてしまって寝ちゃった結果の悪夢だったのね!良かったわぁ〜!』
あたしはいつも通り美優ちゃんがあたしの為に選んでくれた健康に良いドッグフードを食べて、いつも通りに美優ちゃんのお仕事について行ってあたしもペットモデルとしてのお仕事をしたり、動物番組の撮影を美優ちゃんや他のあたしのようなペットを連れたの人間さん達と一緒にしたりと、今日も忙しい生活。
『次はこの服が良いですわ』
「ふふふ、この服が良いの?じゃあ次の撮影までの移動中に着替えようね」
流石あたしの飼い主にしてファッションモデルなだけあって、美優ちゃんがあたし用に用意してある服は全部あたしに似合う物で、後はあたしの気分次第で選べるようにしてくれているから、あたしが鼻先で『これ!』と選ぶだけで美優ちゃんが着せてくれる。
『ふふん!似合うかしら?』
「やっぱり私の目に狂いは無かったわね!似合ってるわよチョコ!」
すると次の撮影が同じらしいこの業界でよく見るお仕事仲間の人間さんと、その飼い犬のダックスフントのマロン君が来た。
「おぉ〜今日も美優ちゃんところのチョコちゃんキマってんね〜!」
『こんにちは、チョコちゃん!今日も可愛いね〜!』
「あっ、矢上先輩にマロン君こんにちは、今日の撮影よろしくお願いします」
『あらこんにちはマロン君、直樹さん今日はよろしくお願いしますわ』
「お2人さ〜んそろそろ撮影だからスタンバイして〜」
スタッフの人があたし達を呼びに来てあたし達はスタンバイして撮影が開始されたのだった。
「「「お疲れ様で〜す」」」
「ほらチョコ、次のお仕事とお昼済ませましょう」
『皆さんお疲れ様です。それではあたしはお先に失礼いたしますわ』
『『『チョコちゃんお疲れ様〜!』』』
撮影が終わりお昼ご飯を次の撮影場所への移動の為のワゴンで済ませ、移動先までまだかかるからとあたしは美優ちゃんにブラッシングしてもらった。
『そうそうこれよこれ!やっぱりブラッシングしてもらって優雅に過ごすのがあたしには合っているわ!
おかしな世界でくーすけやこたろうとくっついたまま、あちこちで汚れるのはやっぱり夢だったのよ!』
「ふふふ、まだ少し時間があるからお昼寝してていいわよ?今日もハードスケジュールだから今のうちに休みなさい」
あたしは美優ちゃんの言葉に甘えて次の場所について起こしてもらうまでお昼寝することにしたのだった。