第5話「ご馳走」
俺はバルキム児童養護施設の別室へと通された。。
真昼間だったので、、数十人の子供たちとすれ違った。。
みんな顔色が良く、、俺みたいにガリガリじゃない。。
しっかりと食事はとれているのかもしれない。。
別室にはたくさんの食事が並べられていた。。
見たことがないけど、、美味しそうだった。。
「これ、、俺、、食べていいのか??」
「食べる前に、、わしの話を聞いてくれ!! 重要な話だ!!」
「ああ!! なんでも聞く!! 腹減って死にそうなんだ!! 毎日、、雑草しか食べてないんだからな!!」
「今、、ちょうど世界王が現れる時期だ。1000年に1度のな。。朝日太陽!! お前は世界王になるかもしれない世界王候補3人の中の1人だ。。世界王とは、、世界平和を『ある程度』実現させた者のことを言う。。ある程度とは……」
そこから、、チシュウの説明が始まった。。
チシュウによると、、
・俺は1000年に1度の世界王になる候補3人の中の1人だということ。。
・世界王とは『世界平和』を『ある程度』実現させたもののことをいう。
・ある程度の世界平和=全世界の『戦争』と『飢饉による餓死』の2つを全世界から85%以上無くすこと。。
だという。。
「そんな……できるわけねえだろ!! そんな難しいことを、、簡単に実現できるわけがねえ」
「確かに、、お前ひとりだったら何しても不可能だろう。だが、、我々、世界王実現委員会がいる。だから、、可能なのだ!!」
「それより、、腹減った。。もう限界だ!! 食べていいか??」
「お前が世界王の任務を引き受けてくれたらな!!」
「とにかく、、メシが美味しかったら考えてもいいぜ!!」
「では、、食べろ。。好きなだけ食べていいぞ」
俺は、、「モッツァレラチーズハンバーグ」とか「サーモンホタテエビウニイクラの海鮮丼」と書いてあるものを食べ始めた。
一口入れた瞬間、、あまりの美味しさに、、俺は目頭が熱くなった。。
「ううう、、うううう」
気づいたら食べながら泣いていた。。
美味しいものが食べられることがこんなに有難いことだなんて、、幸せなんだって!!
俺は過呼吸になりそうになるくらい泣きながら食べていた。
「ゲホッ!! ゲホッゲホッ!!」
少しむせて、、咳をした。
「そんなに美味しいか??」
「腹いっぱい食べてきたあんたたちには、、俺の気持ちなんてわかるわけないよな……」
「世界王の任務、、引き受けてくれるか??」
チシュウが俺に聞く。
「ああ、、父さんと母さんにも食わせてやりたかったよ!!」
「お前が世界王を目指している間は、、お前はもちろん、、お前の両親にも同じ美味しいものをいくらでも食べさせてやるし、、豊かな暮らしができるようにサポートできるぞ??」
俺はそれを聞いて、、箸を止めた。。
涙を拭いて、、元気よくこう返事した。。
「旨いものが好きなだけ腹いっぱい食べられるなら、、いくらでも頑張れるぞ!!」
あまりのご馳走の美味しさに生きていてよかったと想いが爆発して、、
俺はこれから待ち受ける困難を知らずに、、気軽に返事してしまったのだった。。




