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第1話「生まれたくなかった」


 俺はある部屋の一室で、、練炭を用意していた。。


 両親には悪いが、、生まれたくなかった。


 俺はこの世から消えたい。。



 なぜなら、、俺の家は超がつくほどの貧乏だからだ。


 アボココ王国のモウリッシュ州のタタ村という最も貧しい地域で


 日々の食事すら満足に食べられずに、、今日だって雑草をとって食べた。。


 美味しいものが食べられない。。


 今まで、、美味しい食事を食べたことがない。。



 両親は定職についておらずに乞食をして暮らしている。。


 俺も、、これから一生、、貧乏なんだって思ったら、、もう死にたいと考えるようになった。


 運が悪かったのだ。


 人生はすべて運だと断言できる。


 遺伝子と環境ですべてが決まり、、自分では選べない。。


 何を努力しようと思うのかも、努力できるかどうかも、努力がうまくいくかどうかも、、すべて


 遺伝子と環境で定まる。。


 遺伝子と環境は自分では選べない。


 こんな「人生」という100%運ゲーを生んだ神様がいたなら拷問して殺してやりたいとさえ思う。。



 1000年に一度、、世界王という世界平和を実現する救世主が現れてきたらしい。。


 過去、、2人の世界王が現れた。


 そして、、世界をある程度平和にした。


 これから自殺をしようと思う上で心残りなのが、、ちょうど俺が生きている時代は世界王が現れる


 1000年に一度の時期だということで、、世界王をこの目で見てみたかったというのがある。。



 さあ、、死のう。。

 

 練炭の火をつけた。。



 密室にして、、水は用意してない。。


 あとは、、死ぬだけだ。。


 やっと自分という狭い牢獄から解放される。。


 苦しみからの解放。。




 気を紛らわせるために、、テレビをつけていた。


 テレビをつけていると、、少しだけこれから死ぬんだという恐怖が和らぐ。。



 そこには、、「世界的スーパースター」の好田大血が、、また音楽ライブをするというニュースが流れていた。



 彼は凄いな。。


 史上最高のシンガーソングライターで全世界29億枚のセールスを記録しているし、、


 史上最高のフットボーラーであり、、世界最優秀選手賞を9年連続で受賞しているし、、


 史上最高の俳優でもあり、、世界で最も権威のある映画賞「ベストムービー賞」で主演男優賞を7回も受賞しているし、、


 史上最高クラスの平和活動家であり、、世界で最も有名な賞である「ノベル賞」の「平和賞」を3回も受賞していて、、


 世界最高峰の大学である「アルティメット・バード大学」を史上最年少の10歳で首席卒業した。



 3年前から創設された「世界最優秀人類賞」を3連覇し、、世界最大のスターとしてその名を轟かせている。



 凄すぎる。


 きっと、、彼に悩みなんてなくて、、幸せで仕方ないのだろうな。。


 なぜ、、こんなチート人間が生まれたのか、、全然わからない。


 神様は不公平だよな。。


 こういう超勝ち組を見ていると、、いかに自分の人生がクソかを思い知らされる。。




 「ゲホッ!!」



 煙が充満してきた。。



 「さあ、、あともう少しで糞みたいな人生を終えることができる」



 だんだん意識がボーッとしてきた。



 俺が死んだら、、父と母は泣くだろうな。。


 大声で泣き叫ぶだろうな。。



 でも、、俺を生んだのだから、、泣き叫んで後悔してほしい。。


 人生という苦行を強いたのは生んだ両親なのだから。。



 俺だって選べるなら生まれたくなかった。。



 こんな苦しい腐った世の中に生まれたくなかった。


 テレビでスマイルを作っている、、幸せな好田大血に生まれたかった。。


 こいつが憎い。。



 生まれたことを喜べない。。


 人生は思い通りにしかならないという言葉を聞いたことがあるが、、本当にむかつく。。


 俺が自殺すれば、、「そんなに苦しかったんだね」と同情されると思う。


 本当に生きるということは苦しい。。



 俺は、、朦朧とする中で意識を失った。。





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