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始まり-ファジー
薄暗い洞窟。湿った穴の底、小さく透明な体は風にさらわれ安全な穴蔵を離れていく。
流れついたその先は小さく硬い爪?
柔らかな羽毛がそっと撫でる。ふわりと体が持ち上がり、安全な暗がりへと移される。
数日? 数ヶ月? 時間の基準は大災害に奪われてしまって曖昧だが、小さなその子はそんなことは知る由もない。ただそれでも、今日までの短く長い時間の中で、透明だった体は柔らかな紫色に色づき、ところどころに黒い斑点がみえる。
小鳥はこの模様が正常か判断するすべを持たない。何も知らずに生まれ生きるこの子を自分の傍にと引き寄せた。
体が大きくなるのはきっといい事だろうと、分からないなりに考えて、見守っている。
ふと、小さく細長い触手が赤色の羽毛をそっと掴んだ。




