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Page0:プロローグ


これは作者の初めての作品です。

御見苦しいところが多々あるとは思いますが目を通してやって下さい。

何を言っているか分からないと思うが聞いてくれ。

唐突ではあるが、俺は、森の中にいた。






自己紹介から始めようか。俺の名前は浅木 勇輝、今年で17歳。

身長はまあ平均くらい、黒髪黒眼で、体格も、学校の成績も、運動も、(言いたくは無いが顔も)良くも悪くも無い平凡な高校生、だった。

両親と姉と俺の、これもまあ普通の家庭で、別に小説とかでよくあるような幼い頃に事故にあったとか、可愛い幼馴染がいるとか、そんなこともなかった。




俺は今日……と言っていいのか判らないが、いつも通り学校へ行き、

いつも通り授業を受け、いつも通りそこそこ仲の良い友人たちと話して、いつも通り一人で帰って来る筈であった。(帰り道が同じ奴がいないんだよ……)


だけど、そんな帰り道の途中、漫画やアニメであるような魔法陣?が突然目の前に現れて…

次に視界に飛び込んできたのは、今俺の眼前に広がる森だった。



「ここ、どこだよ?」


地面に座り込み、樹にもたれ掛かりながら言ってみる。

気持ちを落ち着かせる為というのもあるが、大部分は不安を払う為に発した。

当たり前だ。いきなりこんな森の中に独りにさせられて不安にならない人間はいない。

というか、不安なのはさっきからやけに犬の遠吠えの様な声が聞こえるからなんだが…



「さっきより近い気がするんだよなぁ……」



オォーーン、とこれで数えただけでも7回目の遠吠えらしき声。

少なくとも1回目や2回目とは比べる必要がないほど近くで聞こえる。


うむ、怖いな。

正直パニック寸前なんだが、どうにか騒ぎ立てるのは抑えている。

騒いだら死ぬような気がするんだよね。

Be cool,俺。 kool じゃないぜ?

それは雛見な沢の主人公の得意分野だ。間違っても俺ではない。




「ふぅ」


馬鹿なこと考えてたら少しは落ち着いたな…


まずは現状確認。


ここはどこ?   よくわからん森の中。

今何時?     携帯は午後8時だけどそこまで暗くない。恐らく午後5〜6時。

         森の中だから3〜4時ってことも考えられる。

持ち物は?    カバンが無くなっているから、言うとすれば財布と携帯。当然のように圏外だけど。

服装は?     学校の帰りだったから学ラン。少し汚れてる…

現状を打破出来るか?   お手上げ。助けが無い限りここで俺の人生は終わり。


……なんの解決にもなってないな。絶望感が増しただけ、溜息しか出ないっつーの。


「ここにいてもどうしようもないしな、移動してみるか」


言って、自分を奮い立たせる。そうでもしないと動けなかった。

立ち上がって辺りを見回す。

少し時間を状況確認に掛け過ぎたようで、さっきよりも暗くなっている。ものすごく不気味だ。

特に樹々の葉が揺れる音しかしないだなんて――!?



瞬間、左の茂みから何かが飛び出してきたのが横目で見えた。


「ああぁぁ!!!」


声を上げ、左腕を全力で振るう。

手刀と呼ばれる部分に鈍い衝撃と痛み、それを頭で理解するよりも先に俺は駆け出していた。


馬鹿か!俺は!?


遠吠えのことなどすっかり忘れていた。

全く動かない俺は、奴らにとって格好のエモノであったろう。聞こえていた遠吠えが威嚇とかならまだいいけど、仲間を呼ぶものだとしたら……


刹那、全身を貫くような悪寒。

地面に太く木の根が這っているのが見えるが気にしてはいられない。転がるように前へ跳ぶ。

そのまま鮮やかに前回り受身…とはいかず、思いっきり木の根に背中を打ちつけた。


くそ、学ラン泥だらけになっちまうじゃねえか。


酷く場違いなことを考えているとは思うが、気が動転しているんだろうさ。

前の方から音が聞こえる。どうやら追跡者は俺を跳び越えてしまったらしい。

咳き込みながら体を起こすと、茶色と灰色の毛が混ざった、大型犬より一回りほど大きな狼のような生き物がこちらを見ている。


二度も逃げられたのが悔しいのだろうか。目の前の追跡者、改め捕食者は低く唸り声を上げ、前足に体重をかけている。あの状態ならいつでも飛び掛ってこれる筈だ。

対する俺はまだ立ち上がることも出来ていない。それどころか足が震えてる。

さっき殴った左手が熱い。




怖い。

今まで平和に過ごしていた分、余計に。

明確な死が目の前にあるということが、恐ろしい。

泣きそうだ。むしろもう、ちょっと涙目である。


かさり、と後ろから何かを踏んだような音が聞こえる。

前を警戒しながら、恐る恐る視線だけそちらに向けようとする。

無理。

体も回さなければ見ることは出来ない。

そんなことが出来るならとっくに立って走り出している。

後ろを見ることは出来ないが、きっと目の前にいる奴の仲間であると予測し、こいつらに食い殺される未来を想像して、叫び声を上げようとした直後――



「少しだけ、目を閉じていて」


俺の頭に何かが乗る様な軽い感触と共に、優しげな声が掛けられた。

少女だ。

暗くてよく見えないが、声と背丈で大体そうあたりをつける。

森は歓迎するかのように薄っすらと月明かりを射し込ませ、少女は月明かりの下、ゆっくりと狼へと向かう。

彼女は丸腰である。


「お、おい……」


殺されるぞ、と言いかけ、少女はそれよりも早く


狼の首を断ち切った。






これが俺と、ここから始まる物語に深く関わる少女の出会いであった。



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