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嫉妬と覚悟



とんでもない爆弾を投下した沙弥は満足したように扉を開けて出ていった。


「............えーっと。」


「先輩。」


「は、はい。なんでしょう?」


いつもよりかなり低いトーンの蓮姫につい敬語で返してしまう。


「沙弥さんが言ってた事は本当ですか?」


「言ってたこと......っというと?」


「お風呂の事以外にあるんですか?」


「............な、ないですね。でも、あれだぞ?別に下心とかは無いからな?妹だし。」


「それは関係ありません。そもそも妹だからってどうして一緒に入る必要があるんですか?」


「......いや、まぁ、たしかにそれを言われるとそうなんだが、3年くらい前かな?風邪引いた沙弥の身体を俺が拭いたので何か吹っ切れたみたいで俺が風呂に入ってる時にたまに乱入してくるようになったんだよ。」


「......っ、学校での私への態度から考えて間違いないですね。沙弥さんは...。」


「ん?」


「いえ、なんでもありません。乱入。そうですか。」


蓮姫はそう呟くと沙弥が出ていった扉をキッと睨んだ。


「.........嫉妬...してくれてるのか?」


「何言ってるんですか?先輩。」


「ご、ごめ「当たり前じゃないですか。」......え?」


「自分の恋人が他の女とお風呂に入っていたんですよ。嫉妬して当然です。」


「......ごめん。」


「まぁ、いいです。してしまっているものは仕方ありませんし、無理に辞めさせて更にそれ以上の事をされても嫌ですし。」


「そ、それ以上って......さすがに...。」


「いいですか、先輩?お風呂は出来れば一緒に入るのは辞めて欲しいですが、義理とはいえ兄妹であり、既に日常的にしてしまってる以上譲歩します。でも、もしそれ以上の事をした時、それは私と先輩の関係が終わる時です。」


初めて見る程の冷たく悲しい目。


事が事だけに、蓮姫はかなりの勇気を持って言ったのだろう。


ここで逃げるのは男以前に人間として腐ってるな。


俺はふぅと小さく息を吐くと口を開いた。


「分かった。約束する。俺は沙弥と絶対にやましい関係にはならない。俺が好きなのは蓮姫だけだ。」


「約束です。」


✴︎


「うざい、うざい、うざい!なにがぞっこんよ、おにぃと私の気も知らないで!」


沙弥は自分の部屋へと入るなり、鞄をベットへと放り捨てて枕元に置いてある大きな熊のぬいぐるみの頬を両手で引っ張った。


「だいたい付き合いだした事にもこっちは納得してないってのよ!おにぃは私の事が心配で毎日私のクラスまで来てくれてたのに委員長どころか皆も委員長を見に来てたって勘違いしてるし!」


制服を脱いで部屋着に着替える間もブツブツと愚痴をこぼし続ける。


「挙句おにぃの部屋にまで上がり込んで......おにぃと一緒にお風呂入ってるの知られるのはちょっと恥ずかしかったけど、あの委員長の顔、いい気味よ!」


部屋着に着替え、制服をハンガーに掛けるとポスッとベットへと腰を落として小さく零した。


「......おにぃは私のだもん。」

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