Halloweenと素敵な夜
「なっ‥‥?!」
そこには、満面の笑みでピースしている“お友達さん”の姿があった。
それはそれでいいのだ。
Halloweenを楽しむのは良いことだ。
だが、問題はその飾りつけだった。
“お友達さん”もHalloweenパーティーをしているみたいで、とても豪華でキラキラしてて、巨大なpumpkinがあった。
‥‥なんだこれ。
僕の家に飾られてるのは、100円均一で揃えたしょぼい飾りだ。だが、“お友達さん”家のは違う。100円均一で買ったとは思えないほどの飾りが家中を着飾っていた。
それからまた沈黙。
僕は仮装衣装を脱ぎ、家にある飾りを片付け始める。
とても、恥ずかしくなってきた。こんなしょぼい飾りを、見せたのか。
僕は恥ずかしさと悔しさで涙が出そうになった。
「おい」
兄貴が、口を開いた。
「なにしてんだよ?」
兄貴が、言った言葉は。
「別にいーじゃん、100円均一でも。パーティーは金か? 豪華さか? ‥‥違うだろ。楽しけりゃ、いーんだよ。楽しけりゃあな──成り立つんだよ、パーティーは」
僕を泣かせるには、充分なものだった。
「っ、兄貴の、くせにっ‥生意気だっ‥!」
僕は垂れてきた鼻水を腕で拭う。
涙も出て鼻水も垂れて、もうぐちゃぐちゃだ。
そんな僕の頭を、兄貴はその大きな手でぽんぽんと叩いてくれた。
「おら、着替えろ。‥‥Halloween、やるんだろ?」
「っ、わかってらァ‥‥!」
僕は直ぐ様着替え、Halloweenパーティーの続きをした。
その日は、とても楽しい夜となった。