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兄貴と僕の行事歴(仮)  作者: pumpkin@
happy merry X'mas !(2012)
15/21

パーティ開始!


「ただいま~」

「お、おじゃましまーす‥」

 兄貴達が帰ってきた。

 僕は仕込みを切り上げ、玄関へと向かう。

 外が結構寒かったのか、兄貴たちの鼻が赤い。

「外寒かったろ?」

「え、何で分かった‥‥って、大体この頃になると気温落ちるしな」

 珍しくまともなことを言ってのけ、靴を脱いで上がる。“お友達さん”も遠慮がちだが靴を脱いで家へと上がる。

「お、何か良い匂いがするな」

「これは、シチューですか?」

「えっ、マジ?!」

「ん、そうそう。‥んだよ、その目は。安心しろ、兄貴よりは旨いから」

 僕はそう言って兄貴の横を通りすぎた。

 後ろでぎゃーぎゃー騒いでたのを一生懸命“お友達さん”が制していたが、気にしない気にしない。

「うわー、やっぱり妹さん凄いですね」

 居間へと入ってきた“お友達さん”は、僕が飾り付けた物を見て一言そういった。

 ‥別に嬉しいとか思って‥‥ますともっ!

 僕は褒められて伸びるタイプだからさ。

「そうか? こんなの俺だってでき───いてっ!」

「馬鹿兄貴のくせに」

 文句を垂れた一名をぶん殴って、クリスマスパーティを開始する。

「メリークリスマス!」

「メリークリスマス!」

「ハッピーメリークリスマス!」

 そう皆で言って、持ってるグラスを当て合う。

 コツンコツン音を鳴らせたあとに一口流し込む。

 もちろん飲んでるのは酒じゃなく、どこにでも売ってるオレンジジュースだ。

 僕はそのあと、キッチンに行き三人分のシチューを入れる。そして兄貴達が買ってきたものもテーブルの上へと並べる。

「わー、美味しそうですね!」

「ん、まぁ我ながらに良い出来だと思うぞ」

「‥‥‥」

「あ、おいっ!」

 僕は無言で兄貴の分のシチューを取り上げる。

 そんな騒ぎを立てつつ、パーティは終盤を迎えようとしていた。

 やはり、クリスマスパーティと言えば、プレゼント交換だ。

「よし、皆。準備はいいか?」

「はい」

「さっさと始めろ」

「じゃ、スタート!」

 その掛け声とともに、兄貴がクリスマス定番の歌を歌い始める。

 ‥それって結構ズルいよね。自分の部屋に止めたい時に止められるんだからさ。

「はいっ、じゃあストーップ!」

 出来れば兄貴のは当たりたくないな‥。

 僕はそんな不安を抱きつつ、袋の包みを開けた。

「わ‥」

 そこにはスノーボールがあった。

 中央にちょこんとある小さな家とサンタさん。その周りは真っ白い雪で囲まれていた。

 逆さにしてまた逆さにすると、まるでその世界に雪が降ったかのような演出まで出来る。

 これは、まさか、“お友達さん”の‥?

「あ、それ俺のだ」

 ‥‥‥‥え。

 あれ、僕耳が悪くなっちゃったのかな? まさかこんなもの、兄貴が買うわけ‥。

「大事にしろよー。それ結構高かったんだぞ」

「いくらぐらいしたんですか?」

「1280円」

「えっ、そんなにしたんですか?!」

「ああ。まぁクリスマスだし、そんな事言ってられねぇよ」

 そんな会話を流しながら、僕は放心状態に陥っていた。

 まさか、まさか、兄貴のが当たるとはっ。

 隣を見ると“お友達さん”のところには僕のが、兄貴のところには“お友達さん”のものが当たっていた。

 “お友達さん”のは、アンティークな時計。‥え、何か高そう。

 僕のは簡単に編んだ手袋。水色に白の水玉模様だ。

「て、手作りですかっ!」

「まぁ‥」

「コイツ、手だけは器用なんだよ。でも何故か料理は失敗する」

「最近は上手くなってきてるし。僕は兄貴みたいに不器用かつ馬鹿じゃないんで」

「こんのっ、クソガキっ!」

「ちょっ、二人ともっ」

 そんなドタバタでパーティも終わり、その後のまったりとした空気を味わう。

 パーティにはありがちだよね、このまったり感。

「あ、そえば。風呂入る順番どうする?」

「は?」

 兄貴がソファーにだらしなくもたれながら、そう聞いてきた。

 何だよ、順番って。

「ほら、今日コイツ泊まるじゃん?」

「あ~‥‥僕から先でいい?」

「おっけー」


「ちょ、ちょっと待ってくださいっ!」


 急に大きな声を出したもんだから、びっくりした、

 見開いているだあろう目で、“お友達さん”を見つめる。

 兄貴も同じで。見開いている目で“お友達さん”見ていた。

 おおきなこえを出した、当の本人は注目を浴びたことに気付き、顔を俯かせてしまった。

「どうしたんだよ?」

 兄貴がすかさず、問いただした。

 “お友達さん”は、されど小さい声で問いに答えた。

「その‥良いんですか、泊まって。お家の方に迷惑じゃ‥」

「んなの、気にすんなって。何だ、お前ん家そう言うのとか厳しい系?」

「や、そうじゃないんですけど‥そんな急な‥」

「大丈夫大丈夫。兄貴はいつも急だから」

「ほら、コイツもこう言ってるし。泊まってけよ」

「‥‥‥じゃ、じゃあ‥宜しく、お願いします」

 そう言うと“お友達さん”は深々とお辞儀をした。

「じゃっ、お先お風呂いただきま~す」

 僕は風呂の準備をするべく、部屋へと戻った。

「あ、じゃあ今日は兄貴自分の部屋で寝るのか」

 そんなことを思いながらタオルやら下着やらを出していく。

 兄貴は何故か寝るときも僕の部屋で過ごす。理由はこっちの方が落ち着くらしい。

「‥アイツ、自分の部屋もってる意味なくね?」

 そう呟いて、僕はお風呂場に向かった。


 ───ちょっと寂しいなって思うのは、きっとこの寒さのせいだ。



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