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お金のために配信者になります〜えっ、人気がないとお金はもらえないんですか?〜  作者: 霞風太
四章 ダンジョンデート

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三十五話

「それじゃあ行きましょう」


「そうですね」


 そして迎えた日曜日。

 シクレもクライシスも動きやすい格好をして女子寮の前で待ち合わせをする。

 当然ながら多くの生徒に見られ、ヒソヒソと噂されている。


「早く行きましょう!」


 それに気づいたシクレは顔を赤くしてクライシスの腕を引っ張る。

 既にどこのダンジョンに行くのか聞いているから先に進んでも問題はなかった。



「それで依頼とは受けてないんですよね?」


「そうですよ。モンスターもトラップも少ないから危険度も低いです」


 だからと言って油断をしまくっていたら死ぬかもしれないがと考えるクライシス。

 目的はシクレを鍛えることだしモンスターや人に関しては自分が警戒すれば良いと判断する。


「それじゃあまずは回避訓練から始めますけど準備は良いですか?」


「わかりました」


「途中でモンスターが奇襲を仕掛けてくるかもしれないので周囲にも警戒してください」


「え?」


「それじゃあ攻撃しますので、どんな形でも良いので避けるか防いでください」


 シクレが言われた言葉を理解する前に攻撃を繰り出すクライシス。

 頭がパニックになりながらも目の前に迫ってきた炎の魔法にシクレは全力で回避をした。


「待って待って待って!!??」


 回避しても次々に襲ってくる炎の魔法に地面を転がりながら避ける。

 一度でも止まったら焼かれると恥も外聞なく必死だ。


「転がりすぎて壁にぶつかったらどうするつもりなんですか?避けながら立ち上がらないと壁にぶつかった瞬間が狙い目ですよ」


 そんな声が聞こえて何かにぶつかってしまうシクレ。

 次の瞬間には焼けるような熱さを感じる。

 熱さを感じた場所に視線を向けるとそこには燃えた後。

 あまりにも容赦がなくて涙が浮かんでくる。


「殺す気はないですけど必死にはなったほうが良いですよ。俺もそうですけど痛かったりマジで危険な状態に陥らないと覚えないことってありますから。痛い目にあいたくないでしょう?」


「ひょえっ」


 全く止まる気がないことを理解してシクレは悲鳴を上げる。

 できればもう少し手加減してほしいと思ってしまう。


「もう少し手加減してくださいませんか!?」


「始めて会った時も死にかけてましたから、死なないように厳しくいきます」


「…………」


 そして口にするが続けられた言葉に何もいえなくなった。

 始めて会ったときは確かにモンスターに襲われ殺されかけていた。

 クライシスからすれば初対面だからこそ印象に残ったのだろうと考えることも出来る。


「だから続けますね」


「きゃあ!!」


 そして攻撃を再開するクライシス。

 先程からずっと魔法でしか攻撃していない。

 もしかして手加減のつもりなのかと予想し立ち上がる。


「ふっ!」


 全力で後ろに引く。

 魔法で追撃をしてくるがクライシス自身は近づいて来ない。


「はぁ!ふっ!………しっ!」


 襲ってくる魔法に右に左にと身体を走らせて避ける。

 時折頬を掠める魔法の熱さに手を抑えたくなるが、そんな余裕はない。

 今にも目の前に魔法が襲ってきて避けることしか考えられない。


「避け方も考えたほうが良いですよ?」


 そんな言葉が聞こえるがシクレには意味を考える余裕もない。

 ただただ必死に避けることしか出来ない。

 だからこそ気づかなかった。



「はぁ………」


 クライシスはあまりにも予想通りに進んでいることにため息を吐く。

 このままいけば行き止まりにぶつかる。

 そうすれば避ける場所もなく詰みだ。

 だが、これも経験だ。


「これから先同じようなことになって死ぬよりはマシだろうし」


 あまりにもあっさりと追い詰めることが出来たせいで本気になれない。

 もとから自分より弱いことは知っていたが、それでも簡単すぎる。

 もう少し考えて動いて欲しかった。


 そうして攻撃していくと予想通りに行き止まりへと追い詰めることが出来た。

 地形は知らなかったとしても気づくことは出来たはずだ。


「これで終わりかな」


 あとは魔法を直撃させて終わりかなと予想するクライシス。

 右も左も避けるスペースはなく、後ろには壁がある。

 これで終わりだと魔法を繰り出す。


「へぇ?」


 そして魔法を撃ったのと同時にシクレが前に出る。

 予想外の行動にクライシスは思わず笑みが浮かぶ。

 まさか前に出るとは思わなかった。

 そして破れかぶれではないのも目を見ればわかる。


「はぁぁぁぁぁぁ!」


 懐まで潜り込んでくる。

 あまりにも近いせいで魔法が撃てない。

 拳で攻撃することも出来るがハンデでしないことに決めていた。

 おそらくは魔法でしか攻撃していないことに気づいたのだろう。


「正解」


 だからクライシスは攻撃が出来るように距離を取る。

 だがシクレは逃さないとばかりに距離を取ろうとしても離れない。


「避けるのも良いが攻撃はどうした?」


 だが軽くでも攻撃してこないことにクライシスは自爆覚悟で攻撃する。


「っ!?」


 シクレは自爆覚悟で攻撃してきたことに驚いた顔を向け、炎と煙に囲まれた。

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