強襲
謎の魔物を連れた少女に襲われた翌日。
万全ではないが、総力を持って湖にある魔法陣を破壊しに行こうと決意し教会から意気揚々とグリモアを持って出かけようとした陽鎖刀一行だったのだが…
「魔法陣が存在しない?」
「存在しないってのは正しく無いかな?回収されたが正しい」
そういうエルトナの顔は明るくない。
リュア自体も意気揚々としていたのが落ちたのかシルフィーの用意した椅子にお礼を言いながら腰掛けた。
「お姉ちゃんが徹夜で調べてたから間違いないと思うよ。」
そういうレコットは割と眠そうだった。
ヴィッタとリルシャは街の方の炊き出しを手伝いに出ている状態だ。
「回収する?魔法陣って刻んだら回収できるの?」
妹に疑問にエルトナはため息を付いたが、僕が説明をする。
「魔法陣には大きく2つある。例えば僕が持つ魔導書…通称“グリモア”。
こういうのを携帯用魔道具っていうんだ。
持ち運びが便利な反面、威力が落ちたりするとか色々デメリットが有る。
そして、陽菜の言った通り、地面などに魔法陣を刻んでおいて周囲のマナを集めて発動するタイプ。
設置するというイメージが多いため、罠に使うことが多いが、携帯用と違い手元から離れる分、命中精度や威力の制御が難しいのが難点だな。」
因みに言うと、僕が持つグリモアは特別製の為、面倒とか言う次元ではないデメリットあるけど…ややこしいので割愛する。
「んで今回は結局何が問題なの?」
「大問題も大問題だよ。。。」
レコットは眠い目をこすりながら、答える。
「何かを召喚する魔法っていうのは、高位の魔法なんだよ…。
それを持ち運び出来るっていうのは余程ヤバい魔道具か、バカみたいな魔力を持っている人の2択になる。前者の場合だと、条件さえ満たせば誰でも使えるってことになっちゃう。後者の場合だと要注意人物以外の何物でも無いよ…面倒事そのものだね…」
「レコット姉が言うならその問題児をさっさと見つけてそれを回収するのが先決って事か。」
そんな中、シルフィーがおずおずと手を上げる。
「大量の魔力が回収されたと言うなら…多分心当たりがあります。。。」
シルフィーは1度僕の方に視線を動かしたが、僕が頷くと拙いながらも話す
「私不覚にも戦闘中に動けなくなった事がありまして、、、陽鎖刀様の声で正気を戻したのですが…」
「そういえば、あれなんでだったんだ?」
「はい、それが心当たりになります。。。
あの子自身、マナの塊というか魔力の塊だったんです。
それこそ、ミア様が何人も居るような感覚でした。あまりの量に酔いを起こした次第です。」
なるほどとはいかない説明だったが、幾つかの不明点も出てきた。
「レコット姉、あのチビが打てる最大はどれくらいなんだ?」
「ミアちゃんに聞かないと正確なのは分かんないけど、大魔法なら連続だと…2発打つのが限界だと思うよ。」
リュアの雑な前振りに、苦もせずに答える。
「あの小さい体に見合わない魔力量。
正気を保てるとは到底思えないな」
「それには同意しますね。」
僕が疑問を抱きながら発言をすると、エルトナも同意し、結局なところ、問題の魔法陣がどこ行ったか?は疑問だった。
「その問題の魔法陣を探すか?ガキを探すか?どっちが可能性的には高いだろうな?」
リュアがそう言った途端だった。
「全員!!左右に散りなさい!!!!」
瞬間、教会の入口から極太のレーザーが僕らを襲う
「ふぅん……当たってれば楽に死ねたのにね?そう思わない?ニューちゃん」
「…………」
そこには前回とは打って変わって真っ赤なゴスロリに身を包んだ少女がニューちゃんと呼ばれた化け物と定義するしかない正体不明の魔物の肩に乗っていた。
「今日は殺してあげるね?私怒ってるの。」
そうやって狂気が笑っていた。




