✒ ずっと浄化タイム 3
創生王:ニテンス
「 ふむ、倒したモンスターが魔石を落とすのは、遺跡内のダンジョンから出て来たモンスターだからだの 」
サブリエル
「 そうなんですか? 」
ダンジョンって在りましたのね…。
創生王:ニテンス
「 うむ。
秘境に聳え立つ古の遺跡は、遥か昔──テンクゥリアと呼ばれておった浮島の一部だの 」
サブリエル
「 テンクゥリア??
浮島??
ニティ、浮島って事は天空に島が浮かんでいたの? 」
創生王:ニテンス
「 うむ。
現在でも浮かんでおる筈だの。
精霊達が魔法で隠しておる 」
転生した異世界には、天空に浮く島まで在るんですか!?
凄く…ファンタジーですわね。
サブリエル
「 ニティ、どうして浮島の一部が地上にありますの? 」
創生王:ニテンス
「 理由までは知らんの。
地上に落ちた浮島の一部は、地上に根を張り同化したのだ。
遺跡には地下があり、地下はモンスターが巣食うダンジョンに変貌しておる。
適切に環境へ順応した結果であろう。
よってダンジョンモンスターはダンジョン内で生み出され、遺跡から出て各方面へ散って行ったのだ。
ダンジョンから生み出されたモンスターであるから、倒すと魔石を拾う事が出来るのだ。
ダンジョンから生み出されたモンスターの遺伝子を受け継いでおるモンスターは子々孫々魔石を落とすぞ 」
サブリエル
「 魔石を落とさないモンスターも居るんですわね 」
創生王:ニテンス
「 うむ。
ダンジョンモンスターはテイムする事は出来ん。
ダンジョンモンスターの子孫や末裔となるモンスターもテイムは出来ん。
テイムが出来るのは、ダンジョンモンスターでないモンスターだけだの 」
サブリエル
「 テイム?
テイマーが居るんですか? 」
創生王:ニテンス
「 居るには居るが今は絶滅寸前だの 」
サブリエル
「 どうしてテイマーが絶滅寸前なんですか? 」
創生王:ニテンス
「 ざっと400年前だったかの。
“ 精霊の悪戯 ” で多くのテイマーがモンスター化した事件が起きての。
その事件以来、テイマーは “ 魔物使い ” と言われて蔑まれ、恐れられるようになったのだ。
世界中でテイマーを “ 魔物使い ” として危険視する風潮が蔓延し、テイマー達は肩身が狭くなっただけでなく、テイマー狩りも勃発しての。
多くのテイマーが捕らわれ、酷い拷問を受けながら処刑されたのだ。
テイマーにテイムされていたモンスターは主を失った悲しみに耐えられず、暴走の果てに多くの人間を屠り回ったのだ。
そんな事もあり、テイマーは稀少な存在となっておる。
400年経った今でも、テイマーは “ 魔物使い ” として忌み嫌われておるのだ 」
サブリエル
「 ………………スケールが大き過ぎますけど、酷い話ですわね…。
どうして精霊は、テイマーをモンスターへ変えたのですか? 」
創生王:ニテンス
「 事情までは知らんの。
精霊には精霊の意図があったのであろう。
人間にとって良い結果になるとは限らん。
これが “ 妖精の悪戯 ” と “ 精霊の悪戯 ” の違いだの。
分かり易いであろう? 」
サブリエル
「 そう……ですわね…。
じゃあ、テイマーを見付けたら保護しないといけませんわね!
“ 魔物使い ” と呼ばれていても、 “ 魔物使い ” ではないのですから 」
創生王:ニテンス
「 う、うむ……。
サリーの好きにせい。
テイマーを保護するのは良いがテイマーを増やすのは精霊が “ 良し ” と思わんから気を付けよ 」
サブリエル
「 …………精霊を敵に回したくないですわ… 」
リィグレーシェド
「 そう言えば──、古の遺跡は魔鉱石の宝庫だという話を聞きましたけど、事実なのですか? 」
創生王:ニテンス
「 魔鉱石かの?
浮島は魔鉱石の塊だからの、兄上の言う通り秘境の遺跡は魔鉱石の宝庫で間違いないの。
だがの、魔鉱石を入手するのは困難であるぞ。
ダンジョンに近付けは近付く程モンスターは強くなるからの 」
サブリエル
「 そうなんですか?
じゃあ、ダンジョンから離れているモンスターは弱いんですか? 」
創生王:ニテンス
「 弱くはないの。
そうだの──、1体のモンスターを冒険者Aランクが5名以上で漸く倒せるぐらいかの? 」
サブリエル
「 …………それって滅茶苦茶強くないですか?
魔石の入手を出来るのってAランク冒険者以上になるって事ですよね? 」
創生王
「 人間だからの。
亜人類は違うぞ。
育て方,鍛え方次第で1人で倒せるようになるのだ。
亜人類は重宝する人材なのだぞ 」
サブリエル
「 確かに……Aランク冒険者が5名以上で倒せるモンスターを1人で倒してしまえる亜人類は強いですし、脅威になりそうですわね… 」
リィグレーシェド
「 亜人でもダンジョンに入るのは難しいのですか? 」
創生王:ニテンス
「 そうだの。
遺跡に近付く事すら難しいであろうな。
亜人類ならば──、最低でも竜族の獣族が5名,戦闘に特化した獣人族が10名,補助に特化した人獣族が5名程居れば、遺跡に辿り着く事は可能かも知れんの。
それでもダンジョン内へ足を踏み入れれば瞬死するがの 」
サブリエル
「 ニティ、それはどうしてなの? 」
創生王:ニテンス
「 うむ。
ダンジョンはモンスターを生み出す為に魔素が充満しておる。
どんなに屈強な亜人類でも魔素を吸い込めば1秒と持たずに死んでしまうのだ。
魔素濃度が高いからの、吸い込んだ魔素で体内が腐れてしまい肉体が跡形も無く崩れてしまうのだぞ。
幾ら高純度の魔鉱石が採れる宝庫だと言っても、遺跡に近付くのは感心せんの 」
サブリエル
「 そんなに危険な場所があるのね…。
ニティ、魔素が遺跡にから出て来る事はないの? 」
創生王:ニテンス
「 う~む……。
今の所は無いの。
だがの、先の事は分からんぞ。
人間があまりにも阿呆な事を仕出かせば、精霊達が “ 精霊の悪戯 ” を引き起こし、魔素が地上に広まる可能性もあるからの 」
サブリエル
「 …………近い未来に起こりそうですわね… 」
創生王:ニテンス
「 案ずる事はないぞ。
例え魔素が地上に噴き出したとて、フォンオスコ公爵領地はボクの加護で無事だからの!
フォンオスコ公爵領地は魔素の悪影響を受けんぞ 」
サブリエル
「 それは有り難いですわ。
良かったですわね、リグ様 」
リィグレーシェド
「 そう、ですね……。
( 秘境にある古の遺跡はそれ程に危険なのか…。
然し、事情を知らない国王は、欲に目が眩んだ貴族の話を真に受けて、秘境の遺跡へ騎士団と兵士を送るかも知れないか…。
高純度の魔鉱石が手付かずの状態で眠っているのだから喉から手が出る程、欲しがるに違いない。
どのように知らせれば良いのか… )」
サブリエル
「 魔石って、入手が出来る相手が決まっていますから、高額そうですわね 」
リィグレーシェド
「 えぇ、そうですね。
魔石の値段は、大きさ + 重さ = された値段で販売されています。
小さくても重い魔石や大きくてもの軽い魔石がありますよ 」
サブリエル
「 そうなんですか?
大きい = 重たい──ではないんですね。
不思議…ですわね 」
創生王:ニテンス
「 倒したモンスターの属性に依っても魔石の色が違うのだぞ。
魔石はカラフルだからの、収集して飾っても楽しいぞ 」
サブリエル
「 そうなんですか? 」
リィグレーシェド
「 魔石を砕いて小さくした物は魔結晶,魔石を加工した物は魔工品と呼ばれています。
魔結晶は主に装備品の装飾具に嵌め込んで使われます。
魔工品は主に魔法具,魔術具,魔導具,呪術具,治療具の核として使われます。
魔石に魔法力を込める事は出来ませんけど、特殊な加工をした魔工品には魔法力を込めて使う事が出来ます。
使い切りではないですから、何度でも使えて便利です。
例えば魔法力が込められた火属性の魔工品を使えば、薪に着火する手間が省けます 」
サブリエル
「 それは楽ですわね。
魔法を使えない〈 ノマ 〉でも魔工品を使えば、簡単に着火する事が出来るのは嬉しいですわね~~ 」
創生王:ニテンス
「 光属性の魔工品を使えば松明も蝋燭も要らんぞ 」
サブリエル
「 それも便利ですわね。
でも……高いなら平民は買えませんわね 」
リィグレーシェド
「 そうですね。
特殊な加工をされた魔工品は魔石よりも高額になりますし、魔法力を込めてもらう為に神殿へ足を運び寄附金を納めなければいけませんからね 」
サブリエル
「 神殿…ですか?
どうして神殿が出て来るんですか? 」
リィグレーシェド
「 魔法力を魔石へ込める特殊な加工技術を発案し実用化させたのは神殿だからですよ。
特許権は神殿にありますから、魔工品へ魔法力を込めるには神殿に所属している治療師に依頼するしかないんです。
寄附金を納めれば治療師から魔工品へ魔法力を込めてもらえます。
問題がありまして──、納める寄附金が少ないと門前払いされてしまうんです。
ですから魔工品を使えるのは裕福な平民に限られてしまっているのが現状です 」
サブリエル
「 何ですか、それ!
寄附金は気持ちではありませんか!
金額よりも真心を見るべきでしょう?
納める金額が少ないからって門前払いするなんて横暴ですわ!
神殿には汚ないお金の亡者しか居ないんですか?
どうして分け隔てなく接する事が出来ないんですか? 」
リィグレーシェド
「 エル……、それが現在の神殿なのです。
昔はそうでもなかった筈ですけど、教皇が変われば神殿の在り方も変わります。
教皇の出した指示には不本意でも従わなければいけません。
上の指示に従えない者は神殿から除名されますから、嫌でも従わざる終えないのですよ。
聖職者も上下関係が厳しいですから、門前払いせざる終えない時は心が傷んで辛いでしょうね 」
サブリエル
「 お金の亡者ばかりではないんですね…。
特許権を神殿側が握っている以上、何とも出来ないのですか? 」
リィグレーシェド
「 難しいでしょうね。
神殿が発案し実用化した特殊な加工技術と異なる加工技術を発見して特許権を得られれば、神殿が独占する事もなくなるでしょうけど… 」
サブリエル
「 …………ニティ、小人なら何とか出来ませんか? 」
創生王:ニテンス
「 出来ん事はないがの、人間には真似の出来ん方法になるぞ。
特許権は妖精に憑依させて認めさせれば良いの 」
サブリエル
「 最終的には憑依させるんですわね… 」
リィグレーシェド
「 それなら教皇に妖精を憑依させれば良いのでは?
神殿の頂点に君臨する教皇,司教枢機卿,司祭枢機卿,助祭枢機卿,総大司教,総大司祭,総大助祭,大司教,大司祭,大助祭,司教,司祭,助祭,修道士長,修道女長に妖精を憑依させれば手っ取り早いのではないですか? 」
サブリエル
「 リグ様、考え方がニティに寄っていますわ。
確かにそれだけ多くの聖職者へ妖精を憑依させれば、神殿を意のままに操れ──いえ、信者達を正しい教えに導けると思いますけど…………やり過ぎではありませんか? 」
リィグレーシェド
「 た、確かにエルの言う通りですね。
失言でした…(////)」
創生王:ニテンス
「 ふむ……。
兄上も頭が回るの。
神殿の最高権力者と取り巻き共を手中に治め味方にするのだの。
良い案であるぞ。
国内中の神殿がフォンオスコ公爵と癒着する事になるの。
王族と大公家も敵ではなくなるの!
早速、妖精達に憑依させるとしようかの 」
サブリエル
「 ニティ?!
それって本気ですか? 」
創生王:ニテンス
「 当然だの。
妖精達も張り切って飛び立って行ったぞ。
これからは、ボクを通してサリーが教皇に指示を出せるようになるからの。
良かったであろう、サリー 」
サブリエル
「 …………………………展開が早過ぎますわ…ニティ… 」
なんて事かしら?
国内中の神殿関係者──聖職者達がニテンス様の指示で妖精達に憑依されてしまう事になるなんて……。
……………………私が裏から教皇に指示を出せるなんて──、凄くないですか!?
良いんですか?
こんな展開、予想外過ぎるんですけど!!
でも、これで貧しい平民も金額を気にしないで寄附金を納めるようになりますわよね?
神殿が貧しい平民相手にお金儲けなんてしたら駄目ですわ。
お金儲けをするなら、隠し財産とか裏金とか表に出せないお金を沢山持っている貴族からたっぷりと搾り取れば良いんですわ。
神殿に必要な必要経費──修繕費や維持費等は平民の信者からの寄附金で賄う事にして、貴族からの寄附金は領地開拓資金へ回して良いかしらね??
領地開拓に有効活用してもニテンス様が居ますし、大丈夫ですわよね?




