✒ 公爵様の御帰宅 6 / 君は誰だ!?
リィグレーシェド様と他愛ない雑談に花を咲かせていると、リィグレーシェド様の自室の扉がバタンッと乱暴に開けられました。
「 何事?! 」かと思って扉へ目を向けてみると、ニテンス様が立っていました。
どうやら扉を乱暴に開け放ったのはニテンス様のようで間違いなさそうです。
扉を開けられたニテンス様は、ズカズカと無言でリィグレーシェド様の室内へ入って来ました。
ソファーに座っている私の前まで歩いて来て、立ち止まったニテンス様は────。
創生王:ニテンス
「 ──何時まで詰まらん話をしとるか!!
何をチンタラしとる!
さっさと本題を切り出さぬか!! 」
サブリエル
「 ニティ──、えぇと…………何時から盗み聞きをしていたのですか? 」
創生王:ニテンス
「 初めからだわい!
全く……後を付けて正解だったの 」
ニテンス様は胸の前で腕組みをして、プリプリと怒っています。
子供の姿だからでしょうね、怒っているのに可愛くて癒されますぅ~~~♥️
創生王:ニテンス
「 サリーよ、御主は兄上を隷属する気があるのか? 」
サブリエル
「 ………………………… 」
創生王:ニテンス
「 サリーに任せたボクが悪かったようだな。
もうよい、ボクが兄上をサリーの隷属にするから黙って座っておれ 」
サブリエル
「 もう座ってますわ、ニティ 」
創生王:ニテンス
「 見れば分かるわ 」
リィグレーシェド
「 ……………… “ 私のサブリエル ” に随分と馴れ馴れしいようだけれど、君は誰かな?
私には弟が3人居るけれど、全員20歳を迎えている。
君のような幼い弟は居ない筈だが 」
創生王:ニテンス
「 …………何だと? 」
リィグレーシェド
「 見ず知らずの君に “ 兄上 ” と呼ばれる筋合いはない 」
えぇっ??
どういう事でしょうか??
リィグレーシェド様はニテンス様を “ 実弟だと思ってない ” って事ですか??
記憶の改竄がされていないって事ですよね?
創生王様でも失敗する時ってあるんですね~~。
創生王:ニテンス
「 …………馬鹿な…。
記憶の改竄が出来ておらん……だと!?
そんな事が有り得るものか! 」
ニテンス様が予想外の出来事を目の当たりにしてよろけています。
子供の姿だとリアクションも可愛いです~~♥️
リィグレーシェド
「 記憶の改竄……??
記憶の改竄とは、どういう事ですか! 」
さっきまで穏やかだった筈のリィグレーシェド様の声が、珍しくドスの利いた低音になりましたよ。
もしかしなくても、これって怒ってます……よね??
創生王:ニテンス
「 …………ま、まぁ…良いわ。
{ 良くはないが…… }
イレギュラーとは起こるものだからの。
この程度でボクは動揺しないぞ 」
めっちゃ動揺していたように見えましたけど、自覚は無いみたいですね。
ふふふ、可愛い♥
創生王:ニテンス
「 ──コホン。
落ち着かれよ、兄上。
あぁ、いや──、リィグレーシェド・フォンオスコ公爵よ。
ボクは創生王である。
頭が高いのは大目に見よう 」
リィグレーシェド
「 創生王……?? 」
創生王:ニテンス
「 人間がボクの存在を知らぬのは致し方の無い事だ。
咎めはせん。
創生王とは≪ シピアンドダレ大陸 ≫の秩序を維持する為、妖精,精霊を生み出す存在──創生者である。
ボクは≪ シピアンドダレ大陸 ≫の中で〈 大陸神シピアンドダレ 〉に対して最も信仰心が強く高いサリーに妖精の祝福,精霊の祝福,創生王の祝福を与えたのだ。
よって、サリーはボクの──創生王の眷属となったのだ。
地上で実体を維持する為にサリーに名を付けてもらい、ボクはニテンス・フォンオスコ公爵令息となった。
兄上の実弟としてフォンオスコ公爵邸で暮らす事にしたのだぞ。
光栄に思うがよい! 」
リィグレーシェド
「 ………………今の話を信じろと? 」
あぁ……疑ってますねぇ、リィグレーシェド様。
当然と言えば当然ですよね?
“ 記憶の改竄 ” とか “ 創生王 ” とか “ ◯◯の祝福 ” とか “ 眷属 ” とか突然言われても信じられないですよね……。
此処は私がニテンス様のフォローをして、リィグレーシェド様との間を取り持たないといけない場面ではないでしょうか?
仮に私がフォローしたからと言って、リィグレーシェド様に信じていただけるとは限りませんけれど、出来る限りのフォローはさせていただきますよ!
サブリエル
「 リグ様、信じられない話だとは思いますけれど、ニティの言われた事は事実ですわ 」
リィグレーシェド
「 サブリエル……。
君も記憶の改竄とやらをされているのですか? 」
サブリエル
「 私はニティの眷属ですから、記憶の改竄はされていませんわ。
“ ニティがリグ様の実弟 ” だという記憶の改竄をされたのはフォンオスコ公爵領地内に居る領民達ですわ。
ニティに記憶の改竄をされていないのは、リグ様と私になります 」
リィグレーシェド
「 サブリエルは彼が私の実弟ではないと知っているのですね? 」
サブリエル
「 は、はい。
勿論ですわ。
私はニティの眷属ですから… 」
リィグレーシェド
「 そうですか。
それを聞いて安心しました。
サブリエルの記憶まで改竄されていたら、私は目の前の彼に攻撃魔法を放っている所でした 」
サブリエル
「 リグ様…… 」
創生王:ニテンス
「 水を差すようで悪いがの、人間の扱う元素魔法はボクには効かないぞ。
物理攻撃も精神攻撃も効かんからな 」
サブリエル
「 そうなんですか? 」
創生王:ニテンス
「 実体化はしておるが、あらゆる攻撃もボクには届かぬ。
ボクに届く前に〈 テフ 〉に変換されてしまうからの 」
サブリエル
「 ニティ──、テフって何ですか? 」
創生王:ニテンス
「 〈 テフ 〉とは世界を構成している原質の源だ。
世界に存在しておる全ては、様々な原質で構成されておる。
〈 テフ 〉はの、原質を構成して生み出しておるのだ。
凄いのだぞ 」
サブリエル
「 そうなんですか… 」
創生王:ニテンス
「 サリーが使えるようになった浄化力も〈 テ
〈 テ
どんなに使っても枯渇せんし、身体
サブリエル
「 そうなんですね!
身体
リィグレーシェド
「 サブリエル、浄化力とは──、サブリエルが使えるようになった魔法の事ですか? 」
サブリエル
「 はい、そうです。
ティーポットを落としてしまった時、絨毯
どうしようかと困りながら染みを触
紅茶の染みが消えただけではなくて、絨毯
新しい絨毯
リィグレーシェド
「 サブリエルが浄化魔法を使えるようになったのは彼の眷属となったからですか? 」
サブリエル
「 はい。
そうみたいですわ。
私は〈 ノマ
でも、ニティが言うには≪ シピアンドダレ大陸 ≫には浄化魔法は存在しないそうです。
聖じ── 」
創生王:ニテンス
「 サリーよ、それ以上は言わんでよい。
浄化魔法は特殊でな、元素
魔法使いの中で知っておる者は居
あらら?
ニテンス
「 聖女様も使える力なんです 」とか「 魔法じゃなくて奇蹟の力なんです 」とかバラさない方が良
………………そうかも知れませんね。
私まで聖女様みたいにあ
ニテンス
ニテンス
サブリエル
「 そ、そんなに凄い魔法だったんですね~~。
浄化魔法って……。
吃驚…ですわ~~ 」
創生王:ニテンス
「 サリーの〈 大
特別なのだ 」
リィグレーシェド
「 ………………サブリエルが浄化魔法を使えるようになった理由は分かりました。
貴方が全ての原因なのですね 」
創生王:ニテンス
「 兄上
リィグレーシェド
「 勝手に私の実弟を名乗らないで頂きたいだけです。
“ 私のサブリエル ” に免じて、貴方が創生王である事は信じるとします。
“ 私のサブリエル ” に危害を加える気がない事も分かりました。
貴方がフォンオスコ公爵邸で暮らす事もフォンオスコ公爵家
サブリエル
「 リグ様、有
リィグレーシェド
「 あくまでもサブリエルに免じて、です(////)
それで──、『 隷属する 』とは何
貴方は “ 私のサブリエル ” に何
あらら?
リィグレーシェド様のお顔が少しだけ険しく見えます。
聞き流してなかったんですね。
流石は当主様──と言うべきでしょうか?




