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❗✒ 姉の代わりに巨漢公爵に嫁いだ取り柄のない子爵令嬢は、浄化魔法が開花しました。  作者: 雪*苺
【 約一ヵ月後( 月曜日 )】サブリエル 魔法使いになる??
18/50

✒ 公爵様の御帰宅 3 / 君は誰だ!?


 リィグレーシェドは生涯を独身で貫こうと考えていたが、フォンオスコ公爵を自分の代で絶やす訳にはいかなった。

 実兄の長男は亡くなってしまっているし、実弟の弟達は養子に出されており、既に婚約者の貴族令嬢と結婚をして既婚者となっていた。

 フォンオスコ公爵を絶やさない為には自分が貴族令嬢を妻に迎え、跡継ぎとなる子供を作らなければならなかった。

 女性に対してい印象を持っていないリィグレーシェドは、気乗りしないままフォンオスコ公爵だい(だい)遣えている隠密達に独身の貴族令嬢を探させ、身辺調査も内密に進めさせ、情報を集めさせた。


 幾多の貴族令嬢の情報の中でリィグレーシェドが目にめた貴族令嬢の1人が、成人前のサブリエル・コォールスだった。

 サブリエルはほかの貴族令嬢とは明らかに違っていた。

 隠密の情報ではコォールス子爵と侍女とのあいだに産まれた子供で、めかけだった。

 めかけでありながら、子爵令嬢として育てられている事を知った。

 大事に育てられている──とは言いがたい部分はあるものの本来ならば、めかけの子供は使用人として育てられるのが貴族社会では一般的だ。

 余程の変わり者が余程の事情でもなければ、めかけを実子と同様に令嬢として育てはしない。

 リィグレーシェドは隠密にコォールス子爵邸で働く使用人達の素性も調べさせた。

 ちなみにサブリエルの異母姉セリシィエンヌについては、隠密の情報を聞いてハズレだと判断した為、婚約者候補から即除外していた。


 隠密に調べさせた使用人達の情報では、サブリエルの母親はマグドワルト大公の御令嬢──末娘であった事が判明した。

 マグドワルト大公はセントアノル大公と一悶着あり、爵位を剥奪されたマグドワルト大公の人間は1人残らず謂われもない罪を着せられて全員処刑されたと聞いていた。

 マグドワルト大公が爵位を剥奪された事件は貴族界に衝撃を与え、セントアノル大公に対して遺恨を抱いた貴族も少なくはない。

 だ幼かったリィグレーシェドも痛ましい事件だった事を覚えている。

 謂われもない罪を着せられ処刑された筈のマグドワルト大公の唯一の生き残りが、サブリエルの母親だった。

 サブリエルの母親がにしてセントアノル大公の手からのがれたのかはだ調査中だが、がれたすえの潜伏先がコォールス子爵邸だったのだろう。

 、コォールス子爵がマグドワルト大公の元御令嬢を自身の屋敷に置き、使用人として働かせていたのかは調査中だが、この事実がおおやけとなればコォールス子爵は終わりだろう。


 仮にコォールス子爵がサブリエルの母親の正体を知らぬまま、使用人として雇い働かせていたとしても罪に問われるかも知れない。

 セントアノル大公とは、謂われもない罪を着せて裁かせるのが好きな貴族だ。

 結局の所、マグドワルト大公はセントアノル大公により、反抗的な貴族達への見せしめとして利用されてしまった憐れな被害者なのだ。

 マグドワルト大公で働いていた使用人達も1人残らず投獄されたのち、長いあいだあらゆる拷問を受けたすえに犯罪奴隷に落とされたと聞いている。

 もしかしたらサブリエルの母親は処刑からまぬがれる為にみずから使用人にふんし、拷問を甘んじて受けたのち、犯罪奴隷に落とされたあとも生きる為にいたすえに奴隷商にてコォールス子爵に買われたのかも知れない。

 しかし、それだとサブリエルの母親がマグドワルト大公の生き残りである事をコォールス子爵が知る事はないだろうし、サブリエルが産まれたとしても犯罪奴隷の侍女がはらんで産んだむすめわざ(わざ)子爵令嬢として育てる事はないだろう。

 サブリエルの母親がみずから正体を明かしてもなお、使用人として過ごしていた線も無くはないかも知れないが、サブリエルの母親が正体を明かせば、コォールス子爵夫人が黙っていないだろうし、サブリエルが子爵令嬢として育てられる事は万が一も無かっただろう。


 リィグレーシェドは自身の悪い噂を隠密広めさせ、コォールス子爵,コォールス子爵夫人,コォールス子爵令嬢の耳へ届くようにした。

 そのあと、コォールス子爵へセリシィエンヌ子爵令嬢と婚約する書状を使用人にふんした隠密へ届けさせた。

 コォールス子爵邸にはリィグレーシェドの隠密達が使用人として紛れ込んでおり、然り気無くリィグレーシェドの悪評を屋敷内で噂しては、コォールス子爵夫人とセリシィエンヌ子爵令嬢の耳に入れていた。

 実子であるまなむすめのセリシィエンヌ令嬢を溺愛している子爵と子爵夫人ならば、悪評名高い巨漢デブタ公爵の元へわざ(わざ)セリシィエンヌ令嬢をフォンオスコ公爵とつがせる事はしないだろうと、リィグレーシェドは踏んでいた。

 リィグレーシェドの予想どおり、子爵と子爵夫人は、セリシィエンヌ令嬢をとつがせず、めかけであるサブリエル──「 健康体の次女をフォンオスコ公爵へ嫁がせたい 」と書状を送ってたのだ。


 書状には「 セリシィエンヌは生まれながらに病弱でフォンオスコ公爵の妻となる事はむずかしいと書かれており、だ未成年ではあるが成人間近の元気な次女がる為、次女のサブリエルをフォンオスコ公爵とつがせる事を許可していただきたい 」といような内容が書かれていた。

 なんとも笑える御粗末な内容ではあったが、リィグレーシェドが妻に迎えたいのはセリシィエンヌ子爵令嬢ではなく、サブリエル子爵令嬢だった事もあり、「 コォールス子爵令嬢ならば、どちらでも構わない 」と返事の書状を届けさせた。

 それからのコォールス子爵の行動は早かった。

 そう(そう)めかけであるサブリエルを「 コォールス子爵邸から追い出すような形でフォンオスコ公爵領地へ向かう馬車へ乗せた 」とコォールス子爵邸に忍ばせていた隠密から連絡が入った。

 コォールス子爵邸に潜伏させ、使用人にふんした隠密達には情報収集をさせたのち、サブリエルと婚姻を結び夫婦となった翌日には隠密達をコォールス子爵邸から人知れず撤収させた。

 サブリエルはコォールス子爵邸の使用人の中にフォンオスコ公爵の依頼で使用人にふんしていた隠密がた事には微塵も気付いていないだろう。


リィグレーシェド

「 ………………これも隠さずに話した方がいかも知れないな……。

  サブリエルには打ち明ける事が多過ぎるな……。

  さて──、一体れから打ち明けるべきかな……。

  出来る限り、サブリエルがショックを受けににくそうな内容から打ち明けたいんだけれど…………れかな?? 」


 リィグレーシェドは深い溜め息をく。

 入浴中のリィグレーシェドは、考えを巡らせながら溜め息をくのが日課だった。

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