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☀ 姉の代わりに巨漢公爵に嫁いだ取り柄のない子爵令嬢は、浄化魔法が開花しました。  作者: 雪*苺
【 約一ヵ月後( 月曜日 )】サブリエル 魔法使いになる??
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⭕ 公爵夫人の異変 4 / 不思議な力


──*──*──*── サブリエルの自室


 新人メイドを執事長室へ残して1人で自室へ戻った私は、椅子に座って机に向かいました。

 この不思議で便利な “ お掃除魔法( 仮 )” を使って、フォンオスコ公爵家(け)とフォンオスコ公爵領民の為に何(なに)が出来るのかを書き出す為です。

 日頃から協力してもらったり、手伝ってもらったり、助けてもらってばかりですからね、御世話になっている使用人の皆(みんな)へ還元出来る事があるならばこの際しときたいんですよね~~~。

 序(つい)でに新たな恩を売れたら尚更OK(オッケー)みたいな?


 お掃除魔法って言うよりは、浄化魔法の一種だと思うんですよね。

 ゲーム,漫画,アニメで見ていたから、浄化魔法に関しての知識は少しは有ります。

 ゲーム,漫画,アニメでの設定が異世界の浄化魔法にも適用されているかは分かりませんけど……。

 前世で遊んだりゲーム,読んでいた漫画,見ていたアニメから得た浄化魔法の能力を整理してみようと思います。

 誰かに読まれても困るので、日本語で書きますよ~~。


 先ず浄化魔法と言えば、聖女様と呼ばれる存在が扱う聖なる力ですね。

 魔を祓ったり、魔を浄化させたりする奇蹟の見技の如く神秘的な力が定番な気がしますね。

 不浄とか…魔気とか…魔素とか…瘴気とか…負(ふ)の気とか──、色んな呼び方があるみたいだけれど、要(よう)は動物にも人間にも悪影響を与えるような悪い気の事よね。

 聖女様が浄化魔法を発動させて、祓ったりして聖なる場所に変えちゃうって感じかしらね?

 ゲームでは魔物を浄化で倒したり、モンスターを浄化して仲間にしちゃったりとかしてたかな。

 聖女様はテイマーじゃなくてもモンスターを仲間にして、育てて敵と戦わせる事も出来てた筈。

 聖女様が扱えるような浄化魔法は流石に遠慮したいですよね~~。

 顔も名前も知らない人達の為に身を粉(こ)にして激務な人助けに励むなんて、私は微塵もしたくありませんし。

 私はフォンオスコ公爵夫人になっちゃいましたから、養って頂いているリィグレーシェド様への恩返しの為に領民達に対して出来る事があるなら、してもいいとは思いますけどね、自己犠牲を払って迄しようとは思いませんよ。

 私は心掛けが悪い女ですからね、先ず聖女様みたいなポジションは与えられないと思いたいです。

 仮に与えられてしまったら、私は自室に引き隠って断固拒否し続けますよ!!


 次に浄化と言えば、消毒効果や除菌効果でしょうか。

 怪我をした時に手当てをしますけど、その前には必ず水で汚(よご)れを落として、消毒をしてから手当てをしますよね?

 浄化魔法を使う事で、水洗いをして汚(よご)れを落とす一連の動作と消毒液を塗る一連の動作を省(はぶ)いて手間を無くす事が出来てしまう便利な力ですね。

 貴重な水を使う必要が無くて、水を態(わざ)々(わざ)探さなくても良(い)いですし、消毒液を常に持ち歩く必要だってありません。

 衛生面に多大なる貢献が出来る浄化魔法は、確実に迅速な手当てへ移行させる事が出来るので、人命救助が必要な場所では重宝すると思いますし、意外にも大活躍とかしちゃいそうですよね。

 まぁ、私は大活躍なんてしたくないですけど。


 後(あと)は──、汚(よご)れを落として綺麗にする力ですね。

 綺麗にした際に除菌効果も付いていれば文句なしですよね?

 態(わざ)々(わざ)除菌効果のあるウェットティッシュで拭いたり除菌効果のあるスプレーをシュッシュッせる必要もありません。

 浄化魔法でコーティングもバッチリ出来ちゃえば、黴(ばい)菌(きん)ともウイルスともバイバイしちゃえて便利ですよね~~。

  医療には浄化魔法は欠かせませんよね。


 浄化した際に、くたびれた物や古びた物が新品同様に戻る──っていうオプション(?)は有りなんでしょうか?

 私が使える浄化魔法は、絨毯(カーペット),調理器具,食器,食具,洗濯物,懐中時計は新品同様に生まれ変わりました。

 汚(よご)れを消して綺麗にするだけじゃないのは凄いと思いますけど、故障している場合は新品同様にピカピカにする序(つい)でに直(なお)してくれるのでしょうか??

 後(あと)でこ(・)っ(・)そ(・)り(・)と汚(よご)れていて故障している物を触(さわ)って確かめてみる事にしましょう。


サブリエル

「 う~~~ん……、後(あと)はど(・)ん(・)な(・)効果があるのかしらね?? 」


?

『 悪霊化,怨霊化,死霊化した残留思霊体を浄化させ、成仏させる事が出来るぞ 』


サブリエル

「 へぇ~~悪霊,怨霊,死霊を成仏ねぇ。

  そう言えば…悪魔祓いの主人公が聖女様を目指すゲームで、そんな事も出来てたかも………………ん?? 」


?

『 どうしたぁ? 』


サブリエル

「 ……………………今って……部屋には私しか居(い)ない筈だけど??

  窓もドアも鍵を掛けてるから誰も入って来(こ)られない筈…… 」


?

『 あぁ…そんな事か。

  気にするな。

  我には無意味だからな 』


サブリエル

「 んんんんん??

  無理??

  えっ、誰??

  本(ほん)当(とう)に誰か居(い)るの?? 」


 私は自室を見渡してみました。

 だけど、私以外の姿は見えません。

 私以外は誰も居(い)ません。

 私……幻聴が聞こえてしまうぐらい実は疲れているのでしょうか??


?

『 おぉ、済まんな。

  姿を消したままであったわ 』


 姿の見えない声の主(ぬし)が、言葉を発すると見知らぬ人── 光の加減で色の濃淡が変わる紫色の髪を腰まで伸ばしている10代の少年 ──が立っていました。

 眉毛も睫毛も瞳も紫色です。

 全然知らない、見た事もない子供です。


サブリエル

「 …………ぼく…誰?

  何(ど)処(こ)から入って来(き)たの??

  泥棒とか暗殺者(アサシン)とかじゃないわよね?? 」


子供

「 安心せよ。

  我(われ)は泥棒でも無ければ暗殺者(アサシン)でもない。

  我(われ)は御(お)主(ぬし)の味方だ 」


サブリエル

「 初対面の子供に『 味方だ 』とか言われても…… 」


子供

「 我(われ)は御(お)主(ぬし)には危害を加えん。

  安心せよ 」


サブリエル

「 はあ……それはどうも…… 」


子供

「 自己紹介が先だな。

  『 初めまして 』だ、サブリエルよ。

  我(われ)は “ 創生王 ” である。

  母なる惑星のコア(核(かく))から生まれし〈 皇(コウ) 〉と〈 神の遣い 〉の手によって生み出されし存在である。

  我(われ)──創生王は、精霊王,妖精王を兼任しており、精霊と妖精を生み出す事が出来るぞ 」


サブリエル

「 創生王…様? 」


創生王

「 うむ。

  あぁ、畏(かしこ)まらずとも良(よ)いぞ。

  楽(ラク)にせよ。

  サブリエルよ、御(お)主(ぬし)は≪ シピアンドダレ大陸 ≫で暮らしている陸(りん)民(みん)の誰よりも〈 大(信)陸(仰)神(神) 〉に対して信心深く、信仰心が強く,高い人間だ。

  〈 皇(コウ) 〉が長期出張で≪ シピアンドダレ大陸 ≫から長期不在された日から早(はや)1000年──、サブリエルのような強くて高い信仰心を持つ人間は初めての事だ。

  よって、我(われ)は御(お)主(ぬし)に “ 精霊王の祝福 ” と “ 妖精王の祝福 ” を授けた。

  人妻でありながら未(いま)だに男(ケダモノ)を知らぬ処女(おとめ)である事もポイントが高い故(ゆえ)、“ 創生王の祝福 ” も授けたのだ。

  サブリエルよ、御(お)主(ぬし)は人間でありながら、創生王である我の眷属となれたのだ。

  心の底から喜ぶが良(よ)い! 」


サブリエル

「 えぇと……私は創生王様から……創生王様の祝福,精霊王様の祝福,妖精王様の祝福…を授けられた事で──、魔法が使えるようになった……という事ですか? 」


創生王

「 うん?

  魔法とな?

  あぁ……浄化の事か 」


サブリエル

「 浄化……じゃあ、やっぱり浄化魔法なんですね! 」


創生王

「 違うぞ。

  “ 浄化 ” と言う魔法は≪ シピアンドダレ大陸 ≫には存在しない。

  浄化は奇蹟の力だ 」


サブリエル

「 奇蹟の力??

  えっ……奇蹟!? 」


創生王

「 フフン!

  ≪ シピアンドダレ大陸 ≫の中で奇蹟の力──浄化を扱えるのは、異世界から召喚された異世界人の聖女とサブリエルぐらいだな。

  サブリエルの浄化力は、異世界人の聖女に授けた浄化力を遥かに凌駕するぞ!

  何(なに)せ、創生王,精霊王,妖精王の祝福を授けているからな!

  然(しか)もだ、創生王の眷属でもあるのだから、異世界人の聖女よりも格上だぞ! 」


サブリエル

「 …………マジですか? 」


創生王

「 事実である!

  異世界人の聖女は浄化力を高める為に妖精や精霊と契(ちぎ)りを交わさなければならないから大変だな。

  身体(からだ)に負荷の掛かる妖精眼(がん),精霊眼(がん)を授ける訳にもいかんから、妖精,精霊が見え、対話の出来るツェルクを相棒に付けてやったわ 」


サブリエル

「 ツェルク?

  創生王様、ツェルクって何(なん)ですか? 」


創生王

「 ツェルクは小(こ)人(びと)の事だな 」


サブリエル

「 小(こ)人(びと)…ですか?

  白雪姫に登場する小(こ)人(びと)みたいなのですか? 」


創生王

「 うん?

  白雪姫が何(なに)かは知らんが、小(こ)人(びと)には森の精,山の精,海の精…等(など)が居(お)るな。

  妖精にも精霊にも属してない種族だ。

  ≪ シピアンドダレ大陸 ≫では、小(こ)人(びと)と言えば “ ツェルク ” を指すぞ。

  歌や踊りが好きで働き者ばかりで、気の良(い)い奴(ヤツ)等(ら)が多いぞ。

  妖精,精霊と対話をしたいなら、ツェルクを雇うしかない。

  ツェルクは自然の一部を擬人化させた存在であるから、気(き)難(むずか)しい一面を持っている。

  機嫌を損ねさせ怒らせると自然を操り、災(さい)害(がい)を起こす脅威の存在となる。

  接し方には重(じゅう)々(じゅう)気を付ける必要が有るぞ。

  サブリエルは我の眷属であるからな、シェルクは無条件で手助けをしてくれるぞ! 」


サブリエル

「 そう…なんですか…。

  ──創生王様、浄化が奇蹟の力と言うことは、私は〈 ノマ 〉のままで、魔(ま)法(ほ)力(りき)も無いんですか? 」


創生王

「 当然だな。

  奇蹟の力を使うのに素質も魔(ま)法(ほ)力(りき)も必要ないぞ。

  対価を支払う必要もないから、寿命も縮まらんぞ 」


サブリエル

「 寿命が縮む?

  対価を消費する──ってどういう事ですか? 」


創生王

「 “ 対価 ” は “ 魔(ま)法(ほ)力(りき) ” の事だぞ。

  魔法を発動させるには、魔(ま)法(ほ)力(りき)が必要となる。

  “ 支払う ” は “ 消費する ” という事だ。

  魔(ま)法(ほ)力(りき)を消費する事で、魔法を発動させる事が出来るのだ。

  これが出来るのが、素質持ちの〈 エナ 〉だ。

  魔法使いが魔法を使う事が出来る仕組みだな 」


サブリエル

「 そうなんですね。

  魔法を使う度(たび)に寿命が縮むんですか? 」


創生王

「 魔法を発動させるには呪文がある。

  呪文を正しく詠唱すれば魔法を使っても寿命は縮まんぞ。

  呪文とは術者が安全に対価を支払い魔法を使う為に必要なものだ。

  呪文は対価を正しく支払う為に必要不可欠な儀式なのだよ 」


サブリエル

「 呪文を唱えれば…詠唱すれば寿命は縮まないんですか? 」


創生王

「 ただ呪文を詠唱するば良(よ)い訳ではないぞ。

  正しく呪文を詠唱しなければ、安全に対価を支払う事は出来ん。

  時代が変わっても人間はせ(・)っ(・)か(・)ち(・)だからな。

  呪文の詠唱を短縮詠唱,省略詠唱,無詠唱したりする。

  故(ゆえ)に正しく対価を支払えず、魔(ま)法(ほ)力(りき)だけでなく己(おのれ)の寿命も削っておる。

  寿命が減っても人間には分からんものよ。

  魔法使いが50年生きられん短命なのは、詠唱の仕方が間違っているからだ 」


サブリエル

「 …………そう、何(なん)ですね…。

  全然知りませんでした… 」


創生王

「 〈 ノマ 〉なら知らずとも当然だ。

  〈 エナ 〉ですら知らん者が多いのだから気にする事はないぞ 」


サブリエル

「 …………何(なん)の対価も支払わないで奇蹟の力を使えるなんて……。

  創生王様、それで本(ほん)当(とう)に良(い)いんでしょうか? 」


創生王

「 問題ないぞ。

  奇蹟の力──浄化を悪用しなければいいんだ。

  私利私欲の為に悪用しない事が条件となる。

  これを守る事が対価となっておる。

  この条件を破り、悪用すると心臓が握り潰されるような激痛を味わう事になるぞ。

  一晩中、激痛に苦しむ事になるのだ 」


サブリエル

「 あぁ……それなりの報い……罰(バツ)は受けるんですね~~。

  『 タダより怖いものは無い 』って本(ほん)当(とう)ですね 」


創生王

「 悪用しなければ良(よ)いだけの事だ。

  実に簡単であろう!

  信仰心が強く高い御(お)主(ぬし)ならば、道を踏み外(はず)す事は早(そう)々(そう)ないであろう? 」


サブリエル

「 …………創生王様、私は聖人君子ではないですから、道を踏み外(はず)さない自信がないです 」


創生王

「 聖人君子にはなれずとも、聖人君子に近付く為の努力は出来るであろう。

  無理して聖人君子にな(・)ら(・)ん(・)でも良(よ)いし、態(わざ)々(わざ)真似んでも良(よ)い。

  近付く努力をすれば良(よ)いのだ 」


サブリエル

「 …………はい… 」


 私は知らない内に “ 創生王様 ” という存在から見(み)初(そ)められて──、知らない内に精霊王の祝福,妖精王の祝福,創生王の祝福を授けられて──、知らない内に創生王様の眷属にされていたようです。

 魔法の素質が無い〈 ノマ 〉のまま、魔(ま)法(ほ)力(りき)が無くても、何(なん)の対価を支払わなくても── 浄化を使う為の厳しい制約(条件)はあるみたいですけど ──浄化(奇蹟の力)を発動させれるようになったみたいです。

 異世界から召喚された異世界人の聖女様が ≪ シピアンドダレ大陸 ≫に居(い)る事には驚きましたけど、聖女様が授かった浄化力より遥かに威力があるなんて…………寝耳に水というか……要(い)らないオプションなんですけどぉ!!

◎ 訂正しました。

  呪文とは師が ─→ 呪文とは術者が

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