脱出
おれたちがこの五芒星城塞にやってきた、古墳からつながる不思議な魔法通路。おれたち『暁の刃』と『白銀の翼』は、相談の結果、あれを使って、五芒星城塞を出ることにした。
なにしろ、エミリアに聞いたら、ここに来るまでの間に、自ら退路をさんざんぶち壊してきてしまったらしい。
どうやって帰るつもりだったんだよ、この人たちは。
まあ、これくらいの実力があれば、なんとかなっちゃうのかも知れないけどな。
通路の向こうでは、なんと、サバンさんをはじめとする全員が、おれたちを待っていてくれたのだ。(後で聞くと、サバンさん側では、おれたちが飛びこんでからそんなに時間が経っていなかったらしい。時間までおかしくなってんのか、この穴は!)
「おうっ?」
「むっ?!」
「えっ、あなたたちは?」
「これはいったい?」
順に穴から這い出てきたおれたちに、みんなビックリしていた。
なにしろ、入った時から人数が倍に増えている。
そして、最後におれが這いだしたとたん、
「ひいっ、あれは!」
フローレンスさんが悲鳴を上げ、
「おお、まさに呪いの仮面じゃっ!」
「むうっ、こいつ、ついて来やがったか?!」
サバンさんがその大剣をかまえ、狂戦士の迫力全開で殺気をぶつけてきた。
目をギラリと赤く光らせ、筋肉も膨張し、今にも突撃してきそうなサバンさん。
とてつもない殺気が、まるで本当の拳のようにおれを直撃し、
「うひぃいいいいっ!!」
おれは一瞬で腰をぬかした。
「ちっ、ちがいます! サバンさん! おれです! アーネストです!!」
尻もちをついたまま、おれは必死で弁解する。
「ああ? アーネストだあ?!」
「はいっ!」
「ほんとかあ? ふざけんじゃねえぞ!」
「ほ、ほんとですぅ!」
「あの……サバンさん……信じられないでしょうが、これには事情がありまして……」
と、エミリアたちが説明してくれて、なんとかおれは、サバンさんに斬り殺されずにすんだのだった。




