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43 達成不可能な試験(6)
「ミシェル…誤解の無いようにお伝えしますが、私は合格できないような試験は用意いたしません。父親に関する資料は当然あります」
「しかし…」
「確かに…ミシェルの言う通りおかしな部分はあるでしょう。ですが、それは私が『人間』…いえ…『生き物』であるという前提の話です」
「…?どっ…どういう意味でしょう?」
さらに眉間を深くし、困惑の色を表情に出すミシェル。もはやお手上げだと言わんばかりの彼女にアリアは確信の部分へと迫る。
「私が『生き物』でないという意味です。『生き物』でなければミシェルのスキルの対象外です。800年前…といった縛りも関係ありません」
「…!?しかし『父親』によって生み出されたと…」
「ええ…そうです。世の中というのは不思議なもので、『物』に対し意思を吹き込む者がいるようです」
「まさか…」
突然の告白に絶句するミシェル。目の前の美しき女性が…敬愛する者が人ならざる者であるという事実。これはこの世の中でも存在しない…秘匿するべき情報である。




