第二十三話 高速の三日間
高度魔法世界第2層を攻略し始めて2日目。
『ミッション 【日本は今日も元気です】
資源チップを納品しましょう
鉄鉱石:150枚 食糧:50枚 エネルギー:250枚 希少鉱石:150枚
非鉄鉱石:150枚 飼料:100枚 植物資源:100枚 貴金属鉱石:100枚
汎用資源:150枚
報酬 LJ-203大型旅客機 8機
依頼主:日本国経済産業大臣 鈴木市太郎
コメント;日経平均株価、戦後初の30000円台突破!』
『ミッション 【国内安定のために】
資源チップを納品しましょう
鉄鉱石:50枚 食糧:50枚 エネルギー:60枚 希少鉱石:25枚
非鉄鉱石:50枚 飼料:50枚 植物資源:50枚 貴金属鉱石:20枚
汎用資源:25枚
報酬 エアバスA-620大型旅客機 2機
依頼主:フランス共和国32代大統領フランソワ・メスメル
コメント;ようやく暴動が治まりました』
「さー、今日も元気に皆殺しですよー!」
「丸焼きでござる!」
絶好調な日本経済、沈静化を見せるフランスの治安。
両国の期待と命運を一身に背負った俺達は、今日も元気にエルフ祭りじゃあぁぁぁぁぁ!
この日、高峰嬢が要塞の前線司令部を2つ潰して魔石を1500個回収。
俺と白影のコンビは、要塞の主要動力源を1つ潰して、魔石を350個回収した。
たぶん、要塞の1割は制圧した感じがする。
俺は従者ロボと協力して、要塞のコンクリート内部にC4を埋設していく。
もはや癖だね。
「今日の夕御飯は、天麩羅と御饂飩ですよー」
「おぉ、麺類はしばらく振りだから楽しみだな」
「……くっ」
高度魔法世界第2層を攻略し始めて3日目。
『ミッション 【絶対無敵・日本経済】
資源チップを納品しましょう
鉄鉱石:150枚 食糧:50枚 エネルギー:250枚 希少鉱石:150枚
非鉄鉱石:150枚 飼料:100枚 植物資源:100枚 貴金属鉱石:100枚
汎用資源:150枚
報酬 LJ-203大型旅客機 8機
依頼主:日本国厚生労働大臣 田中正栄
コメント;グンマミクスのお陰で、失業率が1%台になったよ』
『ミッション 【国内への物資補給】
資源チップを納品しましょう
鉄鉱石:50枚 食糧:50枚 エネルギー:60枚 希少鉱石:25枚
非鉄鉱石:50枚 飼料:50枚 植物資源:50枚 貴金属鉱石:20枚
汎用資源:25枚
報酬 エアバスA-620大型旅客機 2機
依頼主:フランス共和国32代大統領フランソワ・メスメル
コメント;デモが鎮静化を見せています。本日もよろしくお願いします』
「ヘイヘーイ、エルフと獣人共がわらわらと湧いてきましたよー!」
「飛んで火に入る夏の蟲でござるなぁ!」
3日目にして敵は俺達の脅威度を正しく認識したのか、俺達のダンジョン入りと共にサイレンが鳴って、要塞のコンクリート壁に敵兵達がズラリと並ぶ。
俺達が入り口付近のセーフゾーンから出た途端、魔道兵器の嵐が襲ってくるだろう。
「まあ、開幕ブッパは基本だけどな」
そんな不安は、昨日のうちに俺が仕掛けておいたC4爆薬の爆破と共に消し飛ばす。
吹き飛ぶコンクリート、壁のように視界を覆う爆炎、空を埋め尽くさん勢いの黒煙。
いやぁ、開幕ブッパって素敵ね!
「ひゃぁ、これがぐんまちゃんの十八番、汚い花火ですねー!」
「拙者のカトンジツと系統が似ているでござるなぁ。
…… これも運命という奴でござろうか?」
うっとりと妄想を繰り広げながら、俺に寄り掛かる白影。
無邪気な笑顔で開幕ブッパを見ていた高峰嬢の表情が、あからさまに固まった。
「…… ヘイヘーイ」
この日は、狂った笑顔の高峰嬢が、要塞の地上火砲群を駐屯兵力ごと全て叩き切り、魔石を2800個回収。
俺と白影のコンビは、カトンジツで2つの区画を蒸し焼きにした。
熱がなかなか冷えないので、魔石の回収は明日に回す。
今日で要塞の4割は死滅したことだろう
「今夜の夕食は、拙者の故郷、ノルマンディーの郷土料理でござる!
美味しい海鮮料理をご賞味あれ!」
「おぉ、フランスの海鮮料理は和食とは全然味付け違うから、毎回楽しみなんだよ」
「………… へいへぇい」
高度魔法世界第2層を攻略し始めて4日目。
『ミッション 【明るい未来のために】
資源チップを納品しましょう
鉄鉱石:150枚 食糧:50枚 エネルギー:250枚 希少鉱石:150枚
非鉄鉱石:150枚 飼料:100枚 植物資源:100枚 貴金属鉱石:100枚
汎用資源:150枚
報酬 LJ-203大型旅客機 8機
依頼主:日本国文部科学大臣 小泉貫太郎
コメント;今年の大卒者、高卒者の就職率、今の時点で99%を達成! 100%も夢ではない!』
『ミッション 【パンと明かりと仕事を】
資源チップを納品しましょう
鉄鉱石:50枚 食糧:100枚 エネルギー:60枚 希少鉱石:25枚
非鉄鉱石:50枚 飼料:100枚 植物資源:50枚 貴金属鉱石:20枚
汎用資源:25枚
報酬 エアバスA-620大型旅客機 2機
依頼主:フランス共和国32代大統領フランソワ・メスメル
コメント;なんでデモって無くならないんでしょうね?』
「ヘイヘーイ、エルフと獣人共が私達の姿を見て逃げていきますよー」
「むむ、敵前逃亡は殺処分でござるよ!」
要塞に侵攻して4日目になって、敵から逃亡兵が出始めたようだ。
いや、あれは俺達が来たことを確認しただけだろうか?
どちらにしろ、用心するに越したことはなさそうだ。
今日は別れずに、一緒に攻略を進めるか。
「嫌な予感がしないでもない。
今日は一緒に行動しよう」
「良いですね!
やっぱり戦ってる最中にぐんまちゃんの気配を感じないのは、不安だったんですよー!」
「そうでござろうか?
警戒のし過ぎだと思うでござるよぉ。
別々に探索した方が効率的でござる!」
正反対の反応を見せる二人。
従者ロボは、新たにダンジョンへとやってきた他国の探索者を、無言の威圧で追い返している。
おいおい、さり気なく国際問題を振り撒かないでくれ。
俺は全力で見なかったことにした。
知らなかったんですぅ。
扉の前にたまたま無人兵器を置いていただけですぅ。
勝手に他国の人が無人兵器にビビって帰っちゃっただけなんですぅ。
「納得いかないでござる!
トモメ殿、再考の願いを上奏致す!」
「ヘイヘーイ、無駄な足掻きは止めなさーい!」
「よーし、今日は俺頑張っちゃうぞー」
キングクリムゾンはしないけど、早送りはしちゃうスタイル。
次はボス戦ですね!