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俺と君達のダンジョン戦争 作者:トマルン

第二章 序盤戦とか外交とか色々

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第八話 NINJA来襲!

 女傑エデルトルート率いる人類同盟から加入を要請された後、親日国からは散々渋られ、嫌日国からは嫌味を言われながらも、何とか要請を後回しにすることができた。

『今は手を取り合えずとも良い、しかし、いつか必ずお前達を迎えに行こう』

 去り際のエデルトルートの言葉が、帰途にある今でも耳に残っていた。
 なにせ、あれこれうるさかった各国の探索者達を説得してくれたのは、他でもない最初に誘ってきた彼女だ。
 どのような意図があるにせよ、彼女は日本の独自行動を今の所は容認してくれるらしい。

 先導して歩く高峰嬢を見る。
 彼女は最初から圧倒的強者だったが、3つの階層を制し、その度に進化して、今となっては間違いなく人類最強と言って良いだろう。
 魔界ダンジョンが第2層となった今でも、その戦力優位は揺らがない。
 きっとこの階層も数日でボス撃破を達成できるはずだ。

 しかし、だからこそ現状のままでは危うい。
 高峰嬢一人に依存した戦術なんて、二方面から攻められただけで、すぐに破綻する。
 ましてや、高峰嬢は遠距離攻撃能力がなく、地上戦特化だ。
 高空からの遠距離攻撃には、ほとんど対抗手段を持ち合わせていない。

 今後、人類同士のパワーゲームとなった時、主戦力の高峰嬢と補助の従者ロボでどこまで抗えるのか……
 もう一人、高峰嬢並とまでは言わないが、現状の階層ボスを単独で撃破でき、遠距離攻撃能力を持つ戦力が欲しかった。
 いや、贅沢言っているのは自覚してるけどね!

 そんなことを考えていると、いつの間にかスタート地点に戻って来ていた。
 うず高く積まれた人類同盟の物資は、俺達が見た時よりもさらに量が増えている。
 物資の四方には防犯対策なのか、無人のガンポッドが設置されており、周囲を警戒していた。
 ご丁寧に縄張りもされており、進入禁止の看板まである。

「やっと帰れましたー。
 流石にちょっと疲れちゃいましたねー」

 高峰嬢はそんなことも気にせずに、さっさと根拠地への扉を開けて帰ってしまう。
 まあ、気にする程のことでもないか。
 祖国に生中継されているので、露骨な嫌がらせもできない。
 俺は高峰嬢に続いて扉をくぐっていった。

 扉の先には、何故か俺を待ち構えていた高峰嬢。

「おかえりなさい、ぐんまちゃん!」

 自分も同行していたのに、ニコニコしながら高峰嬢は俺を出迎える。
 彼女の意図は理解できないが、ここは乗っかることにしよう。

「ただいま、高峰嬢」

「お邪魔するでござる」

 全身を朱に染めた高峰嬢の笑顔が、あからさまに固まった。



 目の前に並ぶのは、ごはんとみそ汁、鳥の照り焼きを主菜として、副菜に里芋の煮っ転がし、添付にはきんぴらや牛肉のしぐれ煮などの4種盛り、種々の野菜が散りばめられた大根サラダ。
 デザートには、プルプルに透き通った水まんじゅう。
 家庭的の域こそ出ないものの、随分と手の込んだ夕食だ。
 これを毎晩作っている高峰嬢には、本当に頭が下がる。

「おぉ、念願の日本食!
 拙者、遂に夢が一つ叶ったでござる!!」

「ちゃーんと、いただきまーすの挨拶しないとー、ダーメですよー」

 すったもんだの末、ちゃっかり食事の席についているNINJA白影、本名アルベルティーヌ・イザベラ・メアリー・シュバリィー。
 俺達の後をついてきた理由を尋ねると、彼女の根拠地には白影一人しかおらず、なんとなく寂しいらしい。
 家族の話題に引き続き、またもや地雷を踏みぬいた俺は、もはや居たたまれなくなって彼女を食事に誘ったのだ。

 食事の席では流石に白影も顔の頭巾は取っており、黙っていればフランス人形のような端正な顔立ちが露になっていた。
 肩甲骨まで伸びている彼女のポニーテールが、今の心境を示すかのように軽やかに跳ねている。
 そんな彼女を見る高峰嬢の顔は、俺を出迎えた時の笑顔のままずっと固定されていた。

 同じ席に着く従者ロボは、我関せずといった風にロボ同士、身振り手振りで会話?している。
 しかし、俺の斜め前に座る美少女1号が、先程から俺の足を踏み続けているのは何とかならないだろうか?
 軍靴を履いているから何とかなっているものの、潰れちゃいそうなんだが。

 美少女1号の足を、踏まれていない方の足でコンコン叩きながら、退かして欲しいと頼み込んでいるが、聞こえていないかのようにそっぽを向かれてしまった。
 それを見ている従者ロボは、やれやれと言わんばかりに首を振っているのが印象的だった。
 うん、完全に自我があるね、彼ら。

 諦めて食事を続けるが、どうにもこうにも場の空気がギスギスしている。
 白影がマイペースに食事を楽しんでいるのが、救いだった。

「なあ、高峰嬢」

「なんですか、ぐんまちゃん?」

 仕方ない、とりあえず媚びるか。

「この照り焼きすごく美味しい。
 好みの味付けだ」

 効果は覿面てきめんだった。
 能面のような笑顔が、瞬く間に崩れ去っていく高峰嬢。
 やはり彼女は、料理を褒められることに弱いようだ。
 きっと実家とかでも戦闘狂扱いされていたのだろう。

「ふふふ、そうなんですか?
 それならこの味付け、ちゃんと覚えておきますね!」

 高峰嬢がニヘラと笑う。
 うん、能面みたいな笑顔よりも、こっちの方が俺は安心するな!
 仕方ないじゃない、ビビりなんだもの。

「………… ふーん」
高峰嬢:日本人形
NINJA:フランス人形
美少女:機械人形
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