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俺と君達のダンジョン戦争 作者:トマルン

第二章 序盤戦とか外交とか色々

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第二話 懐かしき縁日のリンゴ飴

「ヘイヘーイ、逃げる魔物は悪い魔物!
 死んだ魔物だけが良い魔物ですよー!!」

 いつものように高峰嬢が謎理論を展開しながら、魔物達を蹂躙していく。
 樹木ごと寸断され、薙ぎ飛ばされる魔物達。
 木々の合間から断続的に無数の矢が放たれるも、高峰嬢は全てを避け、叩き落とし、その身にはかすり傷一つ負っていない。

『グオオオォォォォォォ』

 体高2mを超えるオーガの頭を掴み、巨体を振り回してゴブリンやコボルトを圧殺する。
 その拍子に首の骨を折られた哀れなオーガは、フレイムウルフの火炎放射から盾代わりにされた挙句、地面に叩きつけられてフレイムウルフごと大地の染みとなった。
 枝葉の隙間を潜り抜け、奇襲するハーピーや大蝙蝠。
 そんな彼らを迎え撃つのは、乱立していた木々を足場に三次元機動を繰り広げる高峰嬢。

 俺と従者ロボは、高峰嬢の戦闘を横目に見つつ、索敵と聞き耳、捜索を用いて、隠れている弓兵や地中に潜むドラゴンの掃討を行っていた。
 時折、護衛兵による反撃に合うが、1体辺り40億の装備コストを費やした8体の従者ロボは、力押しで難なく弾き返している。

 300体ほどの戦力を有していた敵主力は、200程度までその数を減らしている。
 戦況は俺達の有利とみて間違いない。
 しかし、十分に考えられていたことだが、やはり敵の損耗速度が想定よりも大幅に抑えられていた。

 既に襲撃から30分が過ぎているが、未だに敵は6割の兵力を保っている。
 高峰嬢の戦闘力ならば、例え魔物が武装していたとしても、半分の時間で9割を殲滅せんめつできているはずだ。
 どうやら、視界や動きが制限される森林地帯は、彼女をもってしても戦いにくいらしい。

 俺は護衛の従者ロボ4体と共に、敵の横合いに12.7㎜M2重機関銃を掃射しつつ、今後の探索予定を考える。
 今の戦闘評価だと、どう考えても1日1000体の目標値は達成が難しい。
 それだけでなく、この広大な森林地帯では、ボスの場所を見つけるだけでも一苦労だ。

 末期世界第2層も昨日解放されたことだし、一旦、魔界は放置して、天使狩りと洒落込しゃれこむか?
 だが、第2層になったことで、魔界では武装が解放されたのだ。
 天使達も何らかの強化がなされているはず。
 俺のスキルに耐魔力という死にスキルがあることから、もしかしたら魔法的な何かを使ってくることも十分に考えられる。
 そう考えると、所詮は武装して戦術が少しいやらしくなった程度の魔界を、最初に攻略すべきだろう。



 結局、敵主力300体を殲滅するのに2時間もかけてしまった。
 哨戒や移動の時間を入れると、ノルマの3割を達成するのに午前中まるまる潰した。

「こいつはやべぇ」

 本当にやべぇよ。
 近場の敵主力を潰したことで、周囲の敵は数体から数十体の小規模部隊がまばらに点在する程度だ。
 全てを虱潰しに相当していったところで、全部で200体に届けば良い方だろう。

 ヤバイ、ヤバイヤー、ヤバエスト。
 閉鎖環境で日本経済が失速するのは、本当にまずい!
 勝利を引っ提げて母国に凱旋したら、失業者に溢れていたとかシャレにならない。

 何か…… 何か考えなければ…………

「ぐんまちゃーん、今日のお昼はサンドウィッチですよ。
 こんな風に森の中で食べると、遠足みたいでワクワクしますね!」

 俺が思い悩んでいるというのに、高峰嬢はわざわざ木を切り倒して、切り株の椅子や丸太のテーブルを即席で作っていた。
 その上に外套がいとうから取り出した一抱えもあるバスケットと水筒を並べている。
 能天気なその姿に、思わずいらつく。

「じゃーん、ぐんまちゃんの好きなハム卵サンドですよー」

「いやっふうぅぅぅ!」

 流石、高峰嬢!
 普段アホの子で戦闘中はバーサーカーなのに、料理に関しては完璧なのだから恐れ入るぜ!!
 そういえば、食料の中にパンはなかったはずなのだが、このサンドウィッチのパンはどこから持ってきたのだろうか?

「パンは今朝焼いたばかりなので、どうぞご賞味あれ、です!」

 すごい、すごいよ高峰嬢。
 サンドウィッチは一つ一つ丁寧にピンで留められているし、文句のつけようがないよ!

「…………………… ぅん?」

 俺は思わず視線をピンに固定する。
 ピン…… 刺す…… 串刺し…… 囮…… 誘導…………

「———— そうだ、串刺ししよう」



『ギィェェェェェェェェェェェ』

 重要器官を極力傷つけないように、実は鉱石の木でできた即席の杭に、肛門から口腔まで貫かれたオーガが、悲痛な叫び声を上げる。
 手足をジタバタと動かすたびに、杭が揺すれて、全身を痛みが襲う様は、正に生き地獄。

 俺の前には、そんな生体オブジェが数十本並んでいる。
 様々な種族の魔物達が一様に串刺しされて、もがき苦しんでいる光景を見て、ふと、縁日の屋台を思い出す。
 そういえば、リンゴ飴とかこんな感じで売ってたなぁ。

 継続的に響き渡る魔物達の絶叫は、周囲数㎞まで聞こえることだろう。
 この声を聞いた魔物は、ここでどのようなことが行われているのか、想像するのは容易いはずだ。
 彼らの動きや戦術を観察すると、どうみても軍事組織のそれだった。

 ならば、生き地獄を味わっている同胞を救出しようと、想定される敵戦力以上の兵力を派遣する可能性がある。
 従者ロボ4体と高峰嬢が周辺を探索して、見つけた魔物を捕獲し、この光景を見せた後に逃がしているので、間違いなく魔物達の上位者には、この光景が伝わっているはずだ。

 高峰嬢達が連れてきた後に逃がした魔物の数が10体を超えた時、タブレットの哨戒マップに1000体を超える敵性集団が映し出された。
 よし、ノルマ達成。
 それじゃあ、高峰嬢達を招集して、C4でも仕掛けるかな。
子供の頃、家族や友人と回ったお祭りの屋台……
皆さんは屋台で何が好きでしたか?
私はチョコバナナと落書きせんべいが好きでした。
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