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異世界でギルド経営  作者: materialism
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援軍要請

俺は慣れない馬に乗り、王都に急行した。


魔王の大軍勢がケドニア国に向けて動き出したということで、

王都中、騒ぎになっていた。


俺はお城に出向き、メランさんを捕まえて話を聞く。


事の起こりは単純だった。

魔族たちが乗った船を見た警備兵が立入検査をしようとしたところ、

小競り合いになり、魔族の船を沈めてしまった。

それに怒った魔王が、軍勢を引き連れて現れたのだった。


「どうにも話が釣り合わないようだが?」

「確かに単なる報復が目的とは思えないわね。

船1隻の報復で魔王が大軍を率いて来る訳ないもの。」

「魔王には何か他の目的があるということか。」

「おそらくね。」


戦場は、魔王軍がケドニア国にむかうとしたら通るであろう、

平地に決まった。魔王軍には強力な魔法があり、

籠城戦はあまり意味が無いとのことで、

正面切っての会戦に持ち込むことになったのだ。


魔王軍は、数万の規模であるため、動きが遅い。

1ヶ月はかかるだろうということだ。

その間に、全ての都市にも兵を出すように指示を出し、

また、隣国アリタイにも援軍を要請することになった。


各都市のギルドにも参戦希望の冒険者を募り、

また、市民からも義勇軍を募る。


隣国アリタイへの使者は俺とトムに決まった。


火急の使者ということで、専用の馬車が用意され、

海洋都市アクアに行き、そこから王族用の

快速船でアリタイ国の王都を目指す。


王都には自然の河川を利用した運河があり、

快速船でそのままアリタイ国の王都に着いた。

そこまででなんと3日の行程だった。

流石は王族用の快速船といったところか。


その足で、お城に向かった。


「元勇者ユーキ殿、よく参られたな。」

謁見の間に通された俺たちに、

鷹揚にアリタイ国の国王が言う。


アリタイ国王は見た目30代くらいに見える

ナイスガイといった印象だった。

茶色い髪やよく日焼けした肌が実に健康的に見える。


さてどうやって、話を切り出したものかと

少し考えていると、


「コルネリア!」

とトムが小さく叫んだ。

トムもびっくりしているが、俺もビックリだ。

なにしろコルネリアが王族の席にいるのだ。


「我が娘がどうしたのだ?」

「なんでもありませぬ。

それよりも陛下、我が国に魔王軍が迫っております。

我が国が魔王軍の手に落ちれば、隣国のアリタイにも

その勢いのまま攻め込んで参りましょう。

ここは、援軍の派遣を何卒お願い致します。」


「それは分からんではないが、ケドニア国は我が使者を追い返したのでなあ。」

うわあ、意外と執念深いのね。

どうしようかなあと悩んでいると、


「お父様。私は、意地悪をする、お父様は嫌いです。

そもそも、私を留学先のケドニアから帰国させたのも、

魔王の動向を掴んでいたからでありましょう。

また私は、お父様が魔族討伐のための兵をあちこちで募っているのを

知っていますよ。」

と、コルネリアが割り込んできた。


よし、これは行けるな。


「陛下、魔王軍を討伐した暁には、

使者を追い返した件はいくらでもお詫びいたします。

しかし、今は大事の前の小事、ここは我が国と共闘し、

魔王の討伐をいたしましょう。」


「む・・・、相分かった」


コルネリアからの突き上げが効いたのか、

アリタイ国王は観念したようだった。


「ただし、ケドニア国王からの指示は受けんからな。あくまで共闘だぞ。」

「承知いたしました。御心のままに。」


俺とトムは深々と頭を下げた。


謁見の間から退出すると、

トムが感心したように言う。

「それにしても、ユーキはアリタイ語が上手いな。」


ああ、俺はアリタイ語を話していたのか。

魔法のおかげで、俺はどんな言語も流暢に話せるらしい。

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