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異世界でギルド経営  作者: materialism
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ダメな大人

先物取引について、トムはまだ疑問があるようだ。

次の質問に移ろうかというとき、

ノックの音が聞こえてきた。

「トムさんは、いらっしゃいますか?」


なんだ、トムに来客か。


「お手紙が届いていますよ。」と

宿屋の人が手紙を届けてくれた。


「おお、ありがとうな。」

なんだか、一人前に手紙を受け取るトム。


なんと、ケドニア国からアリタイ国までの

船で一緒だった、コルネリアからの手紙だった。


「なんて、書いてあるんだ?」

「夕食、食いに来ないかってさ。」


なんとまあ。

必ず手紙を書くとは言っていたが・・・

「随分、気に入られたようだな。」


「まあな。羨ましいだろ。」

トムは得意満面だ。

まあ、あれだ。学生時代、足が速いだけでモテるようなもんだな。

そうだ。いい気になれるのも今だけだ。


トムは夕食をコルネリアの所で食べる気満々だし、

俺は宿で1人で食べるのも寂しいので、

居酒屋でも探すかと街に出た。


あてもなく、歩いていると、

居酒屋ではなく、酒屋があった。

飲むスペースは無い。


しょうがないので、酒を買い込んで、

宿屋に戻り、ベッドの上で浴びるほど飲んで寝た。

ダメな大人だ。まったくしょうがない。


朝になり、二日酔いの頭を抱えながら、

卸問屋の責任者のところに向かう。


精神をなんとか集中して商談を始める。

「で、どうでしょう。お話は考えては頂けたでしょうか?」

「その件なのですが、お断りすることにしました。」


ええ!値上がりすると思っているなら、

断る理由なんて無いでしょうに。


「ええと、念のため理由をお聞かせ願えますか?」

「はい。もちろん。」


3ヶ月後の取引を今やってしまうというのは魅力的ではあるが、

仕組みの良く理解できないことに大金を突っ込むのは難しいこと。

その一点だった。


俺は慌てて、先物取引の買う側のメリットについて説明を始める。

「値上がり傾向なのは確かなのでしょう?

ここで、今の値段で3ヶ月後の仕入れの約束をしておけば、

安定供給が実現できますよ。卸問屋に在庫が無くなってしまったら、一体どうするんですか?」

「ええ、その点についても、卸問屋内で話し合ったのですが、

仕組みの良くわからないものにはカネを出さないというのが、

うちのポリシーでして・・・。」


なんと。

賢明と言えば賢明なんだけど、

さて、俺はどうしよう?


これで、何もできずにケドニアに帰る訳にもいかないぞ。

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