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異世界でギルド経営  作者: materialism
28/47

想い

カネが足らず傭兵を雇えないが、

せっかくなので、傭兵都市タルパスのギルドの

様子を見て行くことにした。


見ると、王都のギルドに比べれば、

高額な依頼が並んでいる。

高額な依頼には冒険者ランクが付いており、

ランクA限定、ランクA、B限定など、

ランクで管理しているようだ。


ランクの上げ方を説明した冊子があったので、

それを貰っておく。


この辺の仕組みを、

王都と傭兵都市タルパスで共通化してしまえば、

傭兵都市タルパスでランクAの冒険者を

引っ張ってきやすくなるなあ。


次回来た時に、傭兵都市のギルドの責任者に話をしてみよう。


さて、収穫はほとんど無いが、

以上で、王都に帰った。


そして、王都のギルドの様子を見に行く。


窓口は結構繁盛していた。

やっぱり、犯罪者を3人ギルド内で捕まえて、

金貨300枚は美味しかったよねえ。


冒険者が途切れたところでメリッサさんに話しかける。

「繁盛しているみたいだな。」

「ええ、本当に。どうやったらランキングが上がるのかという質問が多いけどね。」

「ふむふむ。」

「窓口経由で依頼を受ける冒険者も増えて来たし、貴方の目論見通りじゃないかしら。」

なんだか、俺が悪さを計画していたみたいな言い方だなあ。


そういえばと、傭兵都市で貰った冊子を手渡す。

「何これ?」

「傭兵都市のギルドの冊子だ。一応、参考になるかと思ってな。」

「ふーん。」

あまり嬉しそうではないな・・・


「それでだ。また近衛兵長から依頼を受けたいんだが、

使えそうな冒険者は何人くらい集めれられるかな?」

「何人?そうねえ、10人くらいは集められるじゃないかしら・・・」


うーん。そうだよねえ。

数十人の盗賊団を掃討するなら、100人は欲しい。

だが、王都のギルドでは10人程度か・・・


前払金があれば、傭兵を雇うことも出来るが、

前払金は無い。そもそも金額も足りない。


こう考えながら、俺は断るという選択肢を

全く考えていないことに気づいた。


王都と農業都市の街道が安全になれば得られるメリット、

その恩恵は王様だけではなく、行商人や都市の人々にも、

もたらされるだろう。


その想いが俺を駆り立てていた。


「詳細は話せないが、出来るだけランキングの高い中でも

戦闘が得意な冒険者たちを集めておいてくれ。」

「何人集めたらいいの?」

「出来るだけ多く、だな。」


メリッサさんが、ふっと笑った。

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