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異世界でギルド経営  作者: materialism
22/47

近衛兵長との交渉

近衛兵長は続ける。


「警備兵は犯罪者を追いかける必要がなくなり、

本来の城内の警備に集中できる。

一方、冒険者は高額な賞金稼ぎができる。

ギルドも手数料を多く取れる。か・・・」


「はい。そちらにとっても損は無いと思います。」

これこそ、Win-Winだ。


相手の言い分も、自分の言い分も、両方通らないのが、

Lose-Lose。


相手の言い分、もしくは、自分の言い分のどちらかが

通るのが、Win-Lose。


こちらの言い分も、相手の言い分も、両方が通る。

これが、Win-Win。


交渉術というと、Win-LoseのWin側になる方法を想像する人が多いが、

Win-Winこそが交渉の理想だ。


「ならば、まずは試してみるか・・・」

近衛兵長は独り言のように呟いた。


そして、書類を何枚か持ってきた。

見ると、似顔絵が3枚、それに、

目印が付けてある王都の周辺の地図が1枚だ。


「ここに居ると分かっているのですか?」

「偵察部隊にある程度は探らせてあるからな。」


初めはコソ泥に毛が生えたようなものだったが、

最近では、城外の洞窟に居を構えて、通りかかる

装備が貧弱な旅人を襲うとのこと。


「人数は3人で間違いはありませんか?」

「分かっている人数は3人だが、もしかしたら仲間を増やしているかもしれない。」


うーん。結構リスクがあるな。

報酬はどのくらい貰えるのだろう?


「本当であれば、警備兵5人を派遣しようとしていた案件だ。

もし1週間以内に逮捕してくれるなら金貨1000枚払おう。」


もし、冒険者を5人雇って乗り込むとしたら、

1人あたり金貨200枚か・・・

探す手間は無いとは言え、ちょっと少なくないか?


「もし、3日以内に逮捕できれば、金貨1500枚にしてもらえますか?」


俺の提案に、近衛兵長は目を細める。

「いい提案だね。取引成立だ。」


近衛兵長と俺は固く握手をした。


金貨1000枚で思い出したが、

いまだにギルド立て直し費用の金貨1000枚が貰えていない。


メランさんを捕まえて、金貨1000枚を受け取った。

やっと、宿泊費を気にしなくても良い身分になれたな。


それと気になったので、少し質問をしてみる。

「近衛兵長をなんでそんなに嫌うんだ?手を握られるのがそんなに嫌か?」

「ああ、手を握られるだけならなんてことないわ・・・。なんて言えばいいのかしら。」

「?」

「近衛兵長は勘違いしやすいのよ。すぐ好かれたと思っちゃうの。」


ああ、そういう人いるよねえ、と、ちょっと同情してお城を去った。

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