賞金稼ぎの履歴管理
いつものように宿屋の朝食を腹一杯食べて、
今日はギルドに向かった。
ギルドが開く9時前にも関わらず、
メリッサさんは忙しく働いていた。
「おはよう。」
声をかける。
「あら、ちょうど良いところに。履歴管理の仕組みを作ってみたわよ。」
メリッサさんは興奮気味だ。
見ると、病院のカルテのようなファイルが棚にいくつも並べてある。
1つ1つのファイルに冒険者の情報がそれぞれ書いてあるのか。
「窓口経由で依頼を受ける冒険者は少ないから履歴管理はできないんじゃなかったのか?」
素朴な疑問をぶつけてみる。
「ああ、だから、これらはすべて賞金首を捕まえた履歴しか入っていないわ。」
「1日で、こんなに捕まったのか?」
「そんなことある訳ないでしょ。賞金を払った履歴を残してあったのよ。」
流石は元会計補助といったところか。
適当に棚から抜き出してみると、
賞金をかけた日、捕まえた日、払った金額など
詳細な情報が綺麗に並んでいる。
やはり、払った金額は金貨100枚が多く、
高額なものでも300枚が限度だ。
「ところで、凶悪な賞金首の依頼は、ギルドには来ないのか?」
「あんまり凶悪な場合は、警備兵か近衛兵が対応するわね。」
それで安いのか。トムも賞金稼ぎは安全だと言っていたしな。
「それから、ギルドカード出来ているわよ。」
おお、ギルドカードだ。
これで身分証明書を求められても安心だな。
「ところで、特典は準備できたの?」
痛いところを突いてくるなあ。
正直にもう少し時間がかかることを伝えた。
メリッサさんが、ジーッと蔑むような目で、こちらを見つめてくる。
地味に辛い。
追求から逃れるために何か話題を変えないと。
「ところで、賞金首をたくさん捕まえたら、表彰されたりはしないのか?」
「ええ、されることもあるわよ。最近はあまり見ないけど。」
なんと、あるらしい。
なんでメランさんは教えてくれなかったのだろう?
「なんで最近は少なくなったんだ?」
「それはどう考えても近衛兵長のせいね。」
「どういうことだ?」
「まあ、会えば分かるわよ。」
?、まあいいか。
会えば分かるということなので、
メリッサさんに手紙を書いてもらい、
それを持って、お城の門番と
いつも通りのやりとりを経てお城に入り、
メランさんを捕まえた。
「本当に、近衛兵長に会いたいの?」
「ああ、表彰の件について聞きたいからな。」
「私、その場に居なくてもいい?」
相当、近衛兵長に会うのが嫌らしい。




