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異世界でギルド経営  作者: materialism
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勲章の理由

俺はこう考えた。


冒険者の1番の当たりとは、

やはり名誉では無かろうか。


冒険者生活において、

当たり外れは常に大きい。

大金が手に入るところもあるだろう。

大金を持つ冒険者にとって、カネは動機にはなりにくい。


だが、名誉はなかなか手に入らない。

俺は勇者だったから、すぐに王様に謁見ができたが、

王様に謁見できずに終わる冒険者も多かろう。


また、こうも考えた。

資金として金貨1000枚ある。

だから、ある程度は高額な特典を用意することもできる。

そして履歴管理が軌道に乗れば無くしてしまうこともできるだろう。


だが、またいつ、軌道から外れてしまうかもしれない。

そのとき、また金貨1000枚が貰えるのだろうか?


だから出来れば無料の特典が良い。

そして、継続可能な特典が好ましい。


そこで脳裏に浮かんだのは、

王様の権威だった。


財政は厳しいようだが、

王様の権威は健在だ。


であれば、勲章授与などの方式を導入することはできないか?


例えば、ギルドの仕事をたくさん引き受けて

達成した冒険者を表彰するような


「どうだろう?」

俺は真っ直ぐメランさんを見ながら話した。


「うーん。まあ頼んでみるけどねえ。」


そもそも冒険者は勅命を受けて、

ドラゴンや魔王を倒したときくらいしか

勲章を貰うような機会に恵まれない。


一般的なモンスター退治くらいでは、

勲章をあげたくても、あげられないというのが、

メランさんの考えだった。


なるほど。それはそうか。


「どういう理由でもいいから、勲章を用意しておいてもらえないだろうか。」

「どういう理由でもって、理由無しじゃ勲章は用意できないわ。」

「例えば、ギルド運営に貢献したと。」

「また難しいことを。」

だが、メランさんは嬉しそうだ。


それでは帰るか。

メランさんは城門まで見送ってくれた。

そういえば、金貨1000枚はいつ貰えるのだろう。


宿屋に着き、

そういえばと、看板娘に話しかける。

「この宿屋では、朝食券とかは売っているのか?」

「そういった物は無いですね。欲しいですか?」

と、看板娘は不思議そうに首を傾げる。


そこで、ギルドの立て直しの話をする。

そのためには特典が必要であり、

宿屋の朝食の無料券を発行してもらえないか、と。

もちろん、ギルドの立て直しが上手くいけば、

宿屋にもメリットがあることを強調することも

忘れない。


「そうですね〜、いいかも知れませんけど。」

「この通り、頼む。」

「正規の料金を払っていただけるなら良いですよ。」

看板娘が、これ以上無いという笑みを浮かべる。


意外にしっかりしている。

ただ、このまま特典無しでは困るからなあ。


ちょっと考えさせてもらうことにして、

部屋に戻った。


気づくと、もう夜だ。

今日は1日いろいろあったなあ、

でもメランさんは怒っていなくて良かったなあ、

看板娘は意外としっかりしているなあ、

などと考えているうちに眠ってしまった。

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